最近では、多くの企業でSNSを活用したマーケティングを導入しています。SNSの中でも、インスタグラムは利用者が急速に増加傾向にあり、視覚的に訴求できることでも注目を集めています。本記事では、インスタグラムマーケティングを検討されている企業のご担当者に向けて、インスタグラムによる集客のメリットとデメリット、運用方法やポイントなどを解説します。

SNSマーケティングでインスタグラム(Instagram)を使用するべき理由とは

多くの企業がSNSマーケティングにインスタグラムを活用している理由として、インスタグラムの国内ユーザー数が近年急速に伸び、幅広い世代が利用していることが挙げられます。

米Meta社は、日本国内におけるインスタグラムの利用者数が3300万人を突破したと発表しました。日本国内ユーザー数は2015年1月から急速に増加傾向にあり、約4年の間に伸び率が4倍以上に引き上げられているようです。また、10代から50代までの幅広い層がインスタグラムを利用しているとされています。

参考:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破 | Metaについて

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SNSマーケティングでインスタグラム(Instagram)を使用するメリット

インスタグラムマーケティングを実施することで、企業はどのようなメリットがあるのか、以下で3つのメリットについて解説します。

メリット①写真などで視覚的にアピールできる

インスタグラム(Instagram)は、写真や動画で情報を伝える媒体のため、写真映えするケーキやファッション関連の商品の宣伝が得意です。写真や動画などを使えば、自社の商品やサービスを視覚的にわかりやすくアピールできます。細かな説明よりも、1枚の魅力的な写真から「食べてみたい」「行ってみたい」などのユーザーの気持を喚起でき、購買につなげることが可能です。

メリット②ショッピング機能を活用できる

ショッピング機能は、商品や動画の投稿に自社ECサイトの商品をタグ付けできる機能です。商品写真をクリックすることで、自社ECサイトの商品購入ページへユーザーを誘導できます。

2018年6月から導入された機能ですが、それまではインスタグラムで購入したい商品が見つかっても、その商品を購入できるサイトをインターネットで改めて検索しなければならず、購入するまでに手間がかかっていました。ショッピング機能によりEC事業者は販売のチャンスを大きく広げることができます。

メリット③ブランディング効果がある

インスタグラム(Instagram)は、写真や動画を使って、商品やサービスのイメージを視覚的に訴求できるため、ブランドの世界観を表現するのに有効です。投稿写真のカラーやシーンに統一感を持たせ、使い続けることで、企業のブランディングの確立につながります。

具体的には、「メイクアイテムならば〇〇」というように、ユーザーがブランドのイメージを想起できるまで高めていき、売上につなげていくのが理想です。

SNSマーケティングでインスタグラム(Instagram)を使用するデメリット

インスタグラムマーケティングは魅力ある施策ですが、メリットばかりではありません。ここではデメリットについても確認しておきましょう。

デメリット①ターゲットや商品によって相性が悪い

写真や動画で伝えにくいターゲットや商品とは相性が悪いといえます。

たとえば、金融商品、IT、Webメディアなどです。また、インスタグラムは一般ユーザー向けのサービスのため、ビジネス色の強いBtoB向けの商品との相性も良くないと言われています。BtoB向けの場合は、InstagramよりもFacebook広告などに出稿するほうが良いかもしれません。

ただし、写真のテイストを変えたり、季節感を取り入れたり、またユーザーと積極的にコミュニケーションをとり、親しみやすいコンテンツにすることで上手に運用している企業アカウントも存在します。

デメリット②拡散力が低い

インスタグラム(Instagram)は、他のSNSと異なり、「リツイート」や「シェア」などの機能がないため、拡散力が弱いことは否めません。他のユーザーが投稿した写真や動画を引用して自分のフィードや24時間限定公開のストーリーズで再投稿を行う「リポスト」という機能はありますが、別にアプリが必要です。

インスタグラム単体で拡散することは難しいですが、FacebookやTwitterとシェアできる機能を活用するとよいでしょう。

デメリット③成果が出るまでに時間がかかる

インスタグラム(Instagram)に限らず、SNSでの運用は効果があらわれるまでに時間がかかります。とくに、単体でのシェア機能がないインスタグラムの場合、新規フォロワーの獲得や、フォロワー以外の人へのアピールが難しいため、フォロワー数をある程度獲得できるまで、どうしても効果が限定的になってしまいます。そのため、たくさんのユーザーに興味を持ってもらえるようにコンテンツを工夫して、継続して発信していくことが必要です。

インスタグラム(Instagram)マーケティングを行う方法

インスタグラム(Instagram)でSNSマーケティングを行う際の方法についてわかりやすく説明していきます。

公式アカウントの運用

自社アカウントの運用は、費用をかけずに運用できます。

企業アカウントを開設する手順は、以下の通りです。

1.インスタのアプリをダウンロード

2.アカウントの登録

3.プロフィールの設定

4.アカウント画面右上をタップし設定を開く 

5.アカウントをタップ

6.「プロアカウントに切り替える」をタップ

7.カテゴリを選択 →開設完了

なお、企業がSNS上でユーザーと関わる際にはトラブルを防ぐために、ソーシャルメディアポリシーを策定し、それに則って、正しく運用することが重要です。以下の点について押さえておきましょう。

運用目的

インスタグラム(Instagram)の公式アカウントで具体的に何をしたいのか、運用する目的を明確にしておきます。

更新頻度

写真を投稿するタイミングや投稿する人を決めて、関係者で情報を共有しておくことが大切です。「時間ができたときに更新しよう」などという気楽な気持ちで始めると、いつのまにかアカウントが放置されてしまうリスクがあります。

動画の目安時間

インスタグラムの動画の時間は、30秒程度が好まれます。TwitterやYouTubeの動画の長さと比べて短いですが、インスタグラムは写真や動画の閲覧がメインのコンテンツのため、ユーザーも短時間で高い頻度で消費する傾向があります。

ブランドコンセプトの設定

企業が公式アカウントを運用する際にはブランドコンセプトの設定が欠かせません。とくにインスタグラムは写真が主役のため、コンセプトを定めたら、そのコンセプトに沿った内容で継続して投稿することがファン獲得につながります。

人気のある公式アカウントには世界観があります。投稿された内容がバラバラな印象だと、その企業アカウントのイメージがユーザーに伝わりにくく、共感を得られません。そのため、写真や動画の雰囲気や質感に世界観を持たせることが大切です。

KPIの設定

目標達成に向けてKPI(評価を測る基準)を定めておく必要があります。主なKPIは、「フォロワー数」「いいね!数」「コメント数」「ハッシュタグ投稿数」「リーチ数」などです。すべてのKPIを追う必要はなく、自社アカウントの運用目的にあった基準を設定しましょう。

ストーリーズ、ハイライト、インスタライブの活用

ストーリーズにはハイパーリンクの設置や投票やアンケート機能などの機能が豊富にあるため、日頃から最新の機能に慣れておくとよいでしょう。また、ストーリーをプロフィールに保存できるハイライト機能があるため、保存したストーリーをあとでまとめてチェックすることが可能です。自社のファンを増やすために、イベント型のライブ配信を活用するのもよいでしょう。

IGTV

IGTVは2018年に追加された機能で、インスタグラム上で15分以上の動画の投稿・視聴ができる無料アプリです。インスタグラムの動画は1分間までと制限されていますが、IGTVを利用すると最長で1時間までの動画を投稿し、視聴できます。

インスタグラム(Instagram)広告の活用

インスタグラム広告は、自社の広告を表示させる機能です。費用はかかりますが、高精度のターゲティングが特徴で、多くのユーザーに魅力的な写真や動画で自社の商品やサービスに関する広告を配信できます。

ストーリーズ、フィード、発見タブ、リールの4つの配信面があり、訴求の内容に適した配信面を選べます。たとえば、ストーリーズは生の情報を得るために、フィードは商品やブランドの新しい情報収集のために使っているユーザーが多いようです。発見タブは、自発的に情報が探されている傾向があるため、ユーザーのニーズをつかんだ訴求を行えば、成果につながりやすいでしょう。

インスタグラム広告には、以下の6つの広告フォーマットがあります。

①写真広告・・・静止画1枚+キャプション

②動画広告・・・1本の動画+キャプション

③カルーセル広告・・・最大で10枚までの写真や動画+キャプション

④ストーリーズ広告・・・1枚の画像または1本の動画

⑤コレクション広告・・・カタログ形式にして表示

⑥スライドショー広告・・・動き、音声、テキストを使ったスライドショーにより短時間でストーリーを伝える

Facebookなど他サービスとの連携

インスタグラム広告は、Facebookが提供する広告です。そのため、投稿するには、Facebookのページとインスタグラムアカウントを連携させることが必要です。連携が済み、広告アカウントの作成が完了したら、広告の設定を開始できます。

連携しておくことで、FacebookまたはInstagramのどちらに出稿するか選択できるため、商品や広告内容に合わせて、より適切なほうのSNSにアプローチできることはメリットです。

インスタグラム(Instagram)キャンペーンの活用

インスタグラムキャンペーンは、ユーザー参加型のプロモーション施策です。主に、「フォロー&いいね」「フォロー&コメント」「フォロー&ハッシュタグ投稿」などのキャンペーンが行われています。

フォロー&ハッシュタグ投稿では、自社アカウントをフォローしてもらい、ハッシュタグ投稿をすることなどの参加条件をクリアしたユーザーに抽選でプレゼントを贈るのが一般的です。フォロワーにメリットを与え、かつ販促、UGC(ユーザー自身の投稿)の獲得などの企画ができるため、多くの企業が利用しています。

キャンペーンを行う場合は、予算を決めます。予算に余裕があれば、インスタグラム広告を他のSNSでも宣伝するとよいでしょう。予算にあまり余裕がなくても、工夫次第でキャンペーンを成功させることはできます。

インスタグラム(Instagram)ショッピングの活用

SNSの中でもとくにInstagramは購買行動と深く関わりのあるプラットフォームで、ショッピング機能を利用して商品の販売を行うことが可能です。アライドアーキテクツが調査したところ、ECサイトで商品購入経験のある人の60%はインスタグラムがきっかけとなったと答えています。

ショッピング機能の利用に費用はかからないため、予算を心配せずに、新施策としてすぐに導入可能です。

インスタグラム(Instagram)マーケティングの成功事例

最後に、インスタグラムを利用することでブランディングやプロモーションに成功した企業の事例を2つご紹介します。成功した企業の事例と自社の運用方法を照らし合わせてみてください。

事例①インテグレート

資生堂のブランド「インテグレート」では、ユーザーにハッシュタグ投稿を行ってもらう参加型キャンペーンを実施しました。「いい女」になるためにメイクやファッション、食事などで実践していることに、「#いい女なろう」というハッシュタグをつけて投稿してもらうキャンペーンを行ったところ、ちょっとした社会現象となりました。ハッシュタグをうまく活用し、認知度を高められた成功事例です。

インテグレート公式アカウント

事例②DAISO(ダイソー)

100円ショップダイソーのインスタグラムは、フォロワー数が約177万人という人気アカウントです。あらゆる種類の商品が紹介されていますが、情報量の多さに加えて、色鮮やかでポップな写真が注目されています。

ダイソーのように、幅広いジャンルの商品を取り扱っている場合、すべての商品に目を通すのは難しいものですが、インスタグラムで定番商品以外のものについて紹介されており、ユーザーにとってはうれしい情報です。ダイソー側にも商品アピールのチャンスといえます。インスタグラムアカウントをカタログとして活用している成功事例といえるでしょう。

ダイソー公式アカウント

集客にはSMSも利用できます

SMSは広告によるプロモーションにも利用可能です。SMSとは電話番号宛てにショートメッセージを送信できるサービスです。具体的な利用方法としては、キャンペーン、新製品や新サービスなどのお知らせをSMSで端的に伝えたり、クーポンを配信したりすることなどが挙げられます。到達率や開封率の高さなどのSMSの特徴から見ても、広告やクーポンの配信は効果の高い施策といえるでしょう。また、オウンドメディアなどへの集客もSMSで行うことが可能です。たとえば、見込み客に「詳細はこちらを参照ください」というようなURLつきのSMSを送る方法があります。

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まとめ

インスタグラムは、企業やサービスについて多くのユーザーに認知してもらえる有効なプラットフォームです。インスタグラムマーケティングは、視覚的に訴求でき、ブランディング効果が高いため、上手く活用すれば大きな成果につながるでしょう。実際、インスタグラムを活用したマーケティングで成功している企業も多数あります。運用に際しては、目的を明確にして、目的に応じた施策を立てていきましょう。

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