担当者が不在のときに折り返しの電話対応を提案するのがビジネスマナーの一つです。折り返し対応をするときにはどのようなマナーを守る必要があるのでしょうか。この記事では例文を交えて、折り返しの電話対応の方法をご紹介します。

担当者が不在だった場合の電話対応の流れ

電話に出たときに担当者が不在だった場合には、担当者が後になって適切に電話対応できるように以下のような流れで応じるのが基本です。

1. 担当者の在席状況と予定をチェック

電話に出て担当者がわかったら、まずは在席状況を確認します。席を立っているだけで室内にいる場合もあるので周囲をチェックしましょう。不在の場合には担当者の予定を調べます。相手とのやり取りをするために重要な情報です。

2. 不在である旨を伝え、対応方法を確認

担当者が不在のときには状況を率直に伝えます。そして、今後の電話対応の方法を提案して希望を聞き取りましょう。「折り返しお電話を差し上げてよろしいでしょうか」と提案するのが一般的なビジネスマナーです。相手が折り返しの電話を希望しない場合には「またかけ直します」と言われるでしょう。

3. 折り返しの電話を希望された場合は、連絡先を聞く

電話対応の方法を聞いて、相手が折り返しの電話を希望している場合には連絡先を聞きます。電話番号を聞き取ってメモを取った後、復唱して正しい番号かどうかを確認しましょう。

4. 相手の情報や連絡先をメモに残し、担当者に折り返しを依頼する

電話を切ったら担当者に電話対応を依頼します。折り返しの電話を希望されていた場合には相手の情報と連絡先をメモにして渡すのが適切です。相手から再度連絡がある場合には、電話の相手の情報と電話があった旨を伝えます。

【例文あり】担当者の状況別の言い方

担当者が不在の理由は状況によって異なります。電話対応のときには状況ごとに適切な表現で応対することが大切です。

1. 担当者が離席中

担当者が離席中の場合には「席を外している」という表現をします。すぐに席に戻ってきて電話に出られることを暗に伝える言い方です。担当者が席を外している場合には以下のように対応します。

「申し訳ございません。○○はただいま席を外しております。戻りましたら○○から折り返しお電話させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか」

2. 担当者が電話中

担当者が電話中のときには「電話に出ている」と伝えて電話対応を進めます。担当者の様子を見て、すぐに電話が終わりそうか、長引きそうかを判断します。そして、以下のように状況に合わせて相手に提案をするのが基本的な対応方法です。

【電話が短時間で終わりそうな場合】
「申し訳ございません。○○は電話に出ておりますので、少々お待ちいただけますか。電話が終わりましたら、○○から速やかに折り返しのお電話を差し上げます。」

【電話が長引きそうな場合】
「申し訳ございません。○○は電話に出ておりまして、しばらくお時間をいただきそうです。電話が終わり次第、○○に折り返し電話をするように伝えたいと存じますが、いかがでしょうか。」

3. 担当者が会議中

担当者が会議中にときには「会議に出ている」と伝えます。「打ち合わせ中」「面談中」といった言い方も可能です。会議中の場合には、いつ会議が終わるかも予定から確認して伝えます。

「申し訳ございません。○○はただいま会議に出ておりまして、15時には席に戻る予定です。もしご都合がよろしければ、○○から折り返しお電話を差し上げます。」

4. 担当者が外出中

担当者が外出中のときには「外出している」という表現をします。出張で外出をしている場合には「出張中」と表現するとわかりやすいでしょう。外出や出張の予定を確認して伝えます。

「申し訳ございません。○○は出張に出ております。明日から出社の予定ですので、明日折り返しお電話を差し上げてもよろしいでしょうか。」

5. 担当者が休暇中

担当者が休暇中のときには「休暇中」あるいは「お休みをいただいている」と表現します。休暇の理由はプライベートにかかわるので、知っていたとしても説明しないのがマナーです。長期休暇の場合には代わりの担当者につなぐこともできます。

【短期休暇の場合】
「申し訳ございません。○○は明日までお休みをいただいております。明後日、○○から折り返しお電話を差し上げたいと思いますが、ご都合はいかがでしょうか。」

【長期休暇の場合】
「申し訳ございません。○○は××まで休暇中でございます。上司の△△からお問い合わせの件について対応させていただきたいと存じますが、いかがでしょうか。」

折り返しの電話をする際の言い方とマナー

電話があったときに不在で出られず、折り返しの電話をする際にはお詫びから話を始めることがマナーです。相手は担当者が電話に出られなかったことによって不満を持っている可能性があります。まずは「先ほどはお電話に出られず申し訳ございませんでした」といった一言から電話対応を始めるのが折り返しをするときの基本です。

「折り返し」の間違えやすい言い方・使い方

「折り返し」は電話に関するビジネス用語です。マナーを守れる正しい言い方・間違った言い方を紹介します。

「折り返し」の正しい言い方

「折り返し」とは、電話を受けた側が、かけた側に電話をかける行為です。不在で相手が希望する電話対応ができなかったときに、「○○から折り返し電話させていただきます」と伝えるのが正しい使い方です。電話をかけた側が「○○様にお手すきのときに折り返しのお電話をいただきたいとお伝え願えますか」と言った際に、その回答として「承知しました。○○から折り返し連絡いたします」と応えるのも正しい使い方です。

よくある間違った言い方

「折り返し」は電話を受けた側もかけた側も間違った言い方をする場合があります。受けた側の間違った使い方として多いのは「折り返しご連絡をいただいてもよろしいでしょうか」という表現です。相手に電話を再度かけてもらうときには「かけ直していただいてもよろしいでしょうか」と伝えます。

一方、電話をかけた側は「こちらからまた折り返し電話します」と言うのは誤りです。「こちらからまた連絡します」が正しい表現になります。

折り返す前の準備

折り返しの電話は焦らずに十分な準備をしてからかけることが大切です。事前に必要な準備を解説します。

留守電や伝言メモの内容を確認する

折り返しの電話をする前に留守電のメッセージや伝言メモ、電話を受けた担当者からのコメントなどを事前に確認しましょう。相手の用件や要求がわかるため、相手の意向に基づいて説明に必要な資料を準備できます。折り返しの電話をしても、相手が必要な情報を得られなかったのでは不満を感じさせてしまいます。電話をかける前にできるだけ柔軟に対応できるように情報を集めておくことが大切です。

電話をかけてきた相手の情報を確認する

折り返しの電話をかけるときには相手の氏名や所属などの情報を確認することが重要です。問い合わせの履歴、現在の取引の状況、過去の契約や購買の経歴などを確認すると、電話の目的を推察しやすくなります。特に直近に問い合わせがあった場合には関連している内容の可能性が高いので、詳しく確認してから折り返しましょう。

メモの準備をする

メモは折り返しの電話をかけるときに準備しておきましょう。電話では相手からの話を聞いて答えることが求められますが、その場で相手の悩みをすべて解決できるとは限りません。後日回答が必要な内容はメモを残すことが大切です。電話で打ち合わせのスケジュールを調整したり、必要な資料の送付を求められたりすることもあります。電話で話した内容で重要な項目を記録できるように、メモを用意してから折り返しの電話をかけましょう。

折り返しの電話をする際の基本マナー

折り返しの電話ではビジネスの基本マナーを守ることが大切です。ここでは折り返しの電話をかけるときに重要なポイントを解説します。

できるだけ早く折り返す

不在で電話に出られなかったときには、できるだけ早く折り返しの電話をしましょう。相手は待っている状況にあるためです。今日提出の書類が欲しい、約束の内容の変更を急に依頼したいといった急務の問い合わせや連絡の場合もあります。基本的には電話をかけられる時間ができたら速やかに折り返すことがマナーです。

相手が都合に合わせて電話する

折り返しの電話では相手の都合に合わせることが大切です。少しでも早く折り返しをしようと考えて、終業時間後や昼休みに電話をかけるのはマナー違反になります。相手の勤務時間を考慮して、電話に出やすいタイミングに折り返しましょう。

相手の話す内容を復唱して確認する

電話では復唱をして相手の話している内容を正しく聞き取れていることを確認しましょう。聞き間違いによって誤った対応をするとトラブルになります。折り返しのときにはもともと電話に出られなかったことにストレスを感じている場合があるため、さらに不満を与えないように細心の注意を払うことが重要です。

復唱すれば聞き間違いをしたときにも訂正してもらえます。電話の音質によっては子音が聞き取りにくくなるので、気になったときには復唱しましょう。D(ディー)とB(ビー)とT(ティー)のように聞き取りづらい言葉が出てきたときには確認すると失敗がありません。

聞き取れないときは聞き返す

相手の言っていることを聞き取れなかったときには聞き直しましょう。周囲がうるさいときは声を聞き取りづらくなります。電話の通信環境が悪いと、言葉が途切れてしまってわからない場合もあります。一言謝罪のクッション言葉を入れて、もう一度話してもらうのが適切な対応です。

笑顔で話すことを心がける

笑顔を意識して折り返しの電話をかけると、相手の印象が良くなります。電話では相手の顔は見えず、声だけがコミュニケーションの手段です。折り返しの電話では申し訳ない気持ちになり、表情が暗くなってしまう場合があります。ただ、電話の場合には表情では申し訳ない気持ちは伝わりません。

むしろ、前向きではきはきとしたわかりやすい声で電話をもらえた方が相手の心証が良くなります。声も自然に明るくなるので、意識的に笑顔を作って電話対応をしましょう。

折り返しの際の会話例

担当者が相手に折り返しの電話をかけるときには定型的な会話方法があります。ここでは折り返し電話対応をするときの会話例を紹介します。

1. 基本的な応答

折り返しの電話の基本的な応答の流れは以下の通りです。

「株式会社××の○○と申します。△△様はいらっしゃいますでしょうか?」

「少々お待ちください。△△におつなぎします。」

「お世話になっております。△△です。」

「株式会社××の○○です。先ほどはお電話に出られず申し訳ございませんでした。今、お時間はよろしいでしょうか?」

相手に電話をつないでもらい、電話に出られなかったことを謝罪します。そして、折り返しの電話をしたタイミングが悪くなかったかを聞いて、電話の要件に入るのが基本です。

2. 折り返しが遅れてしまった場合

折り返しの電話を希望されていたときに、予定よりも遅れてしまったときの対応は丁寧におこなう必要があります。

【遅れて折り返しの電話をしてつながった場合】

「株式会社××の○○と申します。△△様はいらっしゃいますでしょうか?」

「△△ですね。承知いたしました。少々お待ちください。」

「お待たせして申し訳ございません。△△です。」

「○○です。折り返しのお電話が遅くなりまして大変申し訳ございませんでした。お時間がよろしければと思いまして連絡させていただきましたが、ご都合はいかがでしょうか。」

折り返しが遅れて相手に電話がつながらなかったり、営業時間を過ぎたりしてしまう場合もあるので、状況に応じた対応が必要です。電話がつながらなかったときには、留守番電話にメッセージを残します。

「株式会社××の○○です。本日はお電話をいただいたにもかかわらず、折り返しのご連絡もできず申し訳ございませんでした。明日10時にあらためてご連絡させていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。」

折り返しの電話をする時間が適切ではないと判断されたときには、SMSやメールで連絡を入れるのがマナーです。メッセージの内容としては以下のような例が挙げられます。

「株式会社××の○○です。本日はお電話に出られず申し訳ありませんでした。このような時間のご連絡になったことを重ねてお詫びいたします。明日、あらためて電話させていただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。」

3. 折り返しが留守電になった場合

折り返し電話が留守電になった場合にはメッセージを残します。留守電に残すメッセージでは折り返しの電話の要求をせず、再度電話することを伝えるのがマナーです。担当者から伝言がある場合には、メッセージに簡単なコメントを残します。

「株式会社××の○○と申します。先ほどはお電話に出られず、ご迷惑をおかけしております。△△の件につきまして、遅れが生じていて申し訳ございません。お電話のタイミングがよろしくなかったようですので、あらためてご連絡させていただきます。」

電話対応だけでなくSMSもご検討を

電話対応では担当者が不在のときには折り返しの電話を提案するのが基本マナーです。ただ、多数の電話があるとすべてに対応するのは困難になります。電話だけでなくSMSも使用して対応すると効率を上げられます。用件が明確な電話にはSMSで伝えると、相手も都合を合わせて電話に出る手間がなくなるでしょう。また、外出中の担当者にSMSで連絡をして電話をかけてもらうこともできます。SMSを導入して電話の対応力を強化しましょう。

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まとめ

折り返しの電話対応はビジネスではよく求められます。電話を受けた人も担当者もマナーを守って適切な対応をすることが大切です。電話を折り返してもつながらないときもありますが、誠実に対応して相手の印象を良くすることが必要です。不在者からの連絡をスムーズにする方法としてSMSは有効なツールなので、折り返しの電話対応と合わせて活用しましょう。