Salesforce(セールスフォース)とは?何がすごい?機能や導入事例をあわせて解説
Salesforceとは営業やマーケティングで企業規模を問わずに活発に活用されているサービスです。この記事ではSalesforceの機能や導入メリットを解説します。企業の事例も紹介しますので、導入検討の参考にしてください。
目次
Salesforce(セールスフォース)とは?
Salesforceはクラウド型のCRM(顧客関係管理)、SFA(営業支援)を中心とするバリューチェーンの総合支援になるプラットフォームです。Salesforceはセールス、マーケティング、サービス、IT活用などの多角的な視点で業務支援になる統合型のクラウドサービスとして提供されています。当初は営業支援を中心としたサービスでしたが、現在ではビジネスを総合的に支援するツールに成長しています。
Salesforceは複数のサービスを組み合わせて自社に合わせた機能を活用できることが特徴です。MA(マーケティングオートメーション)やAI(人工知能)に基づくシステムの導入も可能です。業種を問わずに業務ソリューションになる製品が多数用意されているため、導入事例が増えてきています。
Salesforce – セールスフォース・ジャパン
https://www.salesforce.com/jp/
Salesforce(セールスフォース)の何がすごいのか?
Salesforceは営業やマーケティングの支援ツールとして有名です。以下のポイントがすごいと言われている主な理由です。
①営業支援領域に強い
営業支援に総合的かつ広範囲に使用できることがSalesforceのすごいところです。Salesforceは営業支援のためのツールとして開発され、機能が拡張されてきました。営業課題を解決するツールとして汎用性が高く、BtoCでもBtoBでも有効活用できます。Salesforceは顧客を軸にしてリード獲得からリード育成といった一連の流れを一元管理できるのが強みです。
②数多くの企業に導入されている
SalesforceはSFA・CRMを中心とするツールの中で広いシェアがあります。業種や企業規模、ビジネスモデルを問わずに導入事例があり、企業から信頼されるツールとしての地位を獲得しています。
Salesforce(セールスフォース)の代表的なサービス
Salesforceでは自由に必要なサービスを選んで導入できます。ここではSalesforceでよく導入されている代表的なサービスの種類と特徴を紹介します。
①Sales Cloud
Sales CloudはSalesforceの中心軸になっているSFA・CRM機能を利用できるサービスです。営業活動支援の視点を重視しているCRMで、AIの搭載によって営業効率を向上させるプロセスを構築できるシステムになっています。顧客エンゲージメントの向上や営業・マーケティングのチーム連携にも使えるツールです。
Sales Cloudで、成長を加速|Salesforce
https://www.salesforce.com/jp/products/sales/?d=cta-body-promo-37
②Service Cloud
Service Cloudは顧客とのコミュニケーションを促進するためのカスタマーサービスソリューションです。顧客エンゲージメントやLTV(顧客生涯価値)の向上を目指すためのサービスがパッケージ化されています。AIによって顧客にセルフサービス体験を提供したり、パーソナライズされたアプローチをしたりすることができます。
信頼性の高いAIで、サービスを刷新|Salesforce
https://www.salesforce.com/jp/products/service/?d=cta-body-promo-38
③Marketing Cloud
Marketing Cloudは顧客データに基づくマーケティングツールです。プラットフォーム化されていて、顧客情報の分析もマーケティングオートメーションもできます。オムニチャネル対応でOne to Oneマーケティングに応用しやすいサービスです。営業支援にも応用できるのでSalesforceのメリットを生かすツールとしてよく導入されています。
Marketing Cloudで、お客様と接するあらゆる瞬間を意味あるものに|Salesforce
https://www.salesforce.com/jp/products/marketing-cloud/overview/?d=cta-body-promo-39
④Marketing Cloud Account Engagement
Marketing Cloud Account Engagementはマーケティングや営業のアプローチをパーソナライズすることに特化しているBtoB向けの支援サービスです。AIが有望なリードをスコアリングによって導き出し、個々の顧客のニーズに合わせた営業・関係性構築のアプローチを展開できます。
マーケティングオートメーション(MA)|Salesforce
https://www.salesforce.com/jp/products/marketing-cloud/marketing-automation/
⑤Salesforce Platform
Salesforce Platformは現在のSalesforceではEinstein 1 Platformが用いられています。顧客管理をベースとして多様なツールを効率的に活用するためのプラットフォームです。Salesforceの機能を最大限に生かし、自社のサービスに合う営業・マーケティングを推進するための基盤です。
Einstein 1 Platform|Salesforce
https://www.salesforce.com/jp/products/platform/overview/
Salesforce(セールスフォース)を導入するメリット
Salesforceは数々の機能があり、企業でも活発に導入されています。ここではSalesforceを導入するメリットをまとめて紹介します。
①営業活動の生産性が向上する
Salesforceは営業支援システムとして多岐にわたる機能を搭載しています。業務効率を向上させて営業活動の生産性を高められるのがメリットです。社内での営業活動の状況確認だけでなく、他社状況との比較もできるシステムになっているため、営業課題を見出して改善を図る上でも重要なツールになります。
②部門間の連携がスムーズになる
Salesforceは売上にかかわる部門間の連携をするプラットフォームになります。営業やマーケティング、顧客サービスなどの活動内容を顧客と紐づけて一元的に管理できるためです。Salesforce上でリアルタイムの情報共有をして、各部門が担うべき役割を果たす仕組みを整えることができます。
③高度なセキュリティシステム機能が搭載されている
セキュリティ機能が充実していて安全に利用できるのはSalesforceが人気である理由のひとつです。データにアクセスできるユーザーの権限管理や、IPアドレスによるログイン管理にも対応しています。外部からの侵入による顧客情報の漏えいリスクが低いだけでなく、内部的にも情報統制をすることができる汎用性が高いプラットフォームです。高度なセキュリティを多重に敷いているので顧客にも安心してもらえます。
④導入後のサポートが手厚い
Salesforceは運用サポートに強いのがメリットです。Salesforceは多様な機能を搭載できますが、導入しても使いこなせなければ意味がありません。導入後に使い方の学習をする教材を利用したり、ビジネスコンサルティングを受けられたりするなど、多岐にわたるアフターサポートがあります。
⑤マルチデバイスに対応可能
Salesforceはパソコンでもスマートフォンでも利用できるマルチデバイス対応のサービスです。アプリを利用すればスマートフォンで外出先でも顧客情報を確認したり、データを入力したりすることができます。データのビジュアル化にも対応していて、デバイスに応じた表示が可能です。
⑥カスタマイズできる
Salesforceは必要な機能をカスタマイズして導入できます。プラットフォームとして運用し、営業課題や事業状況に応じて必要なサービスを追加して運用することが可能です。自社のビジネスに有用なシステムを効率的に構築できます。
Salesforce(セールスフォース)の注意点
Salesforceを導入するときには注意点があります。他社での活用事例が多いため、Salesforceをただ導入するだけで課題が解決すると考えてしまいがちです。しかし、想定していなかった結果になるリスクがあるので以下の点に注意して導入を進めることが重要です。
①使いこなすのに時間がかかる
Salesforceは多岐にわたる機能を搭載できるため、完全に使いこなすためには時間がかかります。社員全体が使いこなせるようにするには教育研修が必要です。実践的に運用しながら課題を見出し、社員にフィードバックしてより良い形で活用できるようにフローを作ることが重要です。
Salesforceの使い方をマニュアル化して、社員が自ら使いこなせるようになる仕組みを整えると効率的でしょう。速やかに安定して運用できるように、導入の初期から中長期的な視野で運用体制を整備することが大切です。
②成果が出るまで時間がかかる
Salesforceは導入してもすぐに成果が出るとは限りません。営業やマーケティングによる結果や顧客情報などのデータを蓄積することで成果を生み出せるツールになります。各部門の連携を取るにも時間がかかります。お互いのシステムの使い方を理解し合い、必要な情報を速やかに共有する仕組みを整え、社員がルーチンで使う形ができなければなりません。中長期的に運用を続けて成果を出すという考え方が必要です。
Salesforce(セールスフォース)と相性がいい企業の特徴
Salesforceの導入によってスムーズに成果が出るかどうかは、相性の良さによって異なります。Salesforceの特徴や成功事例から考えると、どのような企業と相性が良いのかがわかります。ここではSalesforceのメリットをすぐに引き出せる企業の特徴を紹介します。自社が該当していない場合でも、これから改善していくことは可能です。どのような要素があればSalesforceとの相性を改善して営業・マーケティングに生かせるかを押さえておきましょう。
①顧客データが膨大
顧客データを積極的に収集して蓄積してきた企業はSalesforceのメリットを速やかに生かせます。顧客データに基づいて顧客のスコアリングをしたり、AIに基づく営業効率化をしたりすることができるシステムだからです。自社データがあることで、自社に特化した営業やマーケティングを展開しやすくなります。
②対応できるエンジニアがいる
Salesforceに対応できるエンジニアが自社にいると活用範囲が広がります。APIによって自社のシステムや、導入しているクラウドサービスなどにSalesforceを連携させることも可能です。Salesforceに合わせたシステムを開発したり、連携しやすいサービスを選定したりできるエンジニアがいると活用メリットが大きくなります。
③別のCRMやSFAを既に導入している
CRMやSFAのシステムを導入しているならSalesforceの導入の魅力が大きくなります。複数のシステムを部署ごとに使用している場合には、Salesforceに一元化してすべての顧客データを集約できます。Salesforceによって部門間連携も円滑に進められるようになるため、全体の業務を効率化することが可能です。
関連リンク:CRMとSFAの違いを徹底解説!どちらを導入するのがおすすめ?
https://sms.supership.jp/blog/crm-salesforce/difference-between-crm-and-sfa/
④社内ルールによってデータを管理している
Salesforceはデータ管理のルールが整っている企業との相性が良いサービスです。社内ルールでデータの管理ができている場合には、社内データをSalesforceにインポートしやすいからです。また、Salesforceの運用開始後も同様のルールで運用できるため、導入による現場のストレスも小さくなります。
Salesforce(セールスフォース)の活用事例
Salesforceは企業での導入・活用事例が多数あります。Salesforceは活用範囲が広いので、具体的な導入事例を見た方が活用方法をイメージしやすいでしょう。ここでは代表的な事例を紹介します。
ヤフー株式会社
ヤフー株式会社はYahoo!ショッピングやYahoo!トラベルなどのECサイトを中心にオンラインサービスを中心とした事業を展開している大手企業です。SalesforceフローやSales Enablementの活用を進めて業務効率を上げています。
また、ヤフー株式会社では、SalesforceをCIOシステム部による管理で8部門にまたがる導入をしました。全体で3,000ライセンスほどを取得して各部門に分配して利用するというフレキシブルな体制を作り、コストパフォーマンスを上げることにも成功しています。
ヤフー株式会社 | セールスフォース・ジャパン
https://www.salesforce.com/jp/resources/customer-stories/yahoo/
エヌエヌ生命保険
エヌエヌ生命保険は代理店経由による保険商品・資産運用事業を世界18か国で展開している保険会社です。CX(顧客体験)の向上を目指して顧客情報の管理にSalesforceを導入しました。
エヌエヌ生命保険では、顧客チャネルが広いために部門間連携を取ることが難しい状況がありました。主な顧客の中小企業はデジタル化が進んでいないことが多いことも踏まえて、One to Oneマーケティングを展開する基盤としてSalesforceの運用を開始したという経緯があります。Salesforceを新しいビジネスを生み出す起点としても活用することに成功しています。
エヌエヌ生命保険 | セールスフォース・ジャパン
https://www.salesforce.com/jp/customer-success-stories/nnlife/
株式会社みどり財産コンサルタンツ
株式会社みどり財産コンサルタンツは主に中小企業や個人資産家を顧客とし、税務・財務に関するコンサルティングサービスを提供しています。情報の一元管理をする方法としてSalesforceを導入して前年比で業績を130%に成長させることができました。
株式会社みどり財産コンサルタンツでは自社にとっての“ストック(資産)”として顧客を認識し、顧客の優良ストック化を目指す施策にSalesforceを活用しました。作業工数も4年間で2,770時間削減して業務効率の改善にも同時に成功しています。
株式会社みどり財産コンサルタンツ | セールスフォース・ジャパン
https://www.salesforce.com/jp/resources/customer-stories/midori-zc/
Salesforceの活用には「KDDI Message Cast」が効果的
Salesforceの活用ではKDDI Message Castがおすすめです。KDDI Message Castは法人向けのマーケティングに利用しやすいSMS送信サービスです。Salesforceとの連携機能があるので、Salesforceのツールを利用してSMSによるマーケティングが簡単にできます。顧客へのタイムリーなアプローチやセキュリティ認証プロセスにはSMSが有効なので、Salesforceと合わせて導入しましょう。
▼KDDI Message Cast(KDDIメッセージキャスト)詳しくはこちら
https://sms.supership.jp/
まとめ
Salesforceは営業支援を軸としてマーケティングやビジネス全体を支援できる汎用性の高いプラットフォームです。業種や企業規模に関係なく活用できるため、導入して成功している事例が増えています。SalesforceはAI搭載のシステムで、顧客データが多いほど活用メリットが大きくなります。今後、顧客データを蓄積するためのインフラとしても活用できるので、営業・マーケティングの基盤ツールとして導入を検討してみましょう。