ECサイトのメルマガとは?メリットや効果を出すためのポイントを解説
ECサイトではメルマガによるメール配信を利用するマーケティングが活発におこなわれています。この記事ではメルマガのメリットと、メール配信の効果を出すためのポイントをまとめました。目的に応じた効果的なメルマガの種類も解説するので、ECサイトの販促に活用してください。
目次
ECにおけるメルマガとは?
メルマガ(メールマガジン)とは、EC業界において精力的に活用されているマーケティング手法で、登録者に対してメール配信をする仕組みです。メールを定期的、あるいは不定期に配信することでユーザーに情報発信を行い、顧客を育成したり、購買行動に誘導したりする手法として活用されています。
ユーザーはメルマガに登録することも登録解除することも自由です。基本的には興味を持ってメール配信を希望したユーザーが登録したり、会員登録のときに同時に登録したりする仕組みになっています。ECではメルマガを通してメール配信をすると、興味を持っているユーザーにダイレクトにアプローチできるため、有効なマーケティング手法として活用されています。
ECサイトにおけるメルマガのメリット
EC経営ではメルマガの配信によって以下のようなメリットがあります。
・集客効果が高い
・リピーターの獲得が可能
・BtoBのECサイトへの効果が高い
・低コストでの運用が可能
ここではメール配信のメリットを詳しく解説します。
集客効果が高い
ECではメルマガによる集客効果を高めやすいのがメリットです。ECサイトでユーザーが商品を購入するときには少なくともメールアドレスの入力を促すことができます。つまり、ECサイトでは簡単にユーザーのメールアドレス情報を取得可能です。その際にユーザーの許可を得てメルマガに登録する流れを作ることで、メール配信を続けられる下地作りができます。
メルマガによるメール配信は必ずしも購入行動を起こしたユーザーだけがターゲットではありません。ブランドイメージに共感して興味を持った人や、人気アイテムを取り扱っていると知った人が登録することもあります。メルマガの配信は既存顧客の育成を促すだけでなく、新規顧客の獲得にも効果がある手法です。
また、メルマガを通してユーザーとのコミュニケーションを取ることもできます。ユーザーの声をメルマガに掲載したり、内容についての問い合わせに対応したりすることで、ユーザーとの強いつながりを作ることが可能です。
リピーターの獲得が可能
ECサイトではリピーターの獲得が重要課題です。ECサイトでは売上に貢献しているのがユーザーの約2割を占めるリピーターです。ECサイトにおいては平均的にはリピーターが売上の80%程度を占めているため、顧客を育成して何度も買ってくれるように働きかけることは欠かせません。
メール配信をして季節性のある商品を紹介したり、必要な商品の購入場所としてオンラインストアを思い出してもらったりすると、リピーターの獲得につながります。メルマガに登録してくれたユーザーは興味関心を持っているので、メール一通ですぐに購買行動に移ってくれる可能性があります。
BtoBのECサイトへの効果が高い
BtoCのECビジネスではメール配信が重要という認識が広まっています。しかし、むしろBtoBビジネスの方がECサイトでメルマガを配信するメリットが大きいことが知られるようになってきました。メルマガの開封率はBtoCでは平均的に見ると10~15%なのに対して、BtoBでは20%に到達します。
ビジネスパーソンはメールチェックが仕事の一つとなっていて、メルマガによるメール配信を受けたときにも目を通してくれる場合が多いのが特徴です。BtoBビジネスではECサイトの集客にもリピーター獲得にもメール配信が効果的です。
低コストでの運用が可能
メルマガはコストがあまりかからないのに広くユーザーにアプローチできるのがメリットです。見た目などにこだわる場合は画像や動画などの制作が必要になりますが、基本的にはテキストベースでの配信ができます。ECサイト上で使用する広告画像を添付してHTMLメールで送ることも可能です。
顧客情報の管理の面でもメールアドレスだけなので負担が少ないのも特徴です。メルマガを通じて顧客とのコミュニケーションを進めていくとお互いにとってメリットがあります。ユーザー満足度の向上と、自社のサービス改善に必要な情報の取得を同時に実現できるコストパフォーマンスが高い方法です。
ECサイトにおけるメルマガの種類
ECサイトではメルマガで配信できる情報が多岐にわたっています。効果の高いメール配信方法としてよく知られているのが以下の4つです。
・新商品・限定商材・入荷の通知
・セール案内・クーポン配布・イベント情報案内
・ステップメール
・トリガーメール
ECサイトのメルマガではテキスト形式か、HTML形式かも重要なポイントになります。HTMLメールではトリガーメールなどのプログラム化されたメール配信が可能です。メルマガの種類の選び方によって得られる効果も変わるので、代表例について詳細を詳しく見ていきましょう。
新商品・限定商材・入荷の通知
ユーザーへの商品情報の通知にメール配信は有効です。新商品の販売開始のアナウンスをしたり、欠品していた人気商品の入荷情報を伝えたりするとECサイトにアクセスして購買行動につながります。また、限定販売の商材を販売するときにもメルマガで配信すると、興味を持ったユーザーが積極的に買ってくれます。
セール案内・クーポン配布・イベント情報案内
お得な情報が欲しいという気持ちでメルマガに登録しているユーザーが多いので、セールやイベントなどの情報をメール配信すると効果的です。特に期間限定セールやお誕生日限定クーポンのように、今しか買えないお得な情報をメルマガで伝えるとすぐに購買行動を起こしてくれます。クーポン配布では期日を定めて「今だからお得」というイメージを強めるとすぐに買ってくれる可能性が高くなります。商品販促だけでなくブランディングにも効果的なアプローチです。
ステップメール
ステップメールはスケジュール通りに順番にメールを送っていく方法です。リピーター獲得を目的としたメール配信の手法として効果的です。商品を購入してくれたユーザーに対して、商品の使い方についての情報メールを送信し、その数日後に「商品利用について質問はありませんか?」といったメールを配信してフォローします。さらに商品の感想についてのアンケート回答を促したり、定期購入のオファーをしたりする方法です。顧客を育成してリピーターとして定着させる上で重要な方法として活用されています。
トリガーメール
トリガーメールはユーザーアクションに基づくメール配信方法です。ユーザーが特定の行動をECサイト上で起こしたときにメールが配信されます。例えば、ECサイトで商品をカートに入れたけれど買わなかった場合に、翌日に類似商品の紹介メールや、お得なクーポンメールを配信するといった方法がよく用いられています。トリガーメールは買わなかった顧客に購買行動を起こさせる引き金になるので、売上アップにも顧客獲得にもなる効果的な方法です。
メルマガの効果測定方法
メルマガの効果測定では開封率、クリック率、CV数を指標にして効果測定をするのが効率的です。
概要 | 算出方法 | 平均指数 | 目標値 | |
開封率 | メールを開いて読んだ割合 | 開封数/配信数 | 10~15% | 20% |
クリック率 | メール内のリンクをクリックした割合 | クリック数/開封数 | 5~10% | 15% |
CV数 | メール内のリンクをクリックして最終的に商品を購入した割合 | 購入数/クリック数 | 1~5% | 5% |
開封率
・算出方法:開封数/配信数
・平均指数:10~15%
・目標値:20%
開封率は配信されたメールをユーザーが読んでくれた割合です。HTMLメールでメルマガを配信すれば開封数を測定できますが、テキストメールでは開封数を確認することができません。開封率を上げるには件名でユーザーに魅力を伝えることが大切です。キャンペーンやイベントなどの情報が、最初の十数文字くらいでわかるように件名を作り上げてプロモーションしましょう。
クリック率
・算出方法:クリック数/開封数
・平均指数:5~10%
・目標値:15%
クリック率はメール配信をして開封したユーザーの中でリンクをクリックしてECサイトに流入したユーザーの割合を指します。メルマガを読んだ結果として買ってみたい、もっと詳細を知りたいと思ってもらえるように配信内容を工夫するとクリック率が上がります。メルマガでは買いたいと思ってクリックすることが多いので、商品の魅力を端的に伝えるのがクリック率を上げるコツです。
CV率
・算出方法:購入数/クリック数
・平均指数:1~5%
・目標値:5%
CV率はメルマガに記載されているリンクをクリックしてECサイトに到達したユーザーが購買行動を起こした(=コンバージョンに至った)割合です。購入のハードルを下げるのがCV数を上げるコツで、注文を出すときの入力項目を減らすとCV数が上がりやすくなります。
ECでメルマガを使う際に効果を出すためのポイント
ECでメール配信をするときには費用対効果を上げる取り組みが不可欠です。メルマガを配信するためにはメールを作らなければなりません。内容やメール配信のやり方次第で効果が上がるかどうかは変わります。開封率、クリック率、CV数を上げて効果を上げるには何が必要なのかを詳しく見ていきましょう。
開封率を上げる
以下のような方法で開封率を上げることで、メルマガ配信の効果向上につながります。
・配信のタイミング
・配信の頻度
・件名や内容にこだわる
配信のタイミング
メール配信のタイミングは開封率に大きな影響があります。開封してもらえるようにするために考慮すべき要素は曜日と時間です。BtoCでは平日の通勤時間、就寝前、休日などに配信すると開封してもらいやすくなります。一方、BtoBでは平日の就業時間中に配信すると開封率が上がるのが一般的です。
配信の頻度
適切な配信の頻度は顧客により変わってきます。顧客セグメントによってどのくらいのメール配信の頻度が心地良いと感じるかが異なるからです。頻繁に配信すると迷惑というイメージを持たれる場合もありますが、逆に登録したのにメルマガの配信があまりないのがストレスになる場合もあります。顧客セグメントに合わせた頻度で配信することが大切です。
件名や内容にこだわる
メール配信をするときには件名にも内容にもこだわることが必要不可欠です。件名はメールの内容がわかるようにして、開封したいと思ってもらえるようにキャッチフレーズを入れて仕上げるのが効果的です。メールの件名は最初の15文字くらいしか見てもらえないことが多いので、できるだけ最初の方に重要なアピールポイントを盛り込みましょう。
今すぐに開封してメールを読むメリットを件名で伝えるのも大切です。期間限定や数量限定といった形で、すぐに買ったらお得になるというイメージを持ってもらえるようにすると開封率が上がります。半額といったフレーズで具体的にいくらくらいお得になるのかを示したり、このタイミングで購入するメリットを伝えたりするのも効果的なアプローチです。メリットがわかりやすいほどユーザーは購買行動を起こす傾向が高まります。
登録者数を増やす
メルマガの登録者数を増やせば集客力が上がります。登録者数を増やすマーケティング手法として有効なのが以下の3つです。
集客方法 | メリット |
SEO対策 | 費用がかからない長期的に安定した集客ができるコンテンツが資産になる |
リスティング広告 | 即効性があるターゲティングをしやすい顕在顧客も見込み顧客も集客できる |
SNS | 費用がかからない拡散性が高いユーザーとコミュニケーションを取りやすい |
セグメントごとにアプローチをする
セグメントを意識してアプローチするのは効果的な方法です。例えば以下のように職業ごとのニーズに合わせてメールの配信内容を変えると、自分に合っている情報を配信してくれるメルマガだという印象を持ってもらえるようになります。
セグメント | 配信内容 |
無職 | 就職活動に必要なアイテム |
正社員 | スキルアップの情報 |
派遣社員 | キャリアパスの情報 |
その他 | 働き方の選択肢 |
セグメントは職業だけでなく、年齢や性別、年収や地域などのさまざまな要素で分けることが可能です。商材に合わせてセグメントを分けてメール配信をすると、顧客との良好な関係を築き上げることができます。顧客にとって必要な情報を的確に伝えることがメルマガでは重要です。セグメントを可能な限り細分化して、それぞれのユーザーが期待している情報をメール配信するようにしましょう。
クリック率・CV率を上げる
クリック率やCV率を上げることはメール配信をする上では欠かせません。ECでメルマガ配信をする一番の目的は、CV率を上げて売れるようにすることでしょう。メールの開封率を上げて、さらにクリック率も高くなってきたら、本格的にCV率を上げるという流れで取り組んでいくと売上が伸びます。
クリック率やCV率を上げるにはメルマガのコンテンツを充実させて、読みたいと思ってもらえるようにすることがまず重要です。さらにクーポンを配信するなどのお得な情報をメルマガに盛り込むとクリック率もCV率も上がりやすくなります。
ECサイトのマーケティングならSupership
ECサイトではメルマガなどによるメール配信と合わせてSMSを活用する方法がおすすめです。SupershipではSMSを一斉送信できるサービス「KDDI Message Cast」を提供しています。SMSは開封率や到達率が高いだけでなく、多くの人が通知表示をオンにしているのでメール配信よりもタイムリーに情報が伝わります。SupershipのKDDI Message CastならCRM連携も可能なので、メール配信と使い分けてマーケティングを進められるので効果的です。
まとめ
ECサイトにおけるメルマガは集客性が高く、リピーターの獲得にもつながる重要なマーケティング施策です。メルマガの使い方を工夫し、効果測定をして課題解決につながる方法で配信しましょう。ただし、ECサイトのマーケティングではメルマガを配信すれば十分というわけではありません。開封率が高くてタイムリーに顧客にメッセージを届けられるSMSも活用するのがおすすめです。SupershipのSMS配信サービスはECサイトと相性が良いのでぜひご活用ください。