コールセンターは電話による対応が一般的でしたが、インターネット利用が一般的になった現代ではチャットボットやメール、SMSなどによる対応も求められるようになっています。この記事ではコールセンター向けチャットボットを導入する重要性を解説します。

コールセンター向けチャットボットとは?

コールセンター向けチャットボットとは、コールセンターによくある問い合わせにテキストでの対話形式で自動回答するプログラムです。頻繁にある問い合わせ内容と回答をプログラムしてデータにしておくと、問い合わせに対して精度の高い回答ができます。近年では機械学習を利用するAIチャットボットもあり、柔軟性のある対応もできるようになってきています。

関連リンク:チャットボットとは?導入するメリットと効果を事例を合わせて解説!
https://sms.supership.jp/blog/sonota/240304/

コールセンターにおけるチャットボットの役割

コールセンターではチャットボットによってさまざまな問い合わせの対応ができます。ここではチャットボットが担える役割を解説します。

定型的な回答ができる問い合わせ

コールセンターでは定型的な問い合わせがよくあります。例えば、申し込み方法や営業所の場所を知りたいといったものです。これらの問い合わせには、チャットボットを利用して正確に回答することが可能です。質問と回答の対応関係を明確にしてプログラムを組むことで、利用者はチャットボットを通じて期待する回答にたどり着くことができます。

既存のコンテンツで対応できる問い合わせ

用意しているコンテンツに誘導することで対応可能な問い合わせへの回答もチャットボットが担うことが可能です。サービス内容や料金体系のページ、オウンドメディアの記事などのリンクを回答に表示することで、顧客が必要とする情報を提示できます。テキストだけでは回答が難しい質問にも、コンテンツがあればチャットボットで対応できます。

FAQで対応できる問い合わせ

チャットボットは、既にFAQを制作している内容の問い合わせにも対応できます。よくある質問の回答をまとめてFAQにまとめてページにしてある場合には、URLリンクを提示して回答させられます。FAQページができていない場合にも、質問と回答の組み合わせのデータがあればチャットボットの質問に対する回答に組み込むことが可能です。

コールセンター向けチャットボットに導入するメリットとは

コールセンターではチャットボットを導入すると顧客にもオペレーターにもメリットがあります。ここでは代表的なメリットを紹介します。

顧客の自己解決を促せる

チャットボットを導入すると、顧客がチャットを通して自己解決できる仕組みができます。わからないことがあったときにチャットで質問をして、回答に従って解決するという流れができるからです。顧客にとっては人に聞くのは恥ずかしいような質問でも、チャットボットなら機械なので気軽に聞けます。顧客が自分で悩みを解決できるサービスを提供できるので、顧客体験の向上につながるのもメリットです。

業務負担を減らせる

チャットボットはコールセンターのオペレーターの負担を減らせます。コールセンターに電話やメールなどで問い合わせをする代わりに、顧客がチャットボットに質問できるからです。チャットボットが対応できなかった質問への対応をコールセンターが対応する流れを作れます。

コールセンターでは営業時間や店舗の住所などのように、調べればわかる問い合わせが多いこともあるでしょう。チャットボットの活用によって簡単に回答可能な問い合わせの対応を減らせるので、オペレーターの業務負担が減ります。

24時間365日の対応ができる

チャットボットならコールセンターにオペレーターを常駐させなくても24時間365日の対応ができます。顧客がすぐに回答が欲しいと思ったときに迅速に答えられるのがメリットです。チャットボットは応答速度も速いので、オペレーターが資料を調査して答えるよりも速やかに回答できます。コールセンターに問い合わせるときには今すぐに解決したい問題がある場合が多いので、いつでもすぐに答えられるのはメリットです。

一貫した対応で顧客満足度を上げられる

チャットボットはプログラムされた方法で一貫した対応ができます。コールセンターではオペレーターの経験や知識の違いによって、同じ問い合わせでもオペレーターによる回答内容の差が生まれる場合があります。しかし、チャットボットなら問い合わせに対して一律で回答可能です。顧客に対して一貫した品質のカスタマーサポートを提供できるのがチャットボットのメリットです。AIの活用によって回答精度を高めれば顧客満足度も上げられます。

関連リンク:コールセンターにAI(人工知能)を導入するメリットは?導入方法や注意点も解説
https://sms.supership.jp/blog/sonota/240504/

コールセンター向けチャットボットの導入成功事例

コールセンターにチャットボットを導入して成功した事例は多数あります。ここでは代表的な事例を挙げてどのような効果が得られたのかを解説します。

株式会社マネーパートナーズ

株式会社マネーパートナーズではコールセンターのチャットによる受付システムとしてチャットボットを導入しました。同社ではチャットによる問い合わせに対応していましたが、選択肢を選んで回答にたどり着くまでに時間がかかっているのが課題でした。顧客の意見を取り入れてAIチャットボットを導入し、正確で精度の高い回答を速やかに提供できるようになっています。

参照:お客様サポート体制拡充へ チャットによるお問い合わせ方法が進化します | FX・外貨両替のマネーパートナーズ -外為を誠実に-
https://www.moneypartners.co.jp/aboutus/pressrelease/2022/20221005.html

株式会社クレディセゾン

株式会社クレディセゾンではコールセンターのDXの一環としてチャットボットを導入しました。顧客が必要な情報にアクセスしやすくすることを重視して、自己解決を促すことを目指して運用を始めています。同社ではチャットボットの回答精度を高めることで自己解決率を57%程度まで引き上げることに成功しています。

参照:株式会社クレディセゾン ― 継続的改善で自己解決率を12%向上、チャット型対話エンジンでコールセンターのDXを推進 | エンタープライズ向けAI SaaS
https://aisaas.pkshatech.com/success/credit_saison_01

ジェネシス株式会社

ジェネシス株式会社は、スマートデバイスの製造販売をしているメーカーです。同社では顧客のアフターサポート業務としてコールセンターやメールでのサポートを行っていましたが、より高品質でいつでも対応できる体制を実現するためにチャットボットに着目しました。24時間・365日利用できるチャットボットを導入してサポート体制を整えることに成功しています。

参照:導入事例  | 社内データと対話する生成AI 法人向けRAG OfficeBot
https://officebot.jp/case

コールセンター向けチャットボットの選び方のポイント

コールセンター向けチャットボットを導入するときには、適切な機能や仕様が整っているシステムを選ぶことが重要です。ここでは選び方のポイントを解説します。

有人対応との切り替えや営業時間外対応などの機能性

チャットボットによるコールセンター対応は必ずしもベストではありません。チャットボットによる回答では満足してもらえない場合もあります。的確な回答が難しい場合や、複雑な内容の場合に、有人対応に切り替えられる機能があると安心です。営業時間外にだけチャットボット対応するといった機能があるとさらに使いやすいでしょう。

AI機能の可否と精度

AI搭載のチャットボットがコールセンターで使われるようになってきています。AI機能があるか、精度が高いかはチャットボットを選ぶときの重要なポイントです。AIはデータに基づいて成長するので、問い合わせが多い現場ほど精度の高い対応ができるチャットボットになります。AIチャットボットを導入する場合には、学習済みの基本的な会話の精度をチェックしてスムーズな会話ができるシステムを選びましょう。

ユーザーフレンドリーで使いやすいインターフェース

チャットボットを導入した際に問題になりがちなのが使いやすさです。チャットボットは質問と回答の内容をインプットしたり、学習のアルゴリズムや回答の良し悪しを判定したりして対応できる範囲を広げる必要があります。導入したら回答についてメンテナンスを続けることを考慮して、ユーザーフレンドリーで使いやすいインターフェースのシステムを選ぶことが大切です。

導入しやすい仕様

チャットボットは導入しやすいことも重要です。オープンソースの場合には導入のために開発が必要になる場合もありますが、パッケージ型ならすぐに導入できます。社内システムにチャットボットを導入する場合には、システムとの連携ができるかどうかも確認が必要です。導入負担が少なくて速やかに運用を始められるチャットボットを選びましょう。

法人向けSMS送信サービスなら「KDDI Message Cast」

コールセンターにチャットボットを導入すればよくある質問に自動で回答できるようになり、顧客満足度が向上するだけでなくオペレーターの負担も減ります。しかし、チャットボットだけではあらゆる顧客の質問に柔軟に対応できるわけではありません。顧客フォローの方法としてKDDI Message CastのSMS送信サービスも導入するのがおすすめです。満足の回答を得られなかった顧客にSMSで速やかにフォローすれば顧客満足度を向上させられます。 

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まとめ

コールセンターではチャットボットを導入すると問い合わせの自動対応ができるので業務効率の向上も品質保証もしやすくなります。24時間いつでも問い合わせに対応できるのもチャットボットのメリットです。SMSなども併用して対応方法を設計できるので、チャットボットの活用を検討してみましょう。