滞納整理とは?流れや支払い催促をスムーズに行う方法を解説
料金や税金を納付し忘れたときに、督促状が届いたことはないですか? 納期限までに納めなかった場合には、滞納案件に対して滞納整理が行われます。そこで、滞納整理とはどのような業務なのか、業務の流れ、滞納整理の大変さやスムーズに行うコツなどを解説します。さらに、滞納整理にSMSを活用している事例もご紹介しています。SMS送信サービスを検討されているご担当者はぜひ参考にしてください。
目次
滞納整理とは?
滞納整理とは、納期限までに税金や料金が納められなかった場合に滞納者に対して行われる一連の業務です。税金や料金の納付には納期限があります。納期限を経過しても納付されていないと、滞納している状態になります。
滞納整理担当者の仕事は、滞納者に督促状、催告書などで納付を促す案内をした上で、完納に導くことです。基本的には、「完納させる」仕事のほかに、「欠損処理をする」仕事もあります。欠損処理とは徴収が見込めない案件を諦めるときに行う会計処理のことです。欠損処理をすることで、徴収見込みのある案件の方に人員を集中させることができます。限られた人員と時間の中で、最大限の成果を得るためには、欠損処理も必要な仕事です。
税金に関しては、税金の滞納をそのまま放置することは、税負担の公平を欠くことになります。また、財政を圧迫することで行政サービスにも支障が出てくるため、滞納整理の仕事は重要です。
滞納整理を行う流れ
税金を期限までに納めなかった場合、延滞金が徴収されます。さらに、滞納整理が以下の手順で進められていきます。
流れ①督促
滞納整理担当は、滞納者に対して「督促」を行います。督促状は納期限後20日以内に滞納者に送付されます。「早急に納めてください」という案内の文書ですが、法的には大きな意味を持ちます。
流れ②催促
滞納者が督促に応じず、完納しない場合は、催告状を滞納者に送り、納付の催告をします。
流れ③財産調査
催促にも応じなかった場合は、徴税吏員(市税収納課職員)が滞納者の「財産調査」を行います。
流れ④差押
調査で確認できた財産の差押を執行します。差押を受けた場合、たとえば、預金や売掛金を引き出すことができず、給与は一定額が強制徴収されます。不動産は登記簿に差押のことが記載されるため、その他の債権者が知ることになります。
流れ⑤換価・充当
差押を行った財産は、その後換金または充当して完納に導きます。差押できる財産がない場合は、徴収が見込めないため、「滞納処分の執行停止」を判断した後に徴収を諦める欠損処理を行うことが必要です。
滞納者から相談があった場合は、分割納付に応じます。また、滞納金額や期間に応じては、法令に沿う形で「納付折衝」というやりとりを行うこともあります。具体的には、早期の完納を望んでいる徴収職員の要望と、「すぐに納付することはできない」という滞納者側の意向に沿って、折り合いをつけることになります。
滞納整理の大変さ
滞納整理の仕事は、「法律通りに行えばいい」と思われるかもしれませんが、実際にこの仕事をしていると、滞納者に泣きつかれたり、ときには怒鳴られたりすることもあります。無感情になって対応できればよいですが、人間には感情があります。自治体職員になったのは、誰かを苦しめたいわけではないという思いがどの職員にもあり、その点で催促をかける側としての大変さがあるようです。滞納整理が進まないと、職員の心まで壊れてしまい、中には精神的に病んでしまう職員も少なくありません。
ある担当職員が日頃から付き合いのある近所の方の財産を差し押えたところ、その後担当職員の住居や庭に何者かが嫌がらせをするということが起きました。法令に基づいて落ち度なく職務を執行しているのに、担当職員が受ける精神的ダメージは想像以上に大きいようです。
滞納整理をうまく行うコツ
長年にわたり、さまざまな債権の滞納整理の業務に従事した経験のある方のお話の内容から、滞納整理をうまく行うコツについてまとめましたので、参考にしてください。
まず、滞納整理とは、よどんでいる川をきれいにする仕事と捉えることです。滞納は、いわばその川のよどみです。よどみを放置しておくとどんどん積もっていき、川が汚れるだけでなく、流れも悪くなります。流れをよくするには、そのよどみを取り除く必要があります。よどみを取り除くにはどうしても川に入らなければなりません。川は冷たく、全身がひどく汚れることもあるでしょう。しかし、必死で頑張ったその先に、スッキリとよどみなく流れている川を眺められたら、達成感と充実感に満たされ、一緒に頑張ってきた仲間と苦労をねぎらえることを考えると、どんなにすてきなことかと感じられます。
以下に、滞納整理の社会的な価値を列挙しましたので参考にしてみてください。
- 財源を確保することで継続的でより良い公共サービスが提供できる
- 頑張っている人が報われる社会を創れる
- 地方自治体の信頼、信用を確保できる
- 滞納者が一市民として地域や社会とのつながりを保てるように導ける
参考:https://jichitai.works/article/details/1024
滞納整理にはSMSを利用すると便利
各自治体は税金の滞納者への対応に苦心している中、滞納者への連絡にSMSを活用し始めています。スマホなどの通信機能には、通話や電子メールなどのほかに、SMSもありますが、特に、SMSはスピーディ―に確実に通知できるため、督促などで利用すると便利です。SMSは電話番号さえわかれば、携帯電話へ送信できるため、すぐに見てもらえる可能性が高いことは大きなメリットといえます。SMSを利用することで、未払金の回収率に効果が見られたという事業者も少なくありません。
滞納整理におけるSMSの活用事例
さまざまな業界で滞納整理にSMSが活用されています。業界別に滞納整理の改善事例をご紹介します。
クレジットカード業界
クレジットカード会社では、ローンの申し込みなどで申請した内容に不備が見つかった際は、まず顧客に電話をします。電話がつながらないときにはメールを送信し、顧客へ折り返しの電話を依頼していましたが、もっとスムーズに連絡できる手段が欲しいという課題がありました。そこで、SMSを利用すると、不備内容を迅速に確認してもらうことができ、契約を完了できない状態が続くことを解消できるようになりました。
電気・ガス業界
インフラ業界では、点検や修理の連絡、料金支払いの督促など、連絡事項が多数存在しています。しかし、お知らせを送っても利用者に見てもらえなかったり、電話やメールで連絡がつかなかったりなどが課題となっていました。そこで、SMSで事前連絡やリマインドをしたところ、点検や工事の訪問当日の不在率が下がり、また、口座振替やクレジットカードの登録内容の不備などを伝えられ、登録の手続きがスムーズになりました。
ジム・フィットネス業界
健康ブームの高まりの中、ジムやフィットネスの利用者が増えていますが、連絡事項があっても、日中に電話に出てもらえず、メールも見てもらっているのかもわからず、スタッフの手間だけが増えていることが課題となっていました。たとえば、時短要請により営業時間を短縮し、スタッフの人数を絞っている旨をホームページに掲載したり、メールで知らせたりしても、実際には見ていない利用者が多く、休業時間に来店した利用者からのクレームを受けてしまうケースもありました。そこで、SMSで配信したところ、到達率や開封率が高く、メッセージを見てもらいやすくなりました。また、一斉に送信できるため、工数やコスト面でも有効でした。
地方自治体
地方自治体から住民への案内は郵送や電話によるお知らせが中心でしたが、住民からのレスポンスがないことが課題となっていました。たとえば、住民税などの滞納者へ納付催告を実施しても、連絡がなかなか取れないケースが少なくありません。そうした連絡がつかない人たちにSMS配信サービスで納付を催告したところ、高い反応率が得られ、滞納者の多くから自主納付がありました。
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まとめ
滞納整理は、税金や料金が納期限内に納付されなかった場合に行われる業務です。滞納整理は、督促、催促、財産調査、差押と進められ、差押になった財産を換金または充当することで完納に導きます。滞納整理の仕事は、滞納者から怒鳴られることもあり、大変苦労する仕事ですが、社会的に価値のある仕事として捉えることが大切です。督促・催促をスムーズに行うために、SMSを活用することも選択肢の一つです。実際に、さまざまな業界でSMS送信サービスを導入したことで、改善が見られています。