DM営業は顧客にダイレクトメールを送る営業方法です。DM営業は顧客営業の手法として昔から用いられてきました。この記事ではDM営業の成果を上げるために重要なポイントと注意点を、例文と合わせてご紹介します。

DM営業とは?

DM営業とはダイレクトメールを活用するマーケティング手法であり、DMはダイレクトメールの略称です。ハガキや封筒などの郵送物によって顧客に情報を伝え、購買や問い合わせ、来店などのアクションを促します。

DM営業はオンライン化が進んでいる現代でもよく活用されている方法です。住所がわかる顧客に対して確実に届けられるのがDMの特徴です。訪問営業や電話営業のように顧客にとって営業を受けているという圧力を感じづらいため、内容を確認して検討してもらいやすい性質があります。

訪問営業や電話営業では個別対応が必要ですが、DM営業は同じ内容の郵送物を一斉に送ることが可能です。営業効率を向上させられる方法として活用されています。

​​関連リンク:ダイレクトメール(DM)とは?特徴やメリット・デメリット、開封率を上げるコツを紹介
https://sms.supership.jp/blog/posting/dm_kaifuritsu_ageru

DM営業の開封率

DMの開封率は高いので営業ツールとして役に立ちます。一般社団法人日本ダイレクトメール協会による2021年の調査「DMメディア実態調査2021」では、自分宛に届いたDMの開封率・閲読率は79.5%です。2020年の調査では63.1%だったことを考慮するとDM送付によって開封してもらえるケースが増えていることがわかります。最新の2023年の調査でも、本人宛のDMでは75.1%の開封率・閲読率です。

同調査によると、1週間に受け取るDM数は2021年では5.5通だったのに対して、2023年には4.4通まで減少しています。オンライン営業の増加を受けてDM営業が少なくなり、競争率が低下している状況があることがわかります。

参照:「DMメディア実態調査2021」調査報告書要約版
https://www.jdma.or.jp/upload/research/20-2022-000021.pdf

「DMメディア実態調査2023」調査報告書要約版
https://www.jdma.or.jp/upload/research/20-2024-000027.pdf

関連リンク:DMの開封率ってどれくらい?開封率を上げるコツやNG例を徹底解説!
https://sms.supership.jp/blog/posting/240201

DM営業の例文を顧客タイプ別に紹介!

DM営業では顧客タイプ別に書き方を変えることが重要です。ここでは顧客に合わせてDMを書くための例文を用意しました。BtoCとBtoBでも書き方が異なるので、それぞれの定型文を紹介します。

新規顧客へのDM例文

【BtoC】○○についてお困りのことはございませんか?当社では○○にお悩みの方のために××をご紹介しています。当社のサービスは○○が特徴ですので、ご興味がありましたらぜひご相談ください。
【BtoB】拝啓 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。弊社は○○事業をしております株式会社××と申します。この度は△△の機会に貴社を知り、お手紙を送付させていただきました。ご興味を持っていただけましたら、ご説明に上がりますのでぜひご連絡ください。

新規顧客へのDMでは営業という印象が強くならないように配慮することが大切です。顧客が興味を持ったときに連絡をもらう流れを作りましょう。

既存顧客へのDM例文

【BtoC】日頃のご愛顧に感謝して期間限定クーポンをご用意しました。この機会に新しいアイテムを試してみませんか?新製品のお得なクーポンもございますので、ぜひ活用ください。
【BtoB】日頃より弊社の○○をご利用いただき誠にありがとうございます。今回は○○のアップグレード版の××についてご紹介の連絡をさせていただきました。詳細は同封のパンフレットをご覧ください。ご不明点等ございましたら気軽にご連絡いただければ幸いです。

既存顧客へのDMでは顧客に対する理解があることが伝わるように内容を整えましょう。親近感を持ってもらい、顧客との距離を近づけることが大切です。

休眠顧客へのDM例文

【BtoC】日頃よりご愛顧いただきありがとうございます。○○のご利用についてご様子はいかがでしょうか。もしご不明な点がございましたらご連絡ください。○○の定期便サービスも開始しましたので、ご検討いただけますと幸いです。
【BtoB】平素よりお世話になっております。株式会社○○です。いつも弊社の○○をご愛用いただき、誠にありがとうございます。弊社では○○のオプションツールとして××を開発いたしました。ぜひお客様にもご活用いただきたいと考えております。ご興味がございましたらデモもできますので気軽にご連絡ください。今後ともよろしくお願いいたします。

休眠顧客へのDMでは自社のイメージを想起させることが大切です。感謝の気持ちを伝えた上で、追加的に提供できるサービスも伝えることで営業効果を生み出せます。

記念日を控えた顧客へのDM例文

【BtoC】お誕生日おめでとうございます。お誕生日の○○様に限定クーポンをご用意いたしました。○○様にとって素敵な1年になりますように。
【BtoB】東証スタンダード市場への上場、誠におめでとうございます。貴社からご愛顧をいただいたお陰で、弊社も成長を続けられております。貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。この度は上場を記念しまして特別価格プランをご用意いたしました。この機会にご検討いただけますと幸いです。

記念日を控えた顧客にDMを送付するときには特別感を伝えることが重要です。お祝いのメッセージに加えて、このときだけ利用できる特典を添えるとアクションを促せます。

DM営業のメリット

DM営業は他の営業手法と比べるとメリットがあります。ここではメールなどによる営業と比較してどのようなメリットがあるかを解説します。

開封率が高い/購買行動につながりやすい

DMはその開封率の高さのみならず、開封後の購買行動につながる可能性も高いことがメリットです。DMメディア実態調査2023によると、DMを受け取った後に行動を起こした人の割合は19.7%です。前年の2022年でも19.3%という結果になっているため、DM営業を受けた人の約2割が行動を起こしていることになります。

DMによって喚起された行動はさまざまですが、商品やサービスの購入・利用をしたという回答が2023年では2.0%、2022年では3.0%を占めていました。購買行動を促しやすい営業手法であることがわかります。

参照:「DMメディア実態調査2023」調査報告書要約版
https://www.jdma.or.jp/upload/research/20-2024-000027.pdf

WEBサイト・SNSとの差別化が図れる

オンライン営業が活発におこなわれるようになり、DM営業は差別化戦略として有効活用できる時代になりました。WEBサイトやSNSでの情報発信や、SNSのメッセージによるコミュニケーションに比べて、DMには特別感があります。オンライン営業では不特定多数に同じ情報を発信しているという認識が広く、スパムなどによる被害もあるので慎重になっている人が多くなりました。

DMは個別に届けられた特別な情報という印象を与えられます。クーポンや招待券などを同梱したり、個別のメッセージを入れたりすることで特別感を高めることも可能です。WEBサイトやSNSによる営業とは異なる価値を提供できる手法になっています。

第一印象が良い

DM営業は、封筒やはがきなどのデザインを工夫できるため、第一印象が良いのがメリットです。ブランドイメージを封筒のデザインで伝えると、新規開拓のときにも「自分にぴったりのブランドかもしれない」と思ってもらえる可能性があるでしょう。

DMは印象に残るので、到着した時点ですぐに開封されなかったときにも営業ツールになります。封筒に奇抜な色を使用すると印象に残るので、すぐに開封しなかった人も後で気づいて中身を確認しようと考えてくれる場合があるでしょう。訪問営業のときに「先日お送りしたピンク色のDMをご覧いただけましたでしょうか」といった話をすると、他にはない色だったことで覚えていてくれる場合もあります。

DM営業のデメリット

DM営業にはデメリットもあるので注意が必要です。DMは昔から汎用性のある営業手法として用いられてきました。電子メールやSMSなどによって情報を受け取るのに慣れていない高齢者にもアプローチできる魅力もあります。年齢や性別を問わずに営業に使えるのはDMの特徴ですが、デメリットも加味して活用することが大切です。ここではDM営業のデメリットを紹介します。

電子メールと比べてコストがかかる

DM営業はコストが高いことがデメリットです。DMを送付するときには、送付先ごとに料金がかかります。定形郵便物では25g以内で84円、50g以内で94円がかかります。広告やクーポンなどを定形外郵便で送ると、規格内でも120円~580円、規格外になると200円~1,350円がかかります(2024年5月現在)。無料で送信可能な電子メールに比べると、DMはコストが高いのがデメリットです。

参照:国内の料金表(手紙・はがき) – 日本郵便
https://www.post.japanpost.jp/send/fee/kokunai/one_two.html

住所情報が古い場合、届かない

DM営業は住所情報が古いと届きません。顧客が転居したときに引っ越し先の住所を登録してくれないと、郵便の転送期間が終わった一年後にはDMが届かなくなります。郵便の転送の手続きをしなかった場合には転居した時点で届かなくなります。顧客情報管理を徹底して、常に最新の住所情報を持つことがDM営業では必要です。電話番号のように引っ越しのときにも同じ番号を使えるわけではないので注意しましょう。

DM営業を成功させるための5つのコツ

DM営業ではコストがかかることを考慮して、成果につながる方法を検討することが重要です。ここではDM営業を成功させるためのコツを紹介します。

ターゲット/ペルソナを設定する

DM営業で重要なのはターゲットを明確にして送付することです。新規購入の可能性がある見込み客や、リピーターになることが期待される顧客などをターゲットにしてDM営業をすると費用対効果が上がります。

DM営業をするときにはペルソナ設定をしてターゲットに合う内容のDMを制作することも重要です。ペルソナは具体的に考えて、その人がどんなDMを受け取ったら買いたいと思うかを検討しましょう。ペルソナ設計では年齢、職業、年収、趣味などのさまざまなパラメーターを考えることが大切です。理想的なターゲットを明確化するための基本的な手法なので、DM営業を始める時点でペルソナ設計をしましょう。

開封してもらいやすい送付時期を選定する

DM営業では開封されやすい時期を狙うことが重要です。BtoBのビジネスでは繁忙期に送ると忙しくてDMに目を通せなくなることがあるので注意が必要です。商材の種類による違いはありますが、年度末で予算が余っている時期にDMを送るとレスポンスが良い場合もあります。

一方、BtoCのビジネスでは消費活動が活発になる時期を狙うのが効果的です。GWや年末年始は購買意欲が高まる人が多い時期です。高額商品を取り扱っている場合には、ボーナス支給の時期を狙う方法もあります。

開封したくなるような封筒にする

封筒のデザインはDMの開封率に影響する重要な要素です。開封したいと思ってもらえるデザインを考えましょう。「あなただけの特典」といったフレーズを表記すると、封筒を開封して中身を確認したいと思ってもらえやすくなります。透明な封筒にしてクーポンが見えるようにすると、開けて詳細を確認したいと考えてくれるでしょう。このような工夫をして開封してもらい、DMの内容を詳しく見てもらえるように導線設計をすることが大切です。

興味を持ってもらえるようなデザイン・キャッチコピーを作る

DMは一目で興味を持ってもらえなかったら捨てられてしまいます。営業目的のDMだと思った時点で、見向きもせずに捨てる人もいるので注意しましょう。顧客が読もうと思わなくても、魅力がありそうだと思うようにデザインすることが重要です。キャッチコピーで目を引くようにしたり、シークレットセール情報などの顧客にとってベネフィットのある情報が入っていることをすぐにわかるように表記したりする工夫を凝らしましょう。

電話営業などと併用する

他の営業方法をDMと併用することで成功率を上げられます。DMを送ったときに電話でDMの内容についてフォローしたり、SMSでDMを送ることや内容の概要を伝えたりすると購買行動につながりやすくなります。

DM営業で注意すべきポイント

DMを送付しても成果につながらないこともあります。DMの内容によっては成果が出ないこともあるので気を付けましょう。ここではDM営業を成功させるための注意点を紹介します。

内容は簡潔に

営業目的でDMを送付するときには内容を簡潔にまとめましょう。情報量が多すぎると顧客がストレスを感じて読んでもらえなくなる場合があります。写真やイラスト、グラフや表などを使用して重要なポイントが伝わりやすくする工夫が必要です。余白を持たせて読みやすい構成にすると読み手のストレスを緩和できます。DMを制作するときには、読み手の視点で気軽に最後まで目を通せるように意識しましょう。

PR感を出しすぎないようにする

商品やサービスのPR感が強かったことが原因で目を向けてもらえなくなる場合があります。営業目的のDMという印象を持たれてしまうと、捨てられるリスクが高くなるので注意しましょう。

DMのメリットを生かすためには、「自分のために送られてきた特別な手紙」というイメージを持ってもらうことが大切です。商品やサービスの魅力をむやみやたらにPRしてもネガティブな印象を持たれる可能性があります。統計データなどの客観的な数値を使用して、PR感を減らす工夫をするのが対策方法の一つです。

DM営業では顧客に合わせた内容に仕上げることが大切です。ペルソナ設計に基づいて顧客が抱えている悩みを想定し、自社商材が提供できるベネフィットをわかりやすく示しましょう。

PDCAを回してDM営業の効果を最大化しよう

DM営業の効果は仮説検証に基づいて改善し、最大化を目指しましょう。最初からDM営業によって大きな売上につながることはあまりありません。ターゲットの選定が誤っていたり、ペルソナ設計が適切にできていなかったり、DMのデザインに魅力がなかったりすると営業効果は上がりません。PDCAを回してDM営業の効果を引き上げていきましょう。

PDCAを動かすときにはDMの効果測定が必要です。DMによってアクションを起こした顧客の数や、売上への貢献を評価できるように導線設計をしましょう。DMにQRコードを載せてサイトにアクセスしてもらったり、クーポンを店舗に持参してもらったりする工夫をすると効果測定をしやすくなります。

まとめ

DMは開封率が高い営業ツールです。他の方法に比べるとコストがかかるのがデメリットですが、顧客のタイプ別に内容を考えて送付すれば購買行動も促しやすい性質があります。DM営業をするときにはペルソナ設計をして、厳選したターゲットに個別性の高いDMを送りましょう。DMと合わせて電話やSMSによるフォローもすると営業効果が上がります。DMは営業効果を上げる手段の一つとして捉え、総合的に顧客にアプローチすることが大切です。

営業ならSMSの活用もご検討ください

DMと同様にSMSも魅力的な営業ツールです。SMSは電話番号宛にメッセージを送れるのが特徴で、住所が変わってしまった顧客にも届きやすいメリットがあります。送信したらすぐに届くメリットもあるので、SMSも営業に活用しましょう。

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