CPaaSとは?導入メリットやできることを詳しく解説
CPaaSはビジネスコミュニケーションの多様化に伴って注目されるようになりました。業務の効率化や品質向上のためにCPaaSの導入を検討していることも多いでしょう。この記事ではCPaaSの導入によって得られるメリットを詳しくご紹介します。
目次
CPaaSとは何か
PaaS とは、ビジネスコミュニケーションのサービスをAPIによって利用できるクラウドサービスです。CPaaSはCommunication Platform as a Serviceの略称で「シーパース」とも呼ばれます。音声通話、ビデオ会議、SMS(ショートメッセージ)、IVR(自動応答システム)などの複数チャネルを連携して使用できます。
一般的なクラウドサービスとの違い
一般的なクラウドサービスは、パッケージ化された特定のサービスを導入して利用する仕組みになっています。ビデオ会議システムやSMS送信サービスなどの個々の機能について、個別に契約する必要があります。
CPaaSはコミュニケーションに特化したプラットフォームとして複数チャネルにまたがってサービスを提供しています。一つの契約で音声通話とSMSといった複数のチャネルを同時に導入可能です。必要な機能を選択してサービスを導入することも可能で、カスタマイズ性が高くなっています。CPaaSはクラウドサーバーを通して提供される点は一般的なクラウドサービスと同じで、自社のサービスに組み込むこともできます。
UCaaSとの違い
UCaaSとは、音声やテキスト、映像などの通信機能を搭載した統合コミュニケーションサービスです。Unified Communications as a Serviceの略称で、クラウドサービスとして提供されています。UCaaSはコミュニケーションに使用されるツールをひとまとめにして提供しているワンストップソリューションのサービスです。
CPaaSはUCaaSとは異なり、カスタマイズ性が高くなっています。APIとして自社で使用しているシステムと連携させたり、必要な機能だけを選んで導入したりできるのがCPaaSの特徴です。UCaaSの場合には通信機能のあるツールを導入し、ソフトウェアとして利用するのが一般的です。
CPaaSが必要とされている背景
CPaaSが注目されているのはIT活用による業務効率化が活発に進められていて、ビジネスコミュニケーションのあり方として新しい通信技術の利用が一般的になったからです。IT革命の当初はメールによる連絡くらいしか新しいコミュニケーションの選択肢はありませんでした。しかし、現在ではビデオ通話による電話会議やオンライン面談、SMSによる情報提供なども行われています。通信技術の多様化に対応するための技術としてCPaaSが必要になっています。
CPaaSの導入メリット
CPaaSは通信技術の導入を柔軟に行えることが特徴です。ここではシステムを導入するメリットを詳しくご紹介します。
様々なコミュニケーション手段を選択できるようになる
CPaaSを導入すると多様化するコミュニケーション手段に柔軟に対応できるようになります。メール、SMS、チャットなどさまざまな手段で顧客とのコミュニケーションを取れる体制を整えられます。音声だけでなくテキストや画像なども組み合わせられるため、正確な情報を顧客に伝えやすいこともメリットです。顧客ニーズに合わせて通信手段を選べるので、CPaaSの導入は顧客満足度の向上にもつながります。
システム構築・保守にかかる工数を削減できる
CPaaSは一元的にコミュニケーションシステムを導入して管理できるため、システムの構築や保守にかかる工数を削減可能です。音声通話やSMSなどのさまざまなコミュニケーションツールを個別に導入した場合、個々に管理する必要があります。全体を連携させるには運用方法に合わせたシステム設計もしなければなりません。CPaaSは多数のコミュニケーションチャネルを同時導入して運用することを前提としてシステムが作られているので、システム構築も保守も比較的容易です。
業務の効率化によりDX推進になる
CPaaSはDX推進に有効なツールです。CPaaSはコミュニケーションツールとして多岐にわたる応用が可能できます。顧客とのコミュニケーションだけでなく、社内でのコミュニケーションにも活用可能です。コミュニケーションシステムを一元化することで管理負担を軽減し、エンジニアの業務を効率化することもできます。CPaaSは必要な機能を選択して導入できるため、自社の事業や業務に合わせてDXを進められるのもメリットです。
カスタマイズ性が高い
CPaaSを導入すれば、一つの契約だけで柔軟にコミュニケーションチャネルのカスタマイズができます。必要な機能を順次取り入れ、不要な機能は解除して運用することが可能です。APIによって他のシステムと連携させられるため、既存のシステムを有効活用できるメリットもあります。CPaaSは新しいコミュニケーション手段を試験導入しやすいのも特徴です。期間限定で導入して効果測定を行い、本格導入の可否を検討することができます。
CPaaSの導入でできること
CPaaSの導入はビジネスの課題解決や業務の効率化に広く利用可能です。ここではCPaaSによって実現できることの代表例を紹介します。
コールセンターのシステム構築
CPaaSを導入すれば柔軟性の高いコールセンターのシステムをスムーズに構築できます。複数のチャネルに対応できるコールセンターの構築をする際、複数のベンダーとやり取りをしていると時間も手間もかかります。CPaaSなら一元的に複数のチャネルに対応するシステムを導入可能で、複数のコミュニケーション手段を併用できるため、多様な顧客ニーズに応えられるコールセンターを作り上げられます。
システム障害の検知
安定した通信の実現にはシステム障害対策が必要です。CPaaSは複数のチャネルに対応しているため、システム障害を検知して通知しやすいシステムです。例えば、ネットワーク障害によってメールやチャットが使えない状況になったとしても、電話やSMSの状況を通知できます。システム障害を検知した時点で速やかに担当者に通知して対応を開始することが可能です。迅速なトラブルシューティングができるのはCPaaSのメリットです。
予約のリマインド
CPaaSは予約のリマインドに適しています。レストランやクリニックなどの予約をした顧客に対して、CPaaSを通して複数のチャネルからリマインドできます。メールで予約完了の通知を行い、当日にはSMSで連絡するといったアプローチが可能です。社内でも予約業務の担当スタッフにリマインドできます。顧客が忘れていて来店しなかった、社内担当者が顧客の予約に対応できなかったといったトラブルを減らすことが可能です。
順番待ちしている利用者の呼び出し
順番待ちをしている利用者への連絡方法としてCPaaSを活用できます。店舗に来店して順番待ち中の利用者に電話番号、メールアドレス、LINEなどの希望する連絡手段を登録してもらい、順番が来た時点で自動連絡をすることが可能です。顧客にとっては待合室で待つ必要がなく、希望する方法で連絡をもらえるメリットがあります。店舗としても広い待合室を用意する必要がなくなることに加え、待っている顧客の管理コストも削減できるのが魅力です。
マルチチャネルでのマーケティング
CPaaSを導入すればマーケティングをマルチチャネルで展開できます。メルマガやDM、SMSなどを活用して手広くマーケティングできる基盤を整えることが可能です。CPaaSは自社で運用しているシステムとの連携が可能なので、CRMの顧客データを生かしてスムーズにマーケティングを開始することもできます。顧客とのコミュニケーション手段を増やし、個々の顧客に合わせた方法でマーケティングを進められるようになります。
CPaaSの今後の展望
CPaaSはビジネスコミュニケーションの多様化を受けてニーズが高まっています。SMSやチャットによる通信だけでなく、AIを搭載したチャットボットや音声認識などの技術も必要とされています。ITやAIの技術が向上すると新しいコミュニケーション手段が生まれるため、企業としては対応を求められることになるでしょう。
CPaaSはコミュニケーションに特化した柔軟性のあるサービスです。企業のコミュニケーション課題を解決するソリューションとして導入しやすく、最新の技術を必要なタイミングですぐに取り入れられるメリットがあります。今後もコミュニケーションの多様化に対応するための手段としてCPaaSの活用が進むものとみられます。
ユーザーとのコミュニケーションはSMSの利用がおすすめ
ビジネスコミュニケーションではユーザーとのやり取りが重要です。CPaaSはチャネルを増やす上では有効ですが、顧客によって適切なチャネルは異なります。ユーザーの特性に応じて必要なチャネルを選んで導入するとコストパフォーマンスを上げられます。SMSはユーザーとのコミュニケーション手段として活用できるのでおすすめです。SMSはスマートフォンで通知設定をしていることが多いため、タイムリーに情報を提供できます。到達率が高くて信頼性がある方法なので活用しましょう。
法人向けSMS送信サービスなら「KDDI Message Cast」
SMSの導入ではCPaaSも利用できますが、SMSに特化した送信サービスを選ぶという選択肢もあります。KDDI Message CastはSMS送信に必要な機能が整えられていて使いやすいサービスです。CPaaSの導入では多様な機能を同時に取り入れなければならないのが現場にとって負担になる場合があります。SMS送信サービスの導入だけで業務の効率化やDX化が目指せるのであれば、比較的低コストで導入でき、現場に受け入れられやすいためおすすめです。
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まとめ
CPaaSとはビジネスコミュニケーションのツールをAPIによって導入できるプラットフォーム型のクラウドサービスです。多様化が進むコミュニケーションのあり方に柔軟に対応できるので導入が進められています。CPaaSは一つの契約でまとめてツール導入を行えますが、課題解決においては多様な機能を同時に導入する必要がないこともあります。一般的なクラウドサービスでもAPI連携が可能な場合があるため、課題解決の費用対効果が高いサービスを選びましょう。