Salesforce(セールスフォース)からメール配信をする方法4選 メリット・デメリットも解説
Salesforceを活用することで、顧客にメールの配信を効率よく行えます。また、メール配信機能を拡張したAutobahn for AppExchangeを活用することで計測や分析も行うことも可能に。そこで本記事では、Salesforceからメール配信をする際の課題を踏まえた上で、Salesforceからメールを配信する方法、配信するツールの選び方、SMS配信を行うメリット、SMS配信を行った事例などについて見ていきましょう。
目次
Salesforceからメール配信をする際の課題
Salesforceを活用しメールの配信を行えますが、以下の課題もあります。
- Salesforceにおける標準機能では1日に5000件以上のメールを送れない
- 数十万件のメールを配信する際は時間がかかる
- Salesforceからは1回の配信操作につき200通までしか配信できないため、200通以上のメールを送る場合は配信作業に負担を感じやすい
- Salesforceからデータの抜き出しを行い、別のツールを活用して配信しているため運用に手間がかかる
- メールの配信しか行っていない企業がSalesforceと連携しているMA(マーケティングオートメーション)ツールを活用しており、費用対効果が釣り合っていない
多くのメールの送信が必要な場合、Salesforceの標準機能を使っていると複数回に分けて配信する必要があるため手間に感じることもあります。
また、メールの配信しかマーケティングを実施していない企業がSalesforceとMAを連携した場合はオーバースペックとなり、費用に対する効果が見いだせないと感じることも少なくありません。
Salesforceからメールを配信する方法
Salesforceからメールを配信する方法について、以下の4つのケースから見ていきましょう。
- Salesforceの標準機能(リストメール機能)を利用する場合
- Marketing Cloud Account Engagementを利用する場合
- Salesforceと別途外部のメール配信スタンドを利用する場合
- AppExchange(Synergy!LEAD)のアプリを利用する場合
それぞれについて詳しく解説していきます。
Salesforceの標準機能(リストメール機能)を利用する場合
リストメール機能とはSalesforceの標準機能の一つです。オブジェクト内で管理しているリスト(リード・取引先責任者・個人取引先)に対してメールを無料で送信できます。Salesforceにおいてメール配信にかかわる操作を行える他、HTMLメールを画面上で作成できるためメールの配信を最小限の負担で行えます。
どんな人におすすめなのか
標準機能は以下の人におすすめです。
- 一度のメール配信の件数が200件以内のケースがほとんど
- Salesforce上の顧客データが5,000件以内
- 効果測定よりも、配信することを重要視したい
標準機能(リストメール機能)のメリット
標準機能のメリットは以下の3つです。
- 追加費用の心配をせずに配信が可能
- メール本文に名前や企業名などを差し込める
- メールの内容に合わせて条件を絞り配信できる
標準機能(リストメール機能)のデメリット
標準機能のデメリットは以下の3つです。
- 1日に5,000件までしか送信できない
- 1日の送信件数が5,000件以内の場合も200通ずつしか配信できないため、メールの数が多いと配信作業に時間がかかる
- 配信エラーになった送り先を一覧で確認できない
Marketing Cloud Account Engagementを利用する場合
Marketing Cloud Account Engagementはセールスフォース・ドットコムが提供するMAツールの中でもよく知られています。本格的なマーケティングを行いたい企業から安定的な支持を得ています。このツールではマーケティングを行う上で必要なフォーム作成やWebトラッキングといった機能を備えています。その他にも、Salesforceが提供しているツールのため、SFAとの連携については他のMAツールと比較してもシームレスに設計されているのが特長です。
どんな人におすすめなのか
Marketing Cloud Account Engagementは以下の人におすすめです。
- シナリオメール、もしくはABテストといった複雑なメールを配信したい
- MAを活用することで本格的なマーケティング活動を実施したい
Marketing Cloud Account Engagementのメリット
Marketing Cloud Account Engagementのメリットは以下の2つです。
- Salesforceとシームレスに連携している
- 通常のメールのみならずABテストやシナリオメール、スコアリング、LP作成などが可能なため本格的なマーケティングを実施できる
Marketing Cloud Account Engagementのデメリット
Marketing Cloud Account Engagementのデメリットは以下の2つです。
- 機能が充実しているため慣れるまで操作に時間がかかる
- メール配信のみの利用では費用対効果が釣り合わない傾向にある
Salesforceと別途外部のメール配信スタンドを利用する場合
メール配信サービスは数多く存在します。メール配信に特化しているサービスは操作がシンプルで、かつ直感操作も可能でしょう。また、メールの送信を一括で行うことができます。その一方で、配信後の結果を計測したい場合は配信スタンドにしか結果データが残らなかったり、Salesforceから配信するメールアドレスなどをダウンロードしなければならなかったりといった手間がかかることも多いです。
どんな人におすすめなのか
外部のメール配信スタンドは以下の人におすすめです。
- 自社でメール配信ツールの契約をすでに行っている
- Salesforceの利用にこだわりがない
- メールの配信のみをシンプルに行いたい
外部のメール配信スタンドを利用するメリット
外部のメール配信スタンドを利用することで、コスト削減などのメリットが得られます。
外部のメール配信スタンドを利用するデメリット
外部のメール配信スタンドを利用するデメリットは以下の3つです。
- Salesforceとデータを連携していないため、データのインポート作業、およびエクスポート作業をしなければならない
- 営業とマーケティング部では使用するツールが異なるため、情報の分断が起きがち
- 配信後の結果を活用したい場合、Salesforceとメール配信スタンドの併用が必要
AppExchange(Synergy!LEAD)のアプリを利用する場合
SalesforceにはAppExchange(アップエクスチェンジ)という、Salesforceを対象に開発された専用のアプリケーションストアがあります。AppExchangeでは業務を円滑にするためのさまざまなアプリケーションが公開されています。自社にとって必要なアプリをインストールすることで、Salesforceの機能拡張やカスタマイズを実施できます。
どんな人におすすめなのか
AppExchangeは以下の人におすすめです。
- Salesforceからメールを手軽に配信したい
- Salesforceから1日に5,000件以上のメール配信したい
- 200件以上のメールを一括配信したい
- マーケティング活動を実施したいが、MAツールを活用するほどマーケティングに力を入れる予定はない
AppExchangeのメリット
AppExchangeのメリットとして以下の4つが挙げられます。
- 低価格、かつ簡単にメールの配信を行える
- 1時間あたり100万通のメールを配信できる
- メールの送信のみならず、効果測定やクリック者のリスト作成を簡単に行える
- 日付をトリガーにしたステップメールの配信を容易に行える
AppExchangeのデメリット
AppExchangeはシンプルな機能が特長となっているため、高度なマーケティングを実施したい場合には物足りなさを感じることもあるでしょう。
Salesforceでメール配信をする際のツールの選び方
Salesforceでのメール配信に使用するツールを選ぶ際は、自社がメールを配信する目的やどのようなマーケティングを実施したいのかを明確にした上で選択するようにしましょう。
また、ツールを選択する際はコスト面についても注意が必要です。メールを活用したマーケティングを日常的に実施する企業は多いですが、日常的に使うものだからこそツールのコストを削減しようとするケースも多々見られます。ツールのコストを削減すると運用面での負担が大きくなるため、従業員の負担が増大するだけでなく、場合によっては人件費が割高になることもあるでしょう。
メールを活用したマーケティングではPCDAサイクルをまわし、効果を少しずつ高めていくことが前提となります。目標とする成果が出る前に挫折しないためにも運用しやすいツールを選ぶようにしてください。
コスト | Salesforceとの連携 | 機能面 | |
Salesforceの標準機能を利用する | ◎ | ◎ | △ |
Pardotを含むMAを利用する | × | 〇 | ◎ |
外部のメール配信サービスを利用する | △ | × | 〇 |
AppExchangeのアプリを利用する | 〇 | ◎ | 〇 |
以下の3つのポイントを順番に考えることで、自社にあったメール配信ツールが見つかります。
1. 目的
誰に対してどのような内容のメールを配信し、結果としてどういったアクションを起こしたいかを考えましょう。
例
- キャンペーンメンバーにメルマガを配信したい
- メルマガのクリック数を把握し、顧客好みのコンテンツを配信できるようになりたい
手段
上記の目的を達成する上で必要な機能は何か考えます。
例
- 今のところメールの配信のみなので、ツールの使いやすさと運用費を重視したい
- メールのクリック率や開封率も把握し、メールを活用した本格的なマーケティングを実現したい
コスト・従業員負担
ツール面の費用はどのくらいかけられるのか考えます。その際、従業員にとって負担の少ない運用を行えるかも一緒に検討しましょう。
例
- 自社の予算内に収まるツールを選びたい
- 従業員が手軽に使えるよう誰もが簡単に使えるツールがよい
効果的なメール配信ならSMSを活用するのがおすすめ
メールを使って顧客にメッセージを送っても迷惑メールフォルダに入ったり、顧客から見落とされたりすることも少なくありません。一方、SMSであればスマホや携帯にメッセージを送信できるため、受け取り手がメッセージに気付きやすい傾向にあります。また、他のメールに埋もれる必要がないことや、移動中やスキマ時間にも確認しやすいことなどから高い開封率も期待できます。
セールスフォースでSMS配信を行うメリット
SalesforceでSMS配信を行うことで顧客に対するメッセージの到着率がアップするほか、高い開封率も期待できます。その結果として、顧客の来店率アップや販促の効果を期待できるでしょう。
SMSはメールよりも開封率が高い
SMSにはメールのように受信ボックスに埋もれにくい、スマホや携帯電話にポップアップ表示されるといった特長があります。
SMSの開封率は80%以上といわれており、送信相手に読んでもらえる可能性が高いです。また、メールよりも高いコンバージョン率を期待できるため、顧客に興味を持ち、何らかのアクションを起こしてもらえることも多いです。
携帯の電話番号だけで配信が可能
SMSは電話番号で配信できるため顧客のメールアドレスを知らなくてもメッセージの送信が可能です。また、メールアドレスを登録時から変更した顧客にもメッセージを送信できます。
Salesforce(セールスフォース)からSMS配信をする方法を解説 活用事例もご紹介
SalesforceからSMS配信を行った事例
SalesforceからSMS配信を行い、効果を実感できた企業は少なくありません。ここでは、SalesforceからSMS配信を行った事例や活用例を見ていきましょう。
SalesforceからSMS配信を行った事例として主に以下の5つが挙げられます。
- 顧客に重要な連絡の通知を配信
- 購入履歴などの顧客データを元にして顧客の掘り起こし、および活性化として情報を配信
- 期間内の入金がなかったり、複数回電話してもつながらなかったりした場合に自動的に督促通知を配信
- 無料モニターの申し込みやサンプルの請求などをしていただいたお客様へのお礼メッセージを配信
- 緊急の連絡や通知の配信
KDDI Message CastならSMS送信機能をSalesforceに連携出来る
SalesforceとKDDI Message Cast を連携したKDDI Message Cast for Salesforceを利用することで、Salesforce Platform上の顧客に対してSMSの配信を行えるほか、開封データの取得が可能となります。その他にも、個別配信や一括配信なども行えるため、メッセージの内容に応じて配信方法を柔軟に選択できます。
また、SMS配信データをSalesforceの顧客管理情報に取り込むこともできるため、顧客の行動データが取得可能です。それにより、顧客に対してより精緻なアプローチが可能となり、コンバージョン率のアップなどにつなげることができます。
さらに、SalesforceとKDDI Message Cast を連携し、メッセージをSaleforce上で配信すれば配信業務を一元化できます。従業員の負担を軽減できるため、働き方改革にもつながるでしょう。
KDDI Message CastとSalesforceを連携させて、より効果的にメールを送りたい方は以下のサイトを参照してみてください。
まとめ
Salesforceを導入することで顧客宛てのメッセージを効率的に送信できるようになるため、従業員の労働時間の軽減などにつなげることもできます。また、メッセージを送った相手のクリック率や行動を明確にできるため、より効果的なマーケティングを実現することも可能です。
KDDI Message Castと連携すれば顧客に対して電話番号のみでメッセージを配信できるため、メールアドレスを知らない顧客やメールアドレスを変更した顧客にもメッセージを送ることができます。
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