DX支援サービスとは?
種類やメリット・デメリット、おすすめの選び方などを徹底解説
DX推進の重要性は年々高まっています。DXの推進が遅れた場合、各企業や国において「2025年の崖」という言葉でも知られているようにさまざまな損失が生じると懸念されています。とはいえ、企業によってはDXを独自で進めていくことが難しいケースも少なくありません。そこでおすすめできるのがDX支援サービスの活用です。本記事ではDX支援サービスとは何か解説した上で、サービスの事例やメリットとデメリットなどについて解説していきます。
目次
DX支援サービスとは
DX支援サービスとは、DX推進を相談者の利益を生み出すためにさまざまな方向性から支援するサービスです。
DX支援サービスは技術支援サービスとビジネス変革支援サービスに主に分けられます。以下、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1:技術支援サービス
技術支援サービスには、システムの構築を支援する仕組みやモノにインターネットを接続して遠隔操作を可能にするIoTの活用などが含まれています。
サービスの内容もさまざまで、導入後は自社で維持や管理を行えるように指導してもらえるものや、トラブル発生時には専門の技術者が対応するものなどがあります。
技術支援サービスでは導入や運用において手厚いサービスを受けられますが、新技術を用いた新しい業務フローの構築を社内で進めなければなりません。
2:ビジネス変革支援サービス
ビジネス変革支援サービスとは、将来的なDXの実現のためにフォローするものです。具体的には、デジタル戦略の策定、DX人材の育成、組織体制の変革などDX達成に向けたフォローを行います。
また、ビジネス変革支援サービスの中には、ビジネスモデルの設計や業務フローの構築から実行支援のコンサルティングまで一貫して受けられるものもあります。
3:政府からのDX支援
ここでは、政府が実施しているDX支援をいくつか紹介します。
・DX産業指標
DX産業指標とは、2021年8月に経済産業省が「DXレポート2.1」で明らかにしたものです。DX産業指標では企業を4つの類型に分類し、類型ごとに目指すべき姿が明記されています。各企業はこの指標によってDXを実現するために目指すべき姿が明らかになり、目標を立てやすくなります。
ただし、DX産業指標は作成途中の指標であるため、企業は現時点では活用できません。
参考:デジタル経営改革のための評価指標(「DX推進指標」)を取りまとめました (METI/経済産業省)
・中小企業を対象にした補助金制度
政府は中小企業のDX推進をサポートするために、主に以下の補助金制度を設けています。
・ものづくり補助金
・IT導入補助金
ものづくり補助金とは中小企業における業務の生産性向上のための革新的サービスの開発や、試作品開発などを支援する制度です。例えば、ドローンを活用した測量技術の開発や、印刷測色器導入を活用した業務効率化と品質向上などが挙げられます。
また、IT導入補助金とはITツールの導入にかかる費用の一部を補助する制度です。中小企業はITツールを導入することで、業務効率化アップや利益の拡大を目指します。
DX支援サービスの事例を紹介
富士通
富士通株式会社はデジタル革新オファリングを実施し、業種や業務別に適したDX推進支援を行っています。
デジタル革新オファリングではデジタルによる革新を事業、顧客関係、組織・働き方、社会・経済の4つに分類した上で、金融や小売などの16の適用分野に分類します。そして、考えられる利用シーンを細かく定めます。
企業は富士通が設定した利用シーンを閲覧することで、DX実現後の自社の現場について想像できるようになります。企業と富士通は明確、かつ具体的な目標を互いに共有でき、目的に向かってDXを推進できます。
参考:https://www.fujitsu.com/jp/innovation/digital/
NTTアドバンステクノロジ
NTTアドバンステクノロジ株式会社はDX支援コンサルティングを行っています。このコンサルティングでは、顧客に業務効率化の実現方法について伝えます。
同社はこれまでに数多くの企業のDXの推進をサポートしてきたため、膨大なノウハウを蓄積。DX実現のノウハウを活用して緻密、かつスムーズなコンサルティングを実施します。
同社のDX支援コンサルティングはテレワークの推進や電子署名の活用など、さまざまなDX推進に対応しています。
https://www.ntt-at.co.jp/product/dx-sol/consulting/
みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社
みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社は企業の成長戦略をサポートするDX支援コンサルティングを提供しています。
基幹システムに関するサービスやデジタル・DXに関するサービスなどさまざまなサービスを実施。DX推進組織をつくったものの社内で推進できない、パッケージやERPを導入したいが選び方が分からないといったさまざまな悩みを解決します。
https://www.mizuho-rt.co.jp/solution/improvement/it/information/dx/index.html
DX支援サービスの導入メリット
ビジネスモデルの新たな創出の実現
ITツールは日々変化していますが、それに応じて消費者の消費行動も大きく変化しています。例えば、近年普及しているスマートフォンですが、通信は4Gから5Gへと移行しようとしています。通信が移行すれば、事業者はそれに応じたサポートやサービスの提供が必要になるでしょう。
また、市場には最先端の技術を活用した利便性の高い商品が多く流通しています。自社の商品を消費者に選んでもらうためにはAIやIoT、5G、ブロックチェーン、ビッグデータなどを取り込んだ、新たなビジネスモデルを創出しなければなりません。
業務の効率化アップ
ITツールをうまく活用することによって、業務の効率化をアップできます。例えば、クラウドは機能性が高く、場所を問わずに利用できることから、移動中の作業やリモートワークを可能にしました。また、データ入力や会計処理などの業務の一部を自動化すれば、担当者の負担が大きく軽減されるだけでなく、人的ミスも回避できるようになります。
DX支援を実現することで、業務の自動化や連携が実現し、人的資源活用の最適化を実現できます。
BCPの充実化
BCPとはBusiness Continuity Planの略語で、日本語では事業継続計画と称します。
社会における変化が激しい昨今、企業はいつ危機に立たされるか分かりません。例えば、2020年春先から世界各国で蔓延した新型コロナウイルスは多くの企業にダメージを与えました。
将来を見通すことが難しい昨今であるからこそ、BCPを十分に講じておき、もしものときに対応できるようにしておく必要があります。
DX支援はBCPの充実化にも効果的です。ITツールを活用して場所や時間を気にせずに働ける労働環境を構築しておくことで、災害が生じた際のダメージも少なく抑えられるでしょう。
専門家によるノウハウの活用
DX支援サービスに相談すれば、専門家として持っているノウハウを活用してスムーズにDXを進められます。DX支援サービスでは他社のサポートもしているため、複数社でのDXの取り組みを知っています。成功事例のノウハウを生かすことも、失敗事例の教訓から学んでDX方法を考えることも可能です。専門家として培ってきたノウハウを伝授してもらい、新たなビジネスを生み出せる可能性もある点で支援サービスに相談するメリットは大きいと言えます。
DX支援サービスの導入デメリット・注意点
成功するためには長期的取り組みが前提となる
DXは長期的に実施しなければ効果を出すことができません。また、社会やビジネスは変化しているため、その時々の状況に応じて導入しているシステムの見直しや変更も必要です。そのため、DX支援は一度受ければ簡潔するものではなく、継続的に受ける必要があります。
また、DXには明確な答えがないため、支援を受けたとしても思うような効果が出ないこともあるでしょう。こうした場合、施策を再度考案したり、実施内容から見えてきた課題を解決したりしなければなりません。
コストがかかる
DX支援を受けるには当然のことながら料金がかかります。また、DX支援を受けると、ITツールを導入することになるため、初期投資費用やランニングコストなどの料金も発生します。
また、自社でDXを進めていくことが困難である場合、DXに精通した人材を新たに雇い入れる必要があります。
しかし、DXの推進を怠ると、自社にとって長いスパンで見た際に損失が生じると懸念されます。ITツールの導入・運用費用や人件費などと将来的に生じる可能性のある損失についてよく検討することをおすすめします。
ノウハウの蓄積や人材育成も重要
DX支援サービスを導入したとしてもすぐに成果につながるとは限りません。社内のノウハウや実践結果をデータとして蓄積していき、他社との違いを生み出すことが必要になります。DX支援サービスに完全に任せきりになってしまうと社内の人材が育たないという問題もあります。社内でデータを貯めてノウハウを蓄積するインフラを整えたり、教育研修を通してDX人材を育成したりする取り組みも進めていくことが中長期的には欠かせません。
効果検証が必須
DX支援サービスはコストをかけて導入しても効果が上がらないことがあります。支援を受けることで費用対効果が十分に得られているかどうかを検証しましょう。DX支援サービスと契約交渉をする時点で具体的にKPIを決めて数値目標を定めることが重要です。アドバイスに従ってシステムを導入しただけでは効果が出るとは限りません。DXを実現するために継続的なフォローを受けて効果検証を続けていきましょう。
DX支援サービスの選び方と比較ポイント
DX支援サービスは多岐にわたっているのでどれを選ぶかが大きな課題です。ポジティブな結果につながるDX支援サービスを選び出すには比較が必要になります。ここでは業者選びをするときの比較ポイントを説明します。
自社のビジネスとの親和性が高いか
まずは自社のビジネスとの親和性があるDX支援サービスを選ぶことが大切です。業者によって今まで経験してきた業種が異なります。また、サービス形態として技術支援かビジネス支援かも違います。自社事業との親和性が高く、課題解決につながる支援方法に対応しているところを選ぶのが基本です。業界知識が十分にないと的確なDXのアドバイスができず、なかなか成果につながらないので注意しましょう。
実績があって信頼できるか
自社と同じ業種での実績が十分にあることが重要なポイントです。理想的には同じくらいの規模の企業を支援してDXを成功させてきた実績があるところを選びましょう。実績がないけれど独自の技術があるというケースもありますが、支援を受けても成果につながらないリスクがあります。自社と同じような境遇で支援を受けた結果としてDXを実現した企業の事例があることを重視して選ぶと、成果につながる支援を受けられるでしょう。
予算的に問題なく利用できるか
予算を考えたときに、無理がないところを選ぶのは重要です。DXに必要なツールを導入できたとしてもランニングコストが高くて継続的に利用することが難しくなる場合があります。導入コストが高くてそもそもDXに使えないこともあるので注意が必要です。自社の状況を考えて、DX予算を立てましょう。その予算内で利用できるサービスをリストアップし、費用対効果を上げられるサービスから導入を進めていくとDXを効率的に推進できます。
導入や運用で支障がないか
DXの支援サービスを導入したとしても、導入時点で困難が生じたり、運用が困難だったりする場合があります。支援サービスを比較するときには、自社で使いこなせるレベルのシステムかどうかを確認することが重要です。スムーズに導入できるサービスを選ぶと速やかにDXを実現できます。従業員の教育コストも抑えられるので費用対効果も高くなります。トラブルがあったときにサポートがあると運用もしやすく、安定してDXを進められます。
DXの導入ならSMSの活用がおすすめ
DXの導入を検討している企業にはSMSの活用がおすすめです。SMSとは携帯電話やスマートフォンの電話番号で送信できるショートメッセージで、ビジネスにおいても近年注目されています。
クライアント企業やお客様との連絡手段をSMSにすれば、双方にとってさまざまなメリットが得られるでしょう。送信側にとっては電話を繰り返しかけなおす手間が省ける他、コスト削減にもつながります。また、受け取り手にとっても都合のよい時間にメッセージを確認できるため、やりとりにおける負担を最小限に抑えられます。
また、メッセージはスマートフォンや携帯電話に通知されるため見落としにくく、かつ移動時間にも確認可能です。
SMSを活用することで顧客やクライアント企業の満足度が高まるだけでなく、メッセージの見落としなども防ぎやすくなるでしょう。
法人向けSMS送信サービスなら「KDDI Message Cast」
法人向けのSMSの送信にはKDDI Message Castがおすすめです。KDDI Message CastはKDDIグループが提供するSMS送信サービスで、スマートフォンや携帯電話に携帯番号を使ってメッセージを送れます。
1通あたり最大660文字まで送信できる他、メッセージと一緒に画像や動画の送信も可能です。
費用は従量課金のみで、初期費用、および定額費用は一切かかりません。無駄なく利用できるのも嬉しいポイントです。
まとめ
DXの推進は多くの企業において急速に解決しなければならない課題となっています。とはいえ、自社にITやデジタルに精通した人材がいない企業や、DX推進事業に従業員を充てる余裕がない企業も少なくないと見受けられます。
自社でのDX推進が難しい場合や人的リソースを十分に割り当てられない場合は、DX支援サービスの利用がおすすめです。DX推進サービスを活用すれば、自社でDX推進の対応が難しい会社であっても円滑に進めていくことができます。