新人にとって電話対応は不安が大きく、電話に手を伸ばすことをためらってしまう場合もあります。電話のビジネスマナーを守って対応できるように、新人にまず何を教えると良いのでしょうか。この記事では新人教育で重要なポイントをご紹介します。

目次

新人に初めに伝えるべき電話対応の基本

新人教育で電話対応を教えるときには基本がまず重要です。電話に恐怖感を持っている人もいることを考慮して教育することが大切です。ここではビジネスでの電話対応の経験がない新人に伝えると良い基本的なポイントを紹介します。

①電話対応で会社の印象が左右される

新人に電話対応を教えるときには、会社の印象を左右する重要な仕事という認識を持たせましょう。電話は顧客との窓口になるチャネルの一つで、電話越しに受けた印象が会社のイメージにつながります。電話対応をするときには会社の顔になるという意識を持って、明るく好印象を与えることを意識して接客することが基本です。笑顔で話す、声のトーンを上げる、はっきりと話をするといった基本的なコミュニケーションのあり方を意識させましょう。

②電話対応を通して学べることも多い

電話対応は新人がビジネスパーソンとして成長するための機会だと理解させることが大切です。新人にとって電話対応はキャリア構築のサポートになる仕事です。電話対応をすると新人も顧客に覚えてもらえる機会になり、信頼関係を築いて今後に生かすことができます。電話対応を通して自社の事業やサービスに関する顧客の評判や不満を理解することも可能です。積極的に電話対応をすると、会社全体を把握しやすくなることがメリットとして挙げられます。

③最初は失敗してもいい

新人教育として電話対応の方法を教えるときには、失敗を気にせずに取り組むよう伝えましょう。人は失敗によって成長します。失敗したときにフォローがあることを伝えて、積極的に取り組む姿勢を持たせることが大切です。電話対応は慣れていないと不安があります。緊張しすぎてしまったのが原因で、顧客からネガティブな印象を持たれる場合もあります。自分なりの努力をすれば、失敗しても最初は大丈夫だと伝えて緊張をほぐすことが重要です。

④慣れないうちは上司に判断を仰ぐ

新人が電話対応に慣れるまでには時間がかかります。慣れるまでは判断をすることは困難です。顧客からの問い合わせに対して判断が必要になったときには、上司の判断を仰ぐように伝えることが大切です。また、オウム返しをするように教育すると、新人の顧客理解が進みます。オウム返しをするだけで、顧客には内容を理解したことを伝えられます。誤りがあった場合にも顧客に修正してもらえるので、適切な内容を上司に伝えて電話対応をすることが可能です。

⑤電話機の保留・転送機能を利用する

新人には電話機の機能を教育することが重要です。若い世代は固定電話に慣れていないことが多いので注意しましょう。以下のような機能があることを伝えて活用させると電話対応の品質が向上します。

  • 保留機能
  • 転送機能
  • 自動応答機能
  • 通話録音機能
  • 留守番電話機能

保留と転送の機能は特に活用されています。保留にしてから上司の指示を聞いたり、転送して担当者につないだりすることができるように使い方も含めて新人に伝えましょう。

電話対応に関して新人に教えるべきこと

新人には電話対応の基本から徹底した教育をする必要があります。ここでは電話対応の流れに沿って教え込んだ方が良い内容をまとめました。新人が入ってきたときには以下の流れで電話対応の基本を教えることが大切です。

①ビジネス電話の基本的な使い方

スマートフォンの普及に伴って、固定電話の機能を知らない人が増えています。ビジネスフォンは個人用の電話とも使い方や機能が違うので、最初に基本的な使い方の教育研修をおこなうことが大切です。外線と内線の使い分け方、保留をする意味、短縮ダイヤルの活用方法などの教育は欠かせません。転送の方法も実践してすぐにできるように練習した方が良いでしょう。新人研修の中で電話対応の演習をすると不安をなくすことができます。

②電話を受けるときの基本的な流れ・マナー

新人には電話対応の流れやビジネスマナーの教育が必要です。一般的な電話対応の流れを例文と合わせてまとめると以下のようになります。

電話対応・マナー例文
電話に3コール以内に出るお電話ありがとうございます。
電話に出たら会社名と担当者名を伝える株式会社○○のオペレーター担当の××でございます。
相手の名前と所属をオウム返しで確認する△△株式会社の□□様ですね。いつもお世話になっております。
用件を聞く本日、お電話いただきましたのはどのようなご用件でしょうか。
用件をオウム返しして確認して承諾する○○部の××に△△についてのお問い合わせですね。承知いたしました。
用件への対応を説明するただいま、おつなぎしますので少々お待ちください。
用件に対応できないときにはお詫びをして事情を説明する申し訳ございません。お問い合わせの内容について担当の者が不在にしておりますので、折り返し連絡させていただいてもよろしいでしょうか。
用件が解決しなかったときには、相手の希望に合わせて連絡手段を確認する折り返しのお電話番号を頂戴できますか。よろしければご都合の良い時間帯を教えていただけますと幸いです。
用件が済んだら担当者名を伝える○○がお電話を承りました。
お礼を伝えて、相手が電話を切ったのを確認して通話を終了する本日はお電話をありがとうございました。

関連リンク:催促の電話のかけ方を例文付きで徹底解説!
https://sms.supership.jp/blog/kakikata-template/saisokudenwa_kakekata_reibun/

③電話をかけるときの基本的なマナー

新人に電話をかけさせるときを想定した教育が必要です。電話で相手に伝える内容を整理し、電話先の情報を確認することが事前準備として欠かせません。相手に合わせて適切な時間帯を選んで電話をかけます。

ここでは電話のかけ方について、流れに沿って対応方法・マナーと例文をまとめました。

電話対応・マナー例文
挨拶をして会社名・氏名を伝えるお世話になっております。株式会社○○の××と申します。
電話を取り次いで欲しい相手の所属と氏名を伝える△△部の□□様をお願いできますでしょうか。
担当者が不在のときにはかけ直すことを提案する承知いたしました。それでは後ほどかけ直させていただきます。
担当者につながったら用件の概要と所要予定時間を伝えるお世話になっております。本日は○○の件についてご相談がありまして連絡させていただきました。30分ほどお時間をいただきたいのですが、よろしいでしょうか。
用件を終えたら確認事項や要点をまとめる○○とのことで承知いたしました。明日までに書類をご用意してメールでお送りいたします。
挨拶をして静かに電話を切る本日はお時間をいただきましてありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

④電話対応でまとめる伝言メモの取り方

電話対応では伝言メモを作成して、必要事項を正確に伝達できるようにすることが大切です。新人は電話の取り次ぎか、伝言の対応を求められることが多いので基本を伝えて対応を促す必要があります。電話対応のメモでは要点を箇条書きでまとめます。メモにまとめる項目は以下の通りです。

  • 相手の所属・部署・氏名
  • 電話の担当者の氏名
  • 電話があった日付・時刻
  • 電話の用件・伝言の内容
  • 相手の連絡先
  • 電話への対応方法(折り返しなど)
  • 電話対応をした人の名前

担当者に伝える必要がある項目をあらかじめメモに書き出しておき、電話をしながら書き込むと取りこぼしがなくなります。新人にはテンプレートを用意してメモすべき内容を伝えましょう。

⑤電話を取り次ぐ際の基本的な流れ・マナー

新人には電話を取り次ぐときのマナーの教育が必要です。ここでは、電話を取り次ぐときの流れに沿ってマナーと例文をまとめました。

電話対応・マナー例文
電話に出て基本の挨拶をするお電話ありがとうございます。株式会社○○の××です。
担当者と相手の社名や名前を確認する□□株式会社の☆☆様ですね。○○課の△△にご用件とのことで承知いたしました。
担当者が在席しているか、予定がどうなっているかを確認して、取り次ぐのが難しい場合にはお詫びして理由を伝える申し訳ございません。△△は本日出張で不在にしております。折り返しお電話させていただきたいと存じますが、いかがでしょうか。
取り次ぐことを伝えて電話を保留にする△△におつなぎしますので少々お待ちください。
担当者に連絡して対応を促す□□株式会社の☆☆様からお電話です。外線の○番にお願いします。

新人に電話対応を教える際に上司が意識すべきポイント

新人の電話対応の教育をするときには上司の意識によって効果が変わるので注意しましょう。ここでは電話対応を正しくできる新人を育て上げるために、上司が持つと良い考え方や意識して取り組むと良いポイントを解説します。

①新人が慣れるのを待つ

電話対応に慣れるまでは待つスタンスを持ちましょう。入社して間もない新人は業務にも人間関係にも慣れなければなりません。新しい環境で働く上で大きなストレスを抱えています。コールセンターのように電話対応が専門の場合には厳しく指導することも重要ですが、他の部署の場合はあくまで業務の一部です。他の業務スキルの習得とのバランスを考えて学ばせるためにも、サポートするスタンスで機会を与え続けることが大切です。

②「TELハラ(電話対応の強要)」を避ける

ハラスメント対策は上司が常に気にかける必要があるポイントです。新人を教育する目的で電話対応を強要するとTELハラになる可能性があります。電話対応に苦手意識があると電話に出なくなることもあり、強要するとTELハラになってトラブルに発展するリスクがあるため、あくまで業務の一部として対応を促すだけに留めましょう。電話対応によるメリットの理解を促し、自発的に電話に出て対応したいと考えるように道筋を立てることが上司にとっては肝心です。

③電話対応が苦手・できない人に寄り添う

電話対応に慣れると当たり前のように電話に出られるようになるため、新人がなぜ電話対応が苦手なのかを理解できない場合もあります。電話対応ができない人に寄り添う気持ちを持ち、理解をする努力もしましょう。メールやSMS、チャットアプリなどによる文字でのコミュニケーションが多い時代になり、言葉でのコミュニケーションが苦手な人も増えています。寄り添う気持ちで接して、電話以外の顧客対応に当たらせるなどの配慮をすることも大切です。

新人に心がけてほしい電話対応のテクニック

電話対応はビジネスで一般的に用いられている方法を自然に使えるようになるとスムーズです。ここでは新人の電話対応の品質を向上させ、本人にも自信を付けさせるために教えておきたいテクニックを紹介します。

①クッション言葉を意識する

クッション言葉は言葉を柔らかくするのに有効なフレーズです。電話対応をするときにはクッション言葉を使うように心がけさせましょう。ビジネスでよく用いられているクッション言葉には以下のような例があります。

  • 恐れ入りますが
  • 恐縮ですが
  • 申し訳ございませんが
  • 差し支えないようでしたら
  • お時間がございましたら
  • ご対応いただけるようでしたら

依頼をするときや断るときにはクッション言葉を使用すると語調が弱くなり、相手の心証が良くなります。

②オウム返しを活用する

オウム返しは相手から聞いた話を反復して言葉に出して確認する方法です。オウム返しをすると話の内容を正しく理解していることがわかるため、相手が安心します。誤りがあった場合には訂正してもらえるので、電話によるコミュニケーションでの齟齬を防ぐのにも有効です。電話対応に慣れていない新人は、聞き洩らしたり、聞き違えたりしないかどうか不安になります。オウム返しをして確認するように促すと電話対応に自信を持てるようになるでしょう。

新人の電話対応に関する質問6選

新人に電話対応を教えるときや、新人に電話に慣れさせるときにはさまざまな悩みが生じます。ここでは新人の電話対応に関するよくある質問をまとめました。疑問を解決して新人の成長を促しましょう。

①電話対応ができない人の特徴は?

電話対応が苦手でうまく対応できない人は以下のような特徴を持っています。

  • 電話に出ると緊張してしまう
  • 失敗した経験が多くて不安がある
  • 相手の話を言葉だけでは整理できない
  • 電話対応や電話機操作の基本を理解できていない

電話対応をできるようにするには以下のような対策が効果的です。

  • 電話対応のマニュアルとトラブルシューティングを用意する
  • 電話メモのテンプレートを整備する
  • 社内研修でトレーニングをする
  • 電話対応の評価とアドバイスをする

新人の電話対応に問題があるときには、できることから試してみましょう。

②電話対応が上手い人の特徴は?

新人でも電話対応が上手い人は以下のような特徴を持っています。

  • 電話でも笑顔で話をしている
  • 聞き上手でコミュニケーション力がある
  • 謝罪と感謝が自然にできる
  • 基本的なマナーを理解している
  • 自分から学ぶ意欲がある
  • 相手を思いやる気持ちを持っている
  • わからないことを聞くことができる

電話で適切に対応できる人は普段のコミュニケーションスキルもあります。向上心がある人は、最初は電話対応が上手くできなくても自然に上達します。

③新人の電話対応が上達しない場合どうすればいい?

新人の電話対応が上達しないときには原因があります。上述の電話対応できない人に該当する要素があるかを確認して、個人に合った対処をすることが大切です。マニュアルが用意されていれば的確な電話対応ができる人もいます。研修で練習して基本を身に付けるだけで上達できることも少なくありません。新人の電話対応が上達しないときには育て方と教え方を再考して、苦手な原因に対策をすることが大切です。

④新人の電話対応はいつから始める?

新人の電話対応はできる限り早く始めて、本人のスキルアップの機会を与えつつ、業務を分散させて効率の良い現場運営を実現することが理想です。ただ、新人のうちは主要業務を学ぶことで手一杯になる場合もあります。技術職のように専門性の高い職種で電話対応は任せずに、専門業務に特化させる方法もあります。新人が通常業務に慣れた時点で、現場として必要があれば電話対応もカバーするように促すのが適切でしょう。

⑤新人が緊張してしまう場合どうすればいい?

緊張して電話の相手に不快感を与えているのではないかと不安な場合には、本人のメンタルケアが必要です。入社したばかりの新人や、社会人経験がない人は、失敗を恐れて緊張してしまう傾向があります。成功体験を積み上げていくことが緊張せずに対応できるようになるための近道です。緊張が続いているときには実践練習の機会を用意すると良いでしょう。また、自信がないだけで適切に対応できている場合には、上司が褒めて伸ばすのも効果的です。

⑥電話が聞き取れない場合どうすればいい?

電話が聞き取れないときには、以下の流れで対応するのが基本です。

  • 電話機の音量を上げる
  • 受話器やヘッドホンの調整をする
  • 周囲に騒音がある場合には静かなところに移動する
  • 相手に聞き返す
  • 改善しない場合はかけ直しを提案する

新人の電話対応でよくあるトラブルです。相手の言葉を聞き取れないときには聞き返して良いと新人研修で伝えましょう。聞き返す前に音声通信環境にトラブルがないかを確認し、再度聞いても聞き取れなかったときにはかけ直しをして改善を目指すのが一般的な方法です。

まとめ

新人の電話対応の教育ではビジネスマナーの基本から教えて、実践を通して慣れさせることが重要です。最初は失敗するリスクもありますが、上司が責任を取るくらいの気持ちで対応させて経験を積ませましょう。

電話対応だけでなくSMSもご検討を

ビジネスでは電話だけでなくSMSによる対応も必要な時代になっています。SMSは電話の代わりに顧客フォローをしたり、電話の取り次ぎなどの社内コミュニケーションのツールとして使ったりすることが可能です。電話をかけるよりもSMSでの連絡を好む顧客もいます。顧客に合わせた連絡方法を選ぶことでより喜ばれるようになるでしょう。新人には電話だけでなくSMSによる対応のマナーも教育して活用を促すのがおすすめです。

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