DX領域とは?推進されている領域やDXに取り組む際の注意点を解説
DXを推進することで業務効率化や顧客満足度の向上などさまざまなメリットがあるとされています。そのため、近年では多くの企業がこのDXに取り組むようになりました。その中でDXには現在主流となっている領域があるのはご存知でしょうか。ここではDXの主要な領域についてご紹介します。
目次
DXとは?
デジタルトランスフォーメーションとは、2004年にスウェーデンの大学教授であるエリック・ストルターマン氏が考案した考え方です。DXと呼ばれ、IT技術を活用してビジネスモデルや業務、人々の生活に変革を起こす取り組みです。
経済産業省では「企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソ ーシャル技術)を利用するとしています。また新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」と定義をしています。
ポイントとしては、価値を創出していること、競争上の優位性を確立することと言えるでしょう。たとえデジタル技術をうまく活用できていたとしても価値創出や優位性に貢献していなければ、それはただのシステム開発で終わってしまいます。
参照:https://www.meti.go.jp/press/2021/08/20210831005/20210831005-1.pdf
関連リンク:DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?DX推進のメリットと課題も
DXが注目されている領域とは
領域 | 内容 | デジタル化の潮流 |
ビジネストランスフォーメーション領域 | ビジネスに直結する業種のIT化 | 社会・産業のデジタル化 |
カスタマーエンゲージメント領域 | マーケティングとITの融合 | 顧客との関係をデジタル化 |
フューチャーオブワーク領域 | 将来の働き方をITで変化させる | 組織運営、働き方のデジタル化 |
デジタルエコノミー領域 | デジタルを活用したビジネスモデルの創出 | デジタル化に対応したビジネスの創造 |
現在、企業がDXを推し進める際には主に4つの潮流があります。ここでは、その4つの方向性についてご紹介します。
ビジネストランスフォーメーション領域
この領域では新規ビジネスを立ち上げたりするわけではありません。事業領域を大きく変えたり、商品の作り方や届け方を変更する、またはビジネスプロセスの効率化を図りユーザーやクライアントに迅速にサービスを提供するなどを行います。そして顧客に提供する価値を変革させます。
カスタマーエンゲージメント領域
一般消費者がネットに容易に接続できるようになったことで、情報入手が簡単になりました。そのため、SNSを通じて消費者が繋がりブームを巻き起こしたり、情報交換が行われたりするケースが増えました。このような消費者の行動を分析し、消費者のニーズを分析したり、潜在的な消費者を見つけ出したりすることが求められています。カスタマーエンゲージメント領域はデジタル技術を通じて、これらの分析を行い、顧客との関係性を強化していく改革を指します。
フューチャーオブワーク領域
近年、急激な労働人口の減少により、人手不足が進んでいます。しかし、多くの企業の組織体制や働き方は、高度経済成長期の枠組みを維持したものとなっており、現代社会において戦える状態ではありません。今後は、企業は生産性を向上させたり、さまざまな従業員のニーズに応えたりすることで、働きやすい環境を整えて行かなければなりません。フューチャーオブワーク領域ではこの課題を解決するためにAIや各種業務システムの導入、業務プロセスの刷新を行う改革のことを指します。
デジタルエコノミー領域
デジタルエコノミーは社会に存在する顕在的、潜在的な課題に対してデジタル技術を活用して、新しいビジネスモデルを創出する活動を指します。これまでの具体例としては、シェアリングエコノミーやセンサーを活用した家電製品の普及などがあります。顧客にこれまでなかった新しい生活様式や消費様式を提供しています。
その他のDX領域
DXには注目されている4つの潮流があることをご紹介しました。これらは近くに顧客がいることから効率化の視点が届きやすいのが特徴です。しかし、この4つの潮流以外にもさまざまなDX領域があります。ここではその他のDX領域についてご紹介します。
マーケティング領域
マーケティング領域とは、その名の通りマーケティングに関するDX推進のことを指します。マーケティングと聞くとカスタマーエンゲージメント領域と似ていますが、より製品・サービスに着目している点が特徴的です。具体的にはITツールやAIを導入して、市場調査や商品開発などのプロセスをデジタル化して、新しい製品・サービスを提供することを指します。近年、市場環境はより早い速度で変革しているため、プロセスを迅速化することが求められています。
関連リンク:マーケティングDXとは 成功事例や課題、手順や成功させるポイントなどを解説
バックオフィス領域
バックオフィスとは顧客と直接は関わらない経理、法務、人事などを指します。このバックオフィスに関わる業務をデジタル技術を駆使してビジネスプロセスを改革していくのがバックオフィスDXです。経理や法務部門では押印が必要な業務もあり、デジタル化が進んでいない業務も多々ありました。しかし、コロナ化の影響でリモートワークが強制的に進んだことや押印作業が令和2年法改正で見直しとなったことにより、改めてバックオフィス領域のDXが見直されています。
セールス領域
セールス領域のDXは主にCRMやSFAに関連したDXになります。デジタル技術を活用して、営業プロセスを見直すことで効率的に顧客との接点を強化することを指します。これまで自由度が高い業務でしたが、この領域は企業にとってビジネスの柱となることも多くありました。
カスタマーサポート領域
近年の顧客の活動を見るとスマートフォンでいつでも調べられるようになったことで、24時間365日のサポートの必要性が増しています。しかし、その活動を人力で行うのは困難です。そのため、カスタマーサポートにおいても顧客の行動に合わせたチャネルの構築と連携が求められています。その具体例としてはAIを利用した自動応答機能などがあげられます。顧客体験を向上させるためにはより重要な領域になっています。
DXソリューションの代表例
ここまでどのようなDX領域があるのかご紹介しました。ここではそのソリューションの代表例を紹介します。
関連リンク:DXソリューションとは 成功事例や導入方法、選定のポイントなどを徹底解説
RPA
RPAはこれまで人が作業していた定型作業や単純作業を自動化する試みのことを指します。近年、人手不足が深刻になっていたり、長時間労働の是正に焦点が充てられていることによって、RPAの活用の場が広がってきています。
関連リンク:RPAとは?DXとの違いや導入メリットなどを事例を用いて徹底解説
ペーパーレス
ペーパーレス化とはただ紙媒体を減らす試みだけではありません。紙媒体を活用した業務プロセスを変革していくことが重要なポイントです。これまで紙で扱っていたものをデータで扱うことにより、内部の承認プロセスの効率化や顧客との取引の効率化が望めます。
DX領域を広げることで得られるメリット
DX領域にはさまざまな種類があることをご紹介しました。これらの領域は互いに組み合わさって高い効果を発揮します。ここではDX領域を広げることで得られるメリットを紹介します。
人的ミスの減少
DXを推進することにより、これまで人が行っていた作業を自動化することで人的ミスを減少させることができます。また、これまで個々人でムラがあった作業品質を一定に保つことができ、効率的に業務プロセスを回すことができます。
顧客満足度の向上
セールス領域のDXやカスタマーサポート領域のDX、マーケティング領域のDXを促進することによって、多角的に顧客をサポートすることができます。例えば、製品・サービスの改善のみといった1つの方向性だけでなく、顧客とのコミュニケーションの改善や的確なニーズの把握、流通経路の見直しによるサービスの普及などといった感じです。さまざまな観点から顧客に貢献することで、顧客満足度を向上させることができます。
労働力不足の問題解消
DXではこれまで人がやってきた作業を自動化したり、効率化したりすることが可能です。また、DXと業務プロセスの改善を複合して実施することでこれまで必要だった作業が不要になる可能性もあります。そのため、DXを推進することで業務効率化を図り、労働力不足の問題を解消することができます。
DXの推進を成功させるポイント
DXは成功させることができればさまざまな効果を発揮することができます。ここではDXを推進させる上でのポイントをご紹介します。
DX人材を適切に確保する
DX人材とはデジタル領域に精通し、率先してビジネス改革を行える人材のことを指します。しかし、DXが普及してきていることによりDX人材は不足しています。そのため、いざDXに着手しようと思っても中々進めることができないケースが多くあります。リスキリングや教育方針を見直し、外部会社に委託するなどさまざまな観点からDX人材の確保を検討しましょう。
組織的なDX推進活動を行う
DXはシステム部門だけで行うべきものではありません。業務部門と一体となって取り組むべき課題です。しかし、業務部門は今の状況が最適であると考えて、DXの推進に反発してくる可能性があります。その時に統制を取って作業を行うため、DXの推進の最初の指示は経営層から行うべきでしょう。このように統制をとってDXを推進させることで、一体感が生まれDXを成功に導くことができます。
長期的な視点で検討を行う
長期的な視点で検討を行うこともDXを成功させる上で重要なポイントです。DXは実施してすぐに効果が出るものではなく、繰り返し改善活動を行うことで効果を高めていくものです。そのため、すぐに成果がでないからと言って諦めるのではなく、長期的にPDCAサイクルを回すことが重要になります。
DX推進にはSMSの活用がおすすめ
SMSは携帯端末間でテキストのやり取りが可能なサービスです。このSMSは手軽にユーザーに送付できるため、コミュニケーションツールとして強い力を発揮します。また、電話番号とも連動しているため、リーチ率が高いというメリットもあります。これらのメリットを効率的に活かすことで、顧客とのコミュニケーションチャネルを増やすことができ、DXの推進を活性化できるでしょう。
法人向けSMS送信サービスなら「KDDI Message Cast」
法人向けSMS送信サービスなら「KDDI Message Cast」がおすすめです。このサービスは長文送信や送信元番号指定、誤送信防止機能などさまざま機能があります。また、企業での導入事例が多いSalesforceとも連携しています。そのためSMSを効果的に利用することができます。
まとめ
DXの最近の潮流や成功のポイントを紹介しました。DXは業務効率化を図り、顧客との接点の増加や設定の改善など、ありとあらゆるメリットがあります。また、DXの成功により得た資金を新たなビジネスに活かすこともできます。まずは1つの領域に絞ってDXを検討してみると良いでしょう。