営業は企業の売上を左右する重要な仕事です。営業では自動化に取り組むことで効率的に業務を進められます。この記事では営業の自動化を推進した方が良い業務内容と、業務内容に合った有効なツールをご紹介します。

営業の自動化とは何か

営業の自動化とは、営業活動に必要な業務を自動処理して効率化する方法です。営業は顧客との商談を通して売上を出すことが重要な役割です。営業活動は人と人との関係構築が求められるため、あらゆる業務を自動化することは容易ではありません。しかし、高度なIT技術が次々に生まれた影響で、自動化できる範囲が飛躍的に広がってきました。

営業の業務内容を細分化して考えると自動化と相性が良いものも多数あります。営業DXによって大きな成果を出している企業も増えています。営業の自動化はDXの一つの方法であり、業務効率化とコスト削減を同時に実現できる施策です。

関連リンク:営業DXとは?実際の事例をもとに、活用ツールや成功ポイントを解説
https://sms.supership.jp/blog/dx/salesdx_towa/

営業活動において自動化可能な業務内容

営業活動では以下のようにDXを通して自動化できる業務が多数あります。

  • 顧客リストの作成
  • 優先すべき顧客のランク付け
  • アポイントメント獲得のアプローチ
  • スケジュールの調整
  • 書類作成(見積書、請求書、提案書など)
  • 契約書の作成と手続き
  • 顧客からの問い合わせへの返答
  • 自社へのレポーティング
  • 営業履歴の共有

営業活動を自動化する目的

営業活動を自動化する目的は定型的で繰り返し実施されている業務にかかる時間を削減することです。上述の自動化可能な業務内容の中でも、以下の仕事は日々繰り返しているルーチン作業です。

  • 顧客のランク付けとリストの作成
  • 定型書類の作成(見積書、請求書、提案書、契約書など)
  • スケジュール調整
  • レポーティング

営業履歴が入力されると自動的にレポートを作成したり、定型化されている書類を自動作成したりする仕組みを作ることが可能です。また、顧客の活動履歴を自動分析して優先度の高い候補をリストにすることもできます。営業の自動化は商談などの営業で重要な業務に担当者が集中できる体制を整えられる重要な取り組みです。

営業活動を自動化する注意点

営業活動を自動化すれば業務効率は向上しますが、営業では顧客とのコミュニケーションによって深い関係を築き上げることも重要です。自動化された無機質な対応では顧客が不安を抱き、信頼を得られない可能性があります。営業活動では自動化に頼り過ぎず、可能であれば対面で顧客と接する機会を増やし、信頼関係を築くことが成果につながります。

自動化に適した業務内容

営業業務で自動化に適しているのは、定型化されていてルーチンでできるものです。ここでは自動化しやすい業務内容を紹介します。

見込み顧客の選択・アプローチ

新規獲得の営業では見込み顧客を選び出して電話や飛び込みなどでアプローチする必要があります。見込み顧客の選定や最初のアプローチは自動化が可能です。見込み顧客の情報から商談が成立する可能性が高い候補をランク付けし、定型化されたメールを自動送信するといったアプローチができます。アポが取れた時点で個別に商談をする業務フローにすると、多数の見込み顧客にアプローチして成約数を増やせる可能性を高められます。

スケジュール調整

商談のスケジュール調整は時間がかかることが多い作業です。電話やメールなどで候補の日時を顧客に複数挙げ、希望日を選んでもらうのが一般的なプロセスです。電話がつながらない、メールの返事がないといった問題でなかなかスケジュールが確定しない場合もあります。

商談が確定した時点で担当者のスケジュールの空き時間を顧客に提示し、希望日を選んでもらう仕組みにして自動化すれば簡単です。先方もメールを書いたり、電話で返答したりする必要がないので速やかに調整できます。

メール・メッセージ対応

顧客からのメールやメッセージの対応は半自動化できます。よくある内容についてテンプレートを作成しておくと、一から全部書き上げなくて良いので返信効率が上がります。冒頭や文末の挨拶などもテンプレートにしておけば毎回手入力する必要がありません。ルート営業では予約配信をスケジュールすれば自動配信できます。製品情報などのよくある問い合わせについては、資料のURLを送付するといった方法で対応することも可能です。

書類作成

営業で商談に必要な書類はテンプレートを用意すれば自動化して作成できます。顧客からのヒアリング結果を入力すると提案書が自動作成される、希望の商品やサービスを選ぶと見積書ができるといったことが可能です。また契約書の作成においても、最初の提案で使用する定型化した書面を自動で作成できます。誰が担当しても同じ内容の書類が作成されるので、品質管理も同時に実現できるメリットもあります。自動化すればヒューマンエラーが起こりにくいのも魅力です。

活動内容の共有・レポーティング

営業の仕事では日報、週報、月報などを作成したり、成果報告書をまとめたりするレポーティングが求められます。上長が個々の活動状況を把握したり、営業担当者同士で情報を共有したりする目的があります。活動内容をすべてレポートとしてきちんと書き上げると手間がかかりますが、必要情報を入力するだけでレポートを自動作成することは可能です。営業履歴の生データの共有も同時にできるので効率的なシステムです。

営業を自動化する代表的なツール

営業の自動化はツールを活用すると効率的です。ここでは営業支援によく用いられているツールの特徴と具体例を紹介します。

SFA

SFAは営業支援システムです。営業に必要な情報を共有したり、営業担当者の活動状況を管理したりする総合ツールになっています。営業活動の履歴を入力するだけで情報共有やレポーティングが可能で、書類作成機能も搭載されている自動化に適したシステムです。

Sales Force Assistant

Sales Force AssistantはAI秘書によるアシスタント機能が充実していて営業作業の自動化に有効なSFAです。顧客情報共有、商談履歴管理、案件管理、見積書作成、名刺管理などのさまざまな機能が搭載されています。

顧客情報を地図上に表示したり、スコアカードで実績を図示したりする可視化機能も広く搭載されていて、直感的にわかりやすいSFAです。AI秘書はフィードバックをすると成長するので、営業現場にパーソナライズされた使いやすさにできるのもメリットです。

「真」のSFA – AI秘書が営業現場の一人ひとりをアシストするSFA(Sales Force Assistant)
https://www.salesforce-assistant.com

eセールスマネジャーRemix

eセールスマネジャーRemixはシンプルな設計で自動化機能が充実しているSFAです。営業活動報告の入力などの一つのインプットで、人脈管理、商談管理、予実管理、顧客管理などのデータベースに自動反映されます。

チームでの円滑なコミュニケーションを取りやすく、連携して営業活動をする基盤になります。オンライン研修やWebセミナーなどのサポートも充実していて、導入しやすく営業チームのレベルアップも図れるのが魅力です。

営業部のDXなら定着率95%のCRM/SFA、eセールスマネージャー | ソフトブレーン株式会社
https://www.e-sales.jp

CRM

CRMは顧客関係管理システムです。顧客の基本情報や商談・取引などの履歴を一元管理できます。顧客分析によるランク付けを自動化できるツールです。SFA機能もあって書類の自動作成もできるツールもあります。

Salesforce

Salesforceは世界屈指のシェアを誇るオールインワンCRM/SFAシステムです。顧客情報を総合的に管理し、営業・マーケティング・カスタマーサービスに必要な機能を余すことなく整えています。シェアが広いのでAPI連携できるサービスも広く、拡張性が高いのがメリットです。

AIを搭載してコマースまでカバーする統合ソリューションEinstein 1もリリースされています。AIアシスタントのEinstein Copilotは、AIによるサポートを受けて自動化・効率化を推進できます。

Salesforce – セールスフォース・ジャパン
https://www.salesforce.com/jp

MA

MAはマーケティングを自動化するツールです。ステップメールなどによるアプローチを自動化できます。CRMと連携して条件設定をすると、顧客の選定からアプローチまで幅広く自動処理できるツールです。

SATORI

SATORIは実績が豊富で使いやすいインターフェイスのMAです。アクセス企業リストやセグメント化、自動メール配信やフォーム作成などのオンラインマーケティングの機能が充実しています。SATORIは匿名の見込み顧客にもアプローチできるため、顧客の新規獲得に強いのが特徴です。営業担当者にとって顧客接点・商談機会の獲得率を高められるのがメリットです。目標設定・管理機能もあるので営業効果の測定も簡単にできます。

マーケティングオートメーションツール SATORI
https://satori.marketing/

Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)

Marketing Cloud Account EngagementはSalesforceのサービスとして提供されているMAです。B2Bのリードジェネレーションやクロスチャネルでのジャーニーの自動化処理に対応しています。AIスコアリングによる確度の高い顧客の選定も自動化しているので営業の効率を上げやすいツールです。営業担当者にアラートを発信したり、顧客のエンゲージメントのデータを可視化したりする機能も搭載されている便利なMAです。

Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot) – セールスフォース・ジャパン
https://www.salesforce.com/jp/marketing/b2b-automation

営業活動を自動化して売り上げを上げるコツ

営業活動の自動化は売り上げにつながることが重要です。ここでは営業を自動化するときに重要なコツを紹介します。

自社課題の解決になる自動化ツールを選ぶ

営業を自動化するときには自社の営業課題を調査して明確化し、課題解決になるツールを選ぶことが重要です。目的に合わせたツールを活用しなければ、自動化による効果が上がりません。

例えば、顧客情報を整理できていない場合にはCRMの導入が必要です。MAに特化したツールで自動化しようとしても、顧客データが整備できていないので運用ができません。CRMを導入後に何をするかを見据えて、MAやSFAの機能も揃っているツールを選定することが大切です。

一方、既存のCRMで顧客情報を管理しているけれど営業に活用できていない場合もあります。SFAを導入してCRMと連携する、あるいは既存のCRMからデータ移行が可能なCRM/SFAを選定すると、今のデータを生かして営業の自動化を進められます。

自動化に合わない業務は営業担当者が対応する

営業で売り上げを上げるには顧客との関係構築が重要です。自動化にこだわり過ぎて顧客との距離が遠くなると売り上げにつながらない可能性があります。新規顧客獲得でも既存顧客のルート営業でも顧客関係を重視して営業のワークフローを構築することが大切です。

書類作成のように顧客との接点とは関係のない業務は自動化して問題はありません。しかし、顧客へのメール返信や商談スケジュールの調整などを自動化すると、良い印象を持たれない場合もあります。最初のアプローチを自動化したために返事がないこともあるので注意が必要です。

顧客によって自動化された対応への印象は異なります。顧客を個々に考えて、信頼されるコミュニケーションを取ることを重視して自動化を進めることが大切です。

営業担当者のITリテラシーを高める

ITリテラシー教育は営業の自動化を進めるうえで欠かせません。営業活動で自動化をする際にはITツールを使用するため、営業担当者が正しく操作するための最低限の能力や理解がないとトラブルの原因になります。

ITリテラシーは社員研修で理解させることがまず重要です。書籍やセミナーでも勉強できるので、ITパスポートなどのITリテラシーに関連する資格の取得を支援して主体的に学ばせるのも効果的です。自動化ツールは使い方を誤ると顧客にマナー違反と思われて信用を失ったり、顧客情報を漏えいさせたりするリスクがあります。ITリテラシー教育を徹底して営業の自動化に取り組みましょう。

営業の業務を効率化するなら

営業の自動化による業務効率化にはSMSの活用がおすすめです。KDDI Message CastはSMS送信サービスで、携帯電話番号がわかる顧客に個別にアプローチできます。SalesforceなどのCRM/SFAと連携してSMSを送信できるツールです。

営業は顧客とのコミュニケーションを通して信頼関係を構築することが重要です。SMSは個別性が高いため、顧客に距離の近さを感じてもらえる可能性があります。顧客フォローでは自動化に頼りすぎずに、SMSを活用して良好な関係を築き上げましょう。

▼KDDI Message Cast(KDDIメッセージキャスト)詳しくはこちら
https://sms.supership.jp/

まとめ

営業の自動化は、営業担当者が商談に注力できる環境を整えるうえで重要な取り組みです。定型化されている業務は自動化して効率を上げましょう。自動化を進める際には自社の営業課題を洗い出して必要なツールを選定することが大切です。営業では顧客とのコミュニケーションも重要なので、適切な距離感を感じてもらえるよう施策を検討しましょう。自動化する業務を厳選し、他の業務を通して密にコミュニケーションを取るのが成功のコツです。