はがきの値上げは2024年10月1日から!企業のとるべき対応とは?
日本郵便株式会社の発表によって、はがきなどの郵便料金が値上げされました。今回の値上げは過去の事例と比較しても大幅な値上げで、はがきによるマーケティングの費用対効果を再考する必要性が生じています。この記事では、はがきの料金が値上げになった時期や値上げの原因、今後の展開を考慮して企業におすすめの対策をまとめました。はがきをマーケティングに活用してきた企業もパラダイムシフトをして、今後の社会に適応しましょう。
目次
はがきの値上げは2024年10月1日から
はがきは2024年10月1日(火)に値上げされました。第二郵便物に該当するはがきの価格は以下のように値上げになっています。
はがきの種類 | 9月30日まで | 10月1日以降 | 値上げ幅 |
通常はがき | 63円 | 85円 | 22円 |
往復はがき | 126円 | 170円 | 44円 |
はがき以外の郵便物についても郵送料金の値上げが同じタイミングで実施されました。30年ぶりの大きな郵便料金の値上げで、通常はがきでは約35%の値上げになっています。
参照:内国郵便料金
https://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2024/00_honsha/0613_01_02.pdf
そのほかの郵便料金の値上げの内容
定形郵便物(第一郵便物)
定形郵便物もはがきと同様に値上げされました。従来は定形郵便物の重量によって料金が違っていましたが、2024年10月1日の改定によって重量によらずに一律の料金になっています。25g以下の軽い郵便物を定形郵便物で送るときの費用は、今回の料金改定によって特に大きな値上げになりました。
種類 | 9月30日まで | 10月1日以降 | 値上げ幅 |
25gまで | 84円 | 110円 | 26円 |
50gまで | 94円 | 110円 | 16円 |
レターパック・速達
レターパックや速達による郵便では大幅な値上げが実施されました。最短期間で相手に郵便物を届けたいときには大きなコストアップになります。
種類 | 9月30日まで | 10月1日以降 | 値上げ幅 | |
レターパックプラス | 520円 | 600円 | 80円 | |
レターパックライト | 370円 | 430円 | 60円 | |
スマートレター | 180円 | 210円 | 30円 | |
速達 | 250g以内 | 260円 | 300円 | 40円 |
1kg以内 | 350円 | 400円 | 50円 | |
4kg以内 | 600円 | 690円 | 90円 |
定形外や特殊取扱等の郵便物
定形外郵便や特殊取扱料は据え置きの項目もありますが、全体としては値上げになりました。定型外郵便の料金は以下のように値上げされています。
種類 | 9月30日まで | 10月1日以降 | 値上げ幅 | |
定形外郵便物(規格内) | 50gまで | 120円 | 140円 | 20円 |
100gまで | 140円 | 180円 | 40円 | |
150gまで | 210円 | 270円 | 60円 | |
250gまで | 250円 | 320円 | 70円 | |
500gまで | 390円 | 510円 | 120円 | |
1kgまで | 580円 | 750円 | 170円 | |
定形外郵便物(規格外) | 50gまで | 200円 | 260円 | 60円 |
100gまで | 220円 | 290円 | 70円 | |
150gまで | 300円 | 390円 | 90円 | |
250gまで | 350円 | 450円 | 100円 | |
500gまで | 510円 | 660円 | 140円 | |
1kgまで | 710円 | 920円 | 210円 | |
2kgまで | 1,040円 | 1,350円 | 210円 | |
4kgまで | 1,350円 | 1,750円 | 400円 |
特殊取扱料は据え置きされている項目もありますが、値上げされた項目を挙げると以下の通りです。
特殊取扱料の種類 | 9月30日まで | 10月1日以降 | 値上げ幅 | |
速達料 | 250g以内 | 260円 | 300円 | 40円 |
1kg以内 | 350円 | 400円 | 50円 | |
4kg以内 | 600円 | 690円 | 90円 | |
配達時間帯指定郵便料 | 250g以内 | 340円 | 440円 | 100円 |
1kg以内 | 440円 | 570円 | 130円 | |
4kg以内 | 710円 | 920円 | 210円 | |
配達日指定郵便料 | 土日や休日の指定 | 210円 | 270円 | 60円 |
上記以外 | 32円 | 42円 | 10円 | |
巡回郵便料 | 同一の都区・市区町村内 | 470円 | 610円 | 140円 |
上記以外 | 750円 | 970円 | 220円 | |
代金引換取消料・引き換え代金の変更料(配達前・交付前・発送準備完了前でない場合) | 580円 | 750円 | 170円 |
参照:内国郵便料金
https://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2024/00_honsha/0613_01_02.pdf
第三種郵便物・第四種郵便物・書留
第三種郵便物・第四種郵便物については料金の変更はありません。書留も一般書留、現金書留、簡易書留についてすべて値上げの対象になっていません。例えば、一般書留・現金書留は480円、簡易書留は350円です。
参照:国内郵便料金等早見表
https://www.post.japanpost.jp/service/2024fee_change/charge.pdf
ゆうパック・ゆうパケット・ゆうメール
ゆうパック・ゆうパケット・ゆうメールは2024年10月1日の値上げの対象になっていません。ただし、ゆうパケット・ゆうメールの受取人払や着払などの手数料は郵便料金の値上げに準じて変更されています。
郵便料金値上げの早見表はこちらから
関連リンク:【2024年10月1日から】郵便料金の値上げを早見表で解説!変更点・対策も紹介
https://sms.supership.jp/blog/sonota/240711/
なぜはがきの郵便料金が上がるのか
燃料費の高騰
はがきの郵便料金が値上げされている理由として、世界的な燃料費の高騰の影響があります。エネルギー市場価格は、天然ガス、原油、石炭などのエネルギー資源の産出国であるロシアによるウクライナ侵攻などの影響を受けて高騰しています。集配運送をしなければならない郵便事業にとって、燃料費の高騰は収支に大きな影響があるため、はがきなどの郵便料金を値上げしなければ立ち行かない状況となっています。
参照:資源エネルギー庁 世界的なエネルギーの需給ひっ迫と資源燃料価格の高騰
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2023/html/1-2-1.html
郵便物数の減少
デジタル化・IT化等の影響を受けて郵便物数が減少しているため、はがきなどの郵便の費用を値上げしなければ、サービスを維持できない状況があります。国内の郵便数は、ピークだった2001年度から2023年度にかけて48.3%も減少しました。22年間で、262億通から136億通まで減っています。年平均で約3.0%の減少になっていて、郵便サービスを提供するための収益を得るのが困難になりつつあります。
参照:グルーブワークス「郵便物取扱数の推移」
https://grooveworks.co.jp/postal-charge-trends/
参照:日本郵政 郵便事業の現状と今後の見通しについて
https://www.soumu.go.jp/main_content/000956505.pdf
はがきの郵便料金の推移
はがきの郵便料金は消費税の増税などのタイミングで見直されてきました。はがきや定形郵便の郵便料金が改訂された日と料金は以下の通りです。
はがきの郵便料金の改定日 | はがきの料金 | 定形郵便(25gまで) |
1981年1月20日 | 30円 | 60円 |
1981年4月1日 | 40円 | 60円 |
1989年4月1日 | 41円 | 62円 |
1994年1月24日 | 50円 | 80円 |
2014年4月1日 | 52円 | 82円 |
2017年6月1日 | 62円 | 82円 |
2019年10月1日 | 63円 | 84円 |
2024年10月1日 | 85円 | 110円 |
2024年10月1日のはがきの値上げは過去にない大きな改定です。はがきに限ったことではありませんが、郵送料金の負担を考慮して今後の施策を検討する必要があります。
参照:郵便法施行規則の一部を改正する省令案及び民間事 業者による信書の送達に関する法律施行規則の一部 を改正する省令案
https://www.soumu.go.jp/main_content/000917847.pdf
郵便料金の値上げが企業に与える影響
はがきなどの郵便料金の値上げは、企業活動に多大な影響を与える要因です。普通はがきや往復はがきなどによってDMを送付している場合は、由々しき問題です。定形郵便や定形外郵便、レターパックなどを使用して請求書やパンフレットなどを送付しているケースでも、コストが増大します。郵便を利用している企業は、はがきに限らず、他の郵便についても値上げが続いていることを考慮して今後の対応を検討する必要があります。
企業の増大コストのシミュレーション
企業での郵送にかかるコストの増大をシミュレーションした結果を紹介します。以下のように今回の値上げによって、月間で莫大なコストが発生する可能性があります。
はがきの種類 | 1ヶ月間の通数 | 値上げ前の郵送料 | 値上げ後の郵送料 | 値上げによる差額 |
通常はがき | 100通 | 6,300円 | 8,500円 | 2,200円 |
1,000通 | 63,000円 | 85,000円 | 22,000円 | |
5,000通 | 315,000円 | 425,000円 | 110,000円 | |
定形外郵便(規格内、50g以内) | 100通 | 12,000円 | 14,000円 | 2,000円 |
1,000通 | 120,000円 | 140,000円 | 20,000円 | |
5,000通 | 600,000円 | 700,000円 | 100,000円 | |
定形外郵便(規格内、500g以内) | 100通 | 39,000円 | 51,000円 | 12,000円 |
1,000通 | 390,000円 | 510,000円 | 120,000円 | |
5,000通 | 1,950,000円 | 2,550,000円 | 600,000円 |
コスト削減のために企業の取るべき対応
はがきなどの郵送費用の値上げに対して、企業はコスト削減の施策を検討することが重要です。以下の施策は今後を鑑みて有効な対応方法です。
- 電子メール・SMSを活用する
- 会計ソフトを導入する
- カタログやパンフレットの電子化をする
電子メール・SMSを活用する
今まではがきで送付していた内容を電子メールやSMSで送付すればコスト削減になります。はがきは紙媒体として残るのはメリットですが、相手に届くまでに数日かかるのでタイムリーな情報は届けられません。電子メールやSMSなら送信した直後に届きます。電子メールなら送信にかかる費用は実質的にはゼロです。SMSでは文字数によって違いますが、数円~数十円で送信できます。はがきよりも早くてコストも抑えられる方法であるため、電子メール・SMSの導入を考えましょう。
会計ソフトを導入する
会計ソフトの導入によって、はがきで送付していた書類をデジタル化するとコストを削減できます。請求書や領収書などのさまざまな書類を会計ソフトで作成して、電子化した上で、取引先に交付することが可能です。会計ソフトの中には、勤怠管理や給与計算などと連携しているサービスもあります。給与明細書や源泉徴収票などの書類も、はがきを使用せずにシステム上で社員に確認してもらうことが可能です。会計ソフトは、業務効率を上げるツールとしても役立つため、活用しましょう。
カタログやパンフレットの電子化をする
カタログやパンフレットを顧客に定期的に郵送している場合には、電子化すればコスト削減になります。カタログやパンフレットは顧客に郵送すると見てもらえる可能性がありますが、送付するためには、制作だけでなく印刷や製本にもコストもかかるのがデメリットです。デジタルコンテンツとして用意して、メールやSMSなどでリンクを送付すればコストパフォーマンスが高い営業やマーケティングができます。
はがきや請求書、カタログを電子化するメリット
電子化によって紙媒体だったはがきや請求書、カタログなどを電子化すると以下のようなメリットがあります。
- コストが削減できる
- 郵送対応の手間が省ける
- 閲覧データの収集が可能になる
- 情報の更新が簡単にできる
- 顧客の利便性が向上する
コストが削減できる
はがきで伝えたいコンテンツや請求書、カタログなどを電子化すると、コストを減らすことができるのがメリットです。デジタルコンテンツにすれば、URLリンクを送付するだけで顧客が確認でき、はがきの印刷代やカタログの製本代などがかかりません。はがきを送付するときには送り先の顧客数に比例する印刷費用がかかりますが、電子化すれば何人に送付しても費用が変わりません。多くの顧客にマーケティングをするときには、電子化することにより、特に大きなコスト削減になります。
郵送対応の手間が省ける
電子化をすれば、はがきなどを郵送する業務にかかる手間が省けます。郵送対応をアナログでおこなっていると、送付するまでに細々とした作業が必要です。例えば、請求書や見積書などの送付を例にすると以下のようなプロセスで送付します。
- 書面の作成
- 印刷・封入
- 宛名の記載
- 郵送手続き
郵送手続きでは、送付にかかる期間や郵送物の重量、大きさによって適切な方法を選ぶ必要があります。はがきの送付の場合にも圧着はがきにするか、往復はがきにするかといった考慮が必要です。種類と送付方法によって必要な料金を算定し、切手を貼って投函する、あるいは郵便局に持ち込むか集荷を依頼して送らなければならないため、電子化することにより、こうした手間が省略できます。
閲覧データの収集が可能になる
カタログやパンフレットなどを電子化すると、閲覧データを収集できるのがメリットです。カタログやパンフレットを用意したWebページにトラッキングタグを設置すれば、閲覧回数や閲覧状況を計測できます。閲覧ログに基づき、カタログで見られている商品を確認したり、パンフレットの内容を改善したりすることが可能です。はがきでは、顧客が読んでくれたかどうかがわかりませんが、電子化すれば顧客のアクションがわかるのでマーケティングに生かせます。
情報の更新が簡単にできる
電子化すると、最新の情報を伝えやすくなります。例えば、カタログでは商品の追加や価格の改定などがあったとき、紙媒体ではすぐに最新情報を伝えられません。新しいカタログを作成し、印刷・製本して送付する必要があるからです。しかし、カタログを電子化すれば、顧客に送付したリンク先の電子カタログの内容を更新することで最新情報を提供できます。最新の製品やサービスの情報を伝えて販促につなげるときにも簡単です。
顧客の利便性が向上する
書類の電子化はさまざまなシーンで利用できるため、顧客の利便性を向上させる施策になります。例えば、請求書や納品書などを送付する際には、はがきや封書で送付すると到着までに1日以上かかりますが、PDFで作成して送付すればタイムラグなく速やかに届きます。パンフレットやカタログなども最新の情報がいつも手に入れば顧客満足度が高まるでしょう。電子化は顧客に新しい情報を最短時間で提供できるので重要な取り組みです。
多機能のSMS送信サービスならKDDI Message Cast for DXハガキ
はがきの値上げを受けて、企業が対策を立てるにはKDDI Message Cast for DXハガキがおすすめです。KDDI Message Cast for DXハガキは、はがきで送付していた情報をデジタルコンテンツに変換するサービスです。はがきの送付内容をWebページとして生成し、SMSでリンク先のURLを送付する仕組みです。
KDDI Message Cast for DXハガキを導入すれば、1通10円から利用できるSMSを活用して低コストで高速な情報の伝達ができます。また、印刷費などのはがきの作成に付帯する費用も抑えられます。さらに双方向コミュニケーションが可能で、既存システムとの連携も可能な多機能ツールであるため、活用してみましょう。
▼KDDI Message Cast(KDDIメッセージキャスト)詳しくはこちら
https://sms.supership.jp
▼KDDI Message Cast for DXハガキについてはこちら
https://sms.supership.jp/service/other/dx_hagaki/
まとめ
はがきは安価で顧客にアプローチしやすいDMとして活用されてきましたが、値上げによって費用対効果の評価・検討が必要になっています。2024年10月1日のはがきの大幅な値上げは、はがきをマーケティングに活用してきた企業にとっては痛手です。今後も燃料費の高騰や郵送の需要低下によって、料金が上がる可能性があります。この機会にDXをするのがおすすめです。SMSは導入しやすく、顧客からも受け入れられやすい方法なので検討してみてください。