TwitterやInstagramなどのSNSを活用するマーケティング手法、「SNSマーケティング」。似た手法でSMMマーケティングも存在しますが、両者に違いはあるのでしょうか。また、SNSマーケティングを成功させるには何をするべきなのかが気になる方も多いはずです。本記事ではSNSマーケティングの概要やメリット、成功のポイントなどについて詳しく解説していきます。

目次

SNSマーケティングとは?

今や多くの人々にとって身近な存在となっているSNS(ソーシャルネットワークサービス)。SNSマーケティングとは、その名の通りSNSを用いて行うマーケティング活動全般のことを指します。

SNSでアカウントを作成し、企業のサービス・商品の魅力を伝えたり、顧客に有益な情報提供ができるという点がSNSマーケティングの特徴です。特に「Twitter」や「Instagram」などコミュニケーションを目的としたサービスは顧客とダイレクトかつ気軽にコミュニケーションを取れるため、好感度の向上にもつながりやすくなります。

また、SNSでは「エゴサーチ」という自社に対する意見に絞った検索も可能です。顧客の嘘偽りない意見が多く発信されており、市場調査などのアンケートよりもリアルタイムな生の声を効率的に収集して事業に活かすことができます。

とはいえ、ただアカウントを作成して何となく運用するだけでは満足に効果を得られるわけではありません。SNSマーケティングにおけるメリット・デメリットを理解したうえで、きちんと立てた戦略をもとに運用していく必要があります。

SNSマーケティングとSMMの違い

SMMとは「ソーシャル・メディア・マーケティング」の略で、インターネット上で誰でも発信や受信ができる媒体のことです。

「インターネットを介して行うマーケティング活動」という特徴においてはSNSマーケティングと同じですが、SMMはSNSに限らずブログやオウンドメディアを活用することもあります。

つまり、SMMは「SNSを含めたソーシャルメディアを用いるマーケティング活動」を括る枠組みと認識すると良いでしょう。

個人や組織の直接的なつながり・交流を重視したSNSに対し、SMMは必ずしもユーザー同士のつながりに発展するとは限りません。ブログやオウンドメディアでつながりを伴わないマーケティングをすることもあれば、SNSでユーザーとコミュニケーションを取りながらマーケティングをする場合もあります。

SNSマーケティングの重要性

株式会社ICT総研の調査によると2020年度時点で日本のSNS利用者は7,975万人(普及率80%)となっており、2022年度末は8,241万人にまで拡大すると想定されています。このような背景に加え、SNSならではの特色からマーケティングにおける重要性を見出す企業は増えています。

従来は「企業が一方的に発信した情報が消費者へ届けられる」という流れが一般的でした。しかし現在はインターネットやデジタルデバイスの発展に伴い、「消費者自らが情報を発信できる時代」へと変化を遂げています。

誰でも情報を発信できる社会の中では、企業自らが届けたい情報を埋もれさせず消費者に見てもらうための工夫が必要です。

消費者は、インターネット上にある膨大な情報の中からより信頼性の高い人物によるリアルな意見を求める傾向にあります。そのような情報社会と購買行動の変化に則した形のマーケティング手法が、SNSマーケティングです。

多くのファンを惹きつけるインフルエンサーにSNSで宣伝をしてもらったり、商品と親和性の高いユーザー層に絞った配信をすることで大きなマーケティング効果を得られます。

参考: https://ictr.co.jp/report/20200729.html/ 

SNSマーケティングのメリット

SNSマーケティングの大きなメリットは、膨大な数のユーザーに向けた発信ができるという点です。それに加え、以下のようなメリットを得ることもできます。

認知の向上による新規顧客の獲得

どんなに良い商品やサービスを提供していても、認知度がなければ顧客を獲得することができません。

SNSで情報を発信することにより、多くのユーザーに商品やサービスを認知してもらうチャンスをつかむことができます。また、SNSは他の媒体よりもユーザーの身近な存在となりやすいため、コミュニケーションを重ねていけば親しみも覚えてもらえることでしょう。

このように認知の向上と心理的なアプローチを行うことで、新規顧客の獲得につながることがSNSマーケティングのメリットです。

リードの獲得につながる

SNSマーケティングは、見込み顧客にアピールがしやすいというメリットもあります。

SNSはほとんどの場合、投稿内容を保存できます。情報の発信からすぐに商品やサービスを購買できないユーザーでも、投稿を保存しておいて意欲がわいたときに購買を検討するという流れに期待ができます。

また、ユーザーがSNSを閲覧しているタイミングと自社が情報を発信するタイミングがずれていても、アカウントがフォローされていれば自発的に情報を追ってもらうことが可能です。

このメリットを最大限活かすには、アカウントのプロフィールに運営しているWEBサイトのURLを記載しておくことが大切です。購買を検討している見込み顧客がサイトへアクセスし、商品やサービスをチェックしたうえで購入につながるというスムーズな流れも作り出せます。

いつでも最新の情報を発信できる

商品やサービスの情報を発信するツールとしてはブログやプレスリリースを活用する企業が多いですが、SNSは企業が伝えたい内容をいち早く発信しやすいという特長があります。

時間帯や日にちを問わず、最新の情報を企業がイメージするままに発信できることは、タイムラインを眺めているだけの受動的なユーザーへのアプローチにもつながります。

また、画像や動画なども添付できるので、多種多様な表現方法で企業の個性をアピールできることもメリットです。

発信できる内容は多岐にわたる

SNSマーケティングにおける主な発信内容は商品やサービスの宣伝ですが、他にも様々な内容をユーザーへ届けることができます。

例えば顧客が発信した自社商品・サービスに対する意見をリサーチし、担当者がそのユーザーへコミュニケーションを取って対応していくという使い方もSNSでは可能です。宣伝だけに留まらず、発信内容を工夫することで企業やサービスに対する信頼度を高めることができます。

顧客から高い信頼度を得ることはブランディングに繋がり、新規購入のハードルを下げることにつながります。結果、競合他社と比較検討された際に優位にはたらくことが期待できます。

顧客のリアルな意見をチェックできる

SNSのユーザーは、最近買ったものや食べたもの、観賞した作品の感想など日常で感じた意見を素直な言葉で投稿している人が多いです。口コミを投稿できるWEBサイトもありますが、SNSはポジティブな感想もネガティブな感想も日記感覚で気軽に書き込めるため、リアルな意見が集まりやすくなります。

「○○な部分が良かった」「もっとこうしてくれたら良かったのに」などの声を新たな商品開発やサービス改良に活用すれば、さらなる売り上げアップ効果に期待できます。

SNSマーケティングのデメリット

他の媒体では得られないメリットが豊富なSNSマーケティングですが、デメリットも存在します。

SNSマーケティングを採用している企業は現時点でも非常に多く、競合他社の投稿よりもユーザーの目を引くような質のコンテンツを発信し続ける必要があります。コンテンツの質と量を両立させるには、日々変わりゆくトレンドやSNSプラットフォーム・検索エンジンの動向を常に調査しながら内容を見直すことが大切です。このような運用と通常の業務を並行させるには大きな負担がかかるため、知見のある専任担当者が必要になります。

自社内にSNSマーケティングに関する知識や経験をもつ人材がいない場合、外部の専門家へ協力を求めることを検討しても良いでしょう。

また、SNSはポジティブな意見だけでなく、ネガティブな評価の拡散が非常に速いです。自社の投稿が「炎上」すると情報のコントロールが難しくなるため、不適切な投稿をしないよう細心の注意を払いましょう。

SNSマーケティングにおける戦略をしっかりと組み、「実行〜商品開発・サービス改善」までのプロセスを繰り返しながら売り上げ向上を狙いつつ、安全なアカウント運用を心がけることが大切です。

SNSマーケティング戦略の組み方

先ほどご紹介したSNSマーケティングにおけるメリットを得つつ、デメリットを回避するには適切な戦略のもとで取り組む必要があります。ここでは、SNSマーケティング戦略の組み方について解説していきます。

SNSマーケティングの目的・目標設定

まずはSNSマーケティングを通して、どんなことを実現したいのかという目的・目標を明確にしておきましょう。

一般的には、「既存の手法では手が届かなかった年齢層へのアプローチを図る」、「顕在層しかアプローチできなかった既存の手法に加え、SNSで潜在層にもアプローチの幅を広げる」など、既存の手法では賄いきれない部分を補うためにSNSマーケティングを採用するケースが多いです。

SNSマーケティングのメリットを踏まえ、自社に適した規模の目的・目標を定めましょう。

目的・目標を定めたら、それを実現するために必要な過程に優先順位と達成期限を設けて取り組むこともポイントです。

競合アカウントの調査

競合他社がどのSNSでアカウントを運用しているのか、どのような投稿内容で、どんなターゲティングをしているのか…といった分析も大切なステップです。

投稿への反応やフォロワー数といった数値から、SNS内でひと際高い注目度を得ている企業の特徴を分析すれば、自社のSNSに足りないことやこれから取り組むべき課題が見えてきます。また、新商品の開発を検討する際もすでにマーケットで入手できる競合ブランドの類似製品を調べることで、自社の商品にどのような個性を与えるべきかを考えるためのヒントになります。

中には、特定のSNSにおける他社アカウントの動向データを探れる分析ツールもあるため、そのような機能も上手に活用していきましょう。

ターゲット策定

他のマーケティング手法と同じく、「どんな層へアプローチするのか」というターゲット策定も必要です。とはいえ、他の手法のように「ペルソナ」としてかっちりと設定する必要はありません。ターゲット像を過剰に絞り込むと、SNSならではの特長が発揮されなくなるからです。

SNSマーケティングの場合は最初に定めた目的・目標をもとに、年代や性別などおおまかな層を明確にすれば十分です。

ただし、「どんな理由でSNSを登録しているのか」「いつSNSを開くのか」「何のSNSを見ることが多いのか」というポイントを考慮しながらターゲットを策定していきましょう。細かいポイントですが、これらを明確にするとより効率的にターゲットへ情報が届きます。

ターゲットに沿ったSNS選定

SNSマーケティングでは、どのSNSを利用するべきかを慎重に検討する必要があります。策定したターゲットと親和性の低いSNSを選んでしまえば、いくら質の高いコンテンツを発信したところで肝心のターゲットに届かない可能性が高いからです。

SNSには様々な種類がありますが、それぞれが異なる特徴を持っています。文字ベースなのか、写真・画像・動画がメインなのかといったコンテンツ形態によっても、プロモーションの仕方が変わります。さらにユーザーの年齢層や男女比、ライフスタイルの好みといった要素もSNSマーケティングの効果を左右します。

以下にて主要SNSの種類とそれぞれの特徴を理解したうえで、ターゲットと親和性が高いと思われるものを選びましょう。

Instagram

2018年時点で全世界における月間アクティブユーザー数が10億人を超え、爆発的な成長を遂げたSNSです。写真や動画の投稿がメインとなっており、通常の投稿だけでなく24時間限定で公開される「ストーリー」というショートムービー機能もあります。

主なユーザー層である10代~20代の女性を中心に「インスタ映え」という言葉が広まっているように、投稿する画像や動画に高いクオリティを求める傾向が強いです。

拡散性は低いですが、日本国内ではハッシュタグによる検索が活発に行われています。

Twitter

Twitterは日本国内におけるユーザー数はLINEの次に多く、2018年10月時点で国内月間アクティブアカウント4,500万人超えを達成しています。主なユーザー層は10代~20代の男女ですが、政府関係の要人や芸能人からも広報目的で利用されることが多いです。

投稿可能なコンテンツは、140文字以内のテキスト・画像・動画の3種類となっています。すべての投稿がリアルタイムに表示されるタイムライン機能、そして「リツイート」による拡散性の高さがTwitterの大きな特徴です。

Facebook

Facebookは2019年3月時点で日本国内ユーザー数が2,600万人、世界では2021年12月時点で29億1000万人(月間)ものユーザー数を誇る世界最大級のSNSです。主なユーザー層は30~40代で、10代の若年層は極めて利用率が低い傾向にあります。

原則として実名登録を推奨しており、他のSNSよりも実社会的な雰囲気が特徴的です。ユーザー間の交流よりは、現実で繋がりのある友人や知人との情報交換や近況報告といったコミュニケーションがメインの利用目的となっています。

国内の利用状況は縮小傾向にあるものの、世界的なユーザー数はトップクラスであるため、外資系企業や海外進出をしている企業は利用をおすすめします。

LINE

LINEは2020年9月末時点で国内ユーザー数が8,600万人を突破しており、日本において他SNSを凌駕する高い人気度を誇ります。10~50代と幅広い年代層に利用されていますが、中でも20代の利用率は98%以上と極めて高いです。

メッセージをやり取りしたり、音声・ビデオ通話をしたりと個人間でのやり取りが主な利用目的とされており、日本国内では「生活のインフラ」として根付いています。

ビジネス利用をする際は、「公式アカウント」の作成が必要です。友だち登録をしてくれたユーザーへメッセージやクーポンなどを直接配信することができ、店舗型ビジネスにおいては特に高い集客効果を発揮します。

YouTube

2020年9月時点で国内ユーザー数6,500万人を突破したYouTubeは、インターネットで動画を視聴するユーザーのほぼすべてが利用していると言っても過言ではありません。YouTubeも幅広い年代に利用されていますが、中でも30~50代の利用率が高いです。

コンテンツ形態は動画に限られるため制作に手間がかかりますが、新商品の情報を発信したり、ライブ配信でウェビナーを開催したりと様々な方法で活用できます。

Tiktok

Tiktokは2019年2月末時点で国内ユーザー数が950万人と利用水準が比較的低いですが、2020年8月には世界で最もダウンロードされたアプリとして注目を集めました。10代の利用率が特に高く、40~60代の利用率は極端に低いため効率的なリーチは望めません。

コンテンツ形態は15秒〜1分程度の短い動画のみで、好みに合わせたBGMの設定や多彩な編集機能により誰でも簡単にキャッチーな動画を作ることができます。

KPIの設定

KPIとは、目的・目標を達成するための数値的な指標のことです。この数値を設定することで、段階別に達成率を確認しやすくなります。

SNSマーケティングにおけるKPIは、「定量的」「定性的」という2つの面で数値を設定すると良いでしょう。

「定量的」とは、主に以下の数値のことを指します。

  • コンテンツの投稿数
  • フォロワー数
  • インプレッション数
  • エンゲージメント数(いいねやリツイートなど)
  • コンバージョン

一方で「定性的」とは、自社商品やサービスに対するユーザーの印象や言及している内容に関する要素です。エゴサーチや分析ツールなどを通してユーザーの意見を抽出し、目的・目標の達成へより近づくための振り返りに活用しましょう。

効果測定・改善

実際に投稿を開始し、毎週または毎月など一定の期間ごとに反応の分析を行います。前回の投稿からフォロワーや閲覧数がどのように変動したのか、どの投稿が多くの反応を集めているのかなどを測定しましょう。

測定した結果から、反応の数に変動があった理由は何か?投稿日やタイミングと反応率にどんな関係があるのか?どんな投稿が伸びる傾向にあるのか?などを深堀します。

また、KPIで設定した数値をもとに、どのソーシャルメディア機能やデータ分析ツールの仕様が適しているのかを常に検討することも重要です。

このように測定と改善を繰り返しながらSNSマーケティングを継続することで、集客の効率性も向上しより大きな効果が期待できるようになります。

SNSマーケティングの成功要因

SNSマーケティングを成功させるには、適切な手順を踏むだけでなく「成功要因」も押さえておく必要があります。ここでは、SNSマーケティングを成功させる要因を紹介していきます。

宣伝だけでなく有益な情報も発信する

企業がSNSで投稿を行う大きな目的は集客のための宣伝ですが、「ユーザーにとって有益な情報を提供」するというコンセプトのもと運用をしましょう。

ユーザーから寄せられる好感度や信頼度は、SNSマーケティング成功を目指すにあたって重要なポイントです。有益な情報や面白いと思う情報を発信し続ける企業アカウントには多くのユーザーが好感を抱き、やがてファンになります。

企業のファンになったユーザーはコンテンツの拡散やキャンペーンの参加へ積極的になるため、商品やサービスの売り上げに貢献してくれます。

エンゲージメントを高めることを意識する

企業とユーザーの関係性を強化するエンゲージメントは、いいねやコメントといったアクションにより実現されます。エンゲージメントを高めてこそSNSマーケティングのメリットを最大限活かすことができるため、常に投稿内容に対するアクションの数は追っていくことが大切です。

とはいえ一朝一夕でエンゲージメントを高めることは困難であるため、腰を据えて行う長期的な活動であることを理解しておきましょう。改良を繰り返しながら、いかにターゲットへ響く内容のコンテンツを発信できるか研究を続けることが成功へのポイントです。

迅速かつ親切なコミュニケーション

定期的なコンテンツの発信を基幹にしつつ、ユーザーへのこまめなコミュニケーションも欠かさないようにしましょう。自社や自社の商品・サービスに対する感想を逐一チェックしたうえで、返信や「いいね」などのアクションを積み重ねていくとエンゲージメントを高めることができます。

なお、ネガティブな感想に対してはできる限り迅速に対応することを心がけましょう。感想の内容を精査したうえで、謝罪や個人的なやりとりの要否を判断して適切に対応することが望ましいです。

SNSごとの特性を活かして使い分ける

先述の通り、SNSは様々な種類がありそれぞれ特徴やユーザー層は異なります。同じコンテンツやキャンペーンを発信しても、SNSによって反響の仕方が大きく変わることが多いです。

SNSマーケティングを始める前に、まずはSNSの特色やユーザー層を深く理解しておく必要があります。また、各企業がそのSNSでどのようなマーケティングをしているのか学ぶことも大切です。

必要に応じてインフルエンサーを起用する

SNSとインフルエンサーは非常に相性が良く、自社の商品やサービスのPRにインフルエンサーを起用したマーケティングは驚くほどの拡散力を発揮することがあります。

しかしやみくもに起用するのではなく、インフルエンサーの強みや人を惹きつける魅力、どのような層に支持されているのかといった特色を理解しておきましょう。自社の商品やサービスと親和性の高いユーザーに支持されているインフルエンサーを起用できれば、自社コンテンツの反響規模は大いに期待できます。

SNSマーケティングの成功事例

実際にSNSマーケティングを成功させた企業は、どのようなコンテンツを発信しているのでしょうか。ここでは、SNSマーケティングに成功した企業の例を3つご紹介します。

ライオン「スーパーNANOX 」公式アカウント

ライオン株式会社は、洗濯用洗剤「スーパーNANOX 」専用の公式アカウントをTwitterにて運営しています。製品アカウントでありながらフォロワー数は2022年4月時点で8.8万人と多いです。

主な投稿内容としては「#NANOX相談所」というハッシュタグを使いつつ、洗濯に関する知識やお役立ち情報となっています。幅広い層のユーザーに寄り添ったコンテンツは常に3桁、多いときは4桁ものいいね数を獲得する人気アカウントへと成長しました。

また、不定期でユーザーが抱えている洗濯の悩みや疑問についてアンケートを行い、課題解決のアクションにつなげていくという運用方法にも注目です。

コクヨ

2022年4月時点でInstagramで12万人以上のフォロワーを獲得しているコクヨ株式会社のアカウントでは、動画を上手に活用して文房具の魅力を発信しています。

画像やテキストだけではどうしても無機質な印象になってしまう文房具ですが、動画を使うことで実際の使用感など細やかな情報を伝えることに成功しました。動画を見たユーザーはその文房具を自分が使っているかのような感覚となり、購買意欲が刺激されるという効果にも期待できます。

派手な編集をせずシンプルな動画を発信し続けているスタイルは、文房具ならではの魅力を十分に活かしており効果的なマーケティングです。

ドミノ・ピザ

株式会社ドミノ・ピザ ジャパンは、Twitter・Instagram・Facebook・LINEと日本における4大SNSを活用しています。それぞれの特色に合わせた戦略的なコンテンツ発信により、企業アカウントとしてはトップレベルのフォロワー数と知名度を獲得しました。

例えばFacebookでは、画像や動画投稿で焼きたてピザの美味しさを視覚からアピール。Twitterではピザに関する豆知識の発信や、Twitter上のトレンドに則った面白味のあるテキストでユーザーの心を惹きつけています。

また、夕食の時間に合わせて「ご飯作りたくない時だってそりゃあるさ。人間だもの。」というテキストとともにピザの画像を投稿し、ユーザーの気持ちと的確にマッチさせるマーケティングを行っている点も特徴です。

目的によってはSMSマーケティングの方が効果的

SNSならではの特色により他の手法にはないメリットに期待できるSNSマーケティングですが、マーケティングの目的によっては「SMS」を活用した方がより大きな効果を得られることがあります。

SMSマーケティングとは?

SMSとは「ショートメッセージサービス」の略で、スマートフォンやフィーチャーフォンで送受信可能な短い文章を通してコミュニケーションが取れるツールです。相手の携帯電話番号さえ分かればメッセージを送信できる点が特徴で、1対1のやり取りに長けていることからDM感覚で使える連絡手段となっています。

SMSを活用したマーケティングの主な目的は、顧客にメッセージを送信してビジネスチャンスを生み出すことです。電話番号を用いて送信されるメッセージは自分にとって重要度が高いと認識されやすく、高確率で開封・チェックをしてもらえます。

また、スマートフォンを所有している人のほとんどはプッシュ通知を有効にしていることもポイントです。ポップアップ表示内の短い文章の中で、ユーザーを惹きつける内容にすることで開封率は格段に上昇します。

その結果、商品やサービスの購入に繋がりやすくなり売り上げの向上に期待ができます。

通常SMSは1対1でしかやり取りができませんが、「SMS送信サービス」を利用すれば複数人への一斉送信が可能です。

SMSマーケティングの概要や運用のポイントなどは、以下の記事にて詳しく解説しています。こちらもあわせてご覧ください。

SMSマーケティングとは?活用事例やメリット・デメリットを解説! – SMS送信サービス「KDDIメッセージキャスト」

SMSマーケティングのメリット

SMSマーケティングは、具体的にどのような魅力を秘めているのでしょうか。ここではSMSマーケティングのメリットをご紹介します。

素早く確実に到達する

SMSはスマートフォン・フィーチャーフォンのキャリアや機種を問わず共通して使用できる、普及率の高いツールです。また、SNSのように特別なアプリをダウンロードする必要がないという気軽さも魅力と言えます。

「携帯電話を持っている人なら誰でもSMSの利用者である」とも言えるSMSは、送信したメッセージが確実にユーザーへと届きます。さらにSMSのメッセージは受信から開封までの時間が短い傾向にあり、通常のメールよりも早く内容をチェックしてもらえることもメリットです。

開封されやすいからこその高レスポンス率

他のフリーメールサービスと違い、SMSは現時点で主流にはなっていないサービスです。だからこそ他のメッセージに埋もれにくく、受信したらほぼ確実に開封してもらえます。

また、SMSは頻繁にメッセージを受信しないため、ポップアップ通知をオフに設定している人は少ないことも高い開封率の理由となっています。

高い開封率に伴い、他の手法よりもレスポンスが良くなることもSMSマーケティングの魅力です。顧客の層に対応した内容のメッセージを配信すれば、より高確率でレスポンスを得ることができるでしょう。

SMSマーケティングの活用事例

SMSマーケティングは、どのようなケースで活用されているのでしょうか。ここでは、SMSマーケティングの具体的な活用事例を2つご紹介します。

連絡手段を電話・郵送からSMSへ切り替え

従来は電話や郵送で行っていた顧客への連絡をSMSへ切り替えることで、コストの削減や生産性の向上につなげた事例です。

例えばKDDIでは、auひかり回線の開通工事日調整の連絡手段をSMSへ切り替えたうえで、WEBページを併用する方法を採用しています。電話による日程調整は顧客の都合により繋がらないことがあり、つながるまでかけ直しが必要という状況にありました。

そこでSMSによる連絡に切り替えたところ、顧客自身が都合の良いタイミングで希望の工事日を設定してもらえるようになったため迅速な日程調整が可能となりました。

併せて工事に関する図面や動画などを掲載したWEBページのURLを添付し、工事に対する理解度の向上や説明時間の短縮、資料郵送コスト削減にもつなげています。

上記の事例に関する詳細な効果は、以下の記事にてご紹介しています。

https://sms.supership.jp/case/post-186/

重要確認事項や支払いの延滞をSMSで通知

 信販会社や金融機関では、ローンの審査手続きにおける不備連絡や支払いの督促といった重要度の高い連絡をする機会が多いです。他のメールに埋もれることがなく、入電時の不在による連絡の遅れといったリスクを回避できるSMSはこのようなシチュエーションにも有用と言えます。

auファイナンシャルサービスでは「au PAY スマートローン」の申請内容に関する不備があった場合の連絡、「ゆったり後払い」での返済日リマインドや支払いの延滞に関する通知にSMSを活用しています。

受信から開封・対応まで迅速に行われやすいという、重要事項の連絡と親和性の高い特色が活かされた事例です。これにより「ゆったり後払い」の支払い延滞率が明確に低下したという結果も現れました。

上記の事例に関する詳細な効果は、以下の記事にてご紹介しています。

KDDI株式会社電話、書面での連絡をSMSに切り替え – SMS送信サービス「KDDIメッセージキャスト」

目的に応じてマーケティングの手法を変えましょう!

自社サイトやWEB広告、SNSマーケティング、SMSマーケティングなど、マーケティング手法の種類は様々です。それぞれが得意とすることや、どんな目的に相性が良いのかを考えながら適切な手法でマーケティング活動を行いましょう。相性の悪い手法を選んでしまっては、いくら質の良いコンテンツを作り上げたところで効率的にターゲットへアプローチすることができないからです。

まずはマーケティングにおける目的が新規顧客の獲得なのか、リピーターの獲得なのか、どんな層をターゲットとするかなどの目的を設定します。そのうえで、目的と相性の良いマーケティング手法を採用することが大切です。

なお、今回詳しく解説してきたSNSマーケティングは、食べ物や雑貨、洋服など「興味や欲求を満たすために購入する」商品やサービスと特に相性が良いです。逆に、投資用不動産やSaaSなど「明確な課題を解決するために購入する」ものはリスティング広告やウェビナーといった手法が適しています。

マーケティング手法ごとの成功事例もリサーチしながら、自社が掲げた目的に適しているものを選びましょう。

法人向けSMS送信サービスなら「KDDI Message Cast」

特定の顧客へ確実に届き、高確率のレスポンスに期待できる手法を求める企業はSMSの活用がおすすめです。さらに、マーケティングに伴うコストを少しでも抑えつつ効果を出したい場合はKDDIとSupershipが共同運営・提供するSMS送信サービス「KDDI Message Cast」の利用をぜひご検討ください。

KDDI Message Castは660文字までの長文配信も可能となっているため、丁寧な説明が必要なシチュエーションにも対応しています。初期費用・月額費用は不要で2ヵ月の無料お試し期間もご用意しており、気軽に導入いただける点も強みです。

まとめ

SNSマーケティングとは、SNSを活用したマーケティング活動全般のことを指します。SMMとは違い、ユーザーとのつながりに着目しながらプロモーションやコンテンツ投稿を行う手法です。SNSマーケティングの採用を検討している場合、自社の目的や目標との親和性は高いのか?SNSはそれぞれどんな特徴があり、ターゲット層が集まりやすいSNSはどれなのか?などを考えることが重要です。高到達率・高レスポンス率・コストパフォーマンスを重視した手法を求めている場合は、「SMSマーケティング」の採用の検討もおすすめします。