ダイレクトメール(DM)の効果的な活用方法 特徴や作り方を徹底解説
ポスティングや新聞の折り込みチラシと同じく、様々な企業が採用している販促手法「ダイレクトメール(DM)」。ターゲットに適した内容のアプローチをピンポイントで行えることが大きなメリットですが、十分な成果を上げるにはコツが必要です。今回はダイレクトメールの作成方法をステップ形式で解説する他、より効果的なメールを作り上げるためのコツもご紹介します。
目次
そもそもダイレクトメール(DM)とは?
ダイレクトメールとは個人宛に「あなたのために届けられた文書」という形で送信される送付物です。はがきや封書が昔からよく用いられていて、メールやアプリ通知によるダイレクトメールも増えてきています。ダイレクトメールを受け取った側の顧客としては、自分のために送られてきたものというイメージがあるため、マーケティング手法として活用されています。
ダイレクトメールの主な特徴
ダイレクトメールは商品やサービスの宣伝や顧客フォローなどのさまざまな目的で使用されます。ダイレクトメールに共通している特徴は個人宛てで、個別化された内容のコンテンツを送付する点です。不特定多数をターゲットとする広告やメルマガなどのマーケティングとは異なり、送付を受けた顧客に特別感を与えられます。自分のために送られてきた送付物なので開封して中身をチェックしようという意欲も湧きやすいのがダイレクトメールの特徴です。
ダイレクトメールに効果はある?
ダイレクトメールは、インターネットが発達する前から多く使われていた販促手法です。WEB広告が盛んに活用される現代では「少し遅れた手法なのでは?」とイメージする方も多いことでしょう。
しかし、ダイレクトメールは数ある販促手法の中でも際立って高い到達率・反応率を誇る手法と言えます。JDMAの調査によると、ダイレクトメールの開封率は2018年の時点で70%を超えているとの結果が出ました。同時に、反応率は20%を超えているとのデータもあります。
このように優れた結果を残せるのは、ダイレクトメールならではのメリットが理由として挙げられます。
参考:広告メディアとしてのDMの現状|一般社団法人日本ダイレクトメール協会(JDMA)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000585316.pdf
▼ダイレクトメール(DM)について詳しくはこちら
https://sms.supership.jp/blog/sms/dm_kaifuritsu_ageru
ダイレクトメール(DM)を送るメリット・デメリット
ダイレクトメールには独自のメリットがあるため、WEB広告が盛んな現在もなお採用する企業は多いです。その一方でデメリットも潜んでいるため、どちらも把握しておきましょう。
メリット
ダイレクトメールを送付することのメリットは、以下の通りです。
・新規顧客の獲得率上昇に期待できる
・休眠顧客を呼び戻しやすい
・効果測定がしやすい
ダイレクトメールは住所やメールアドレスといった情報さえ分かれば直接的に商品やサービスをアピールできるため、見込み顧客からの高い反応率に期待ができます。
また、ダイレクトメールは顧客に合わせて内容を変えられることもメリットのひとつです。見込み顧客や継続的に利用してくれている既存顧客、休眠顧客といった属性に合わせて適切な営業活動が行えます。
送付後は、マーケティング施策を立てるうえで有用な反応率・購買率・リピート率といったデータを比較的簡単に収集できることも嬉しいポイントです。
デメリット
ダイレクトメールのデメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
・ターゲットの情報収集に手間がかかる
・メール作成に時間やコストがかかる
・開封したくなるようなメールを作る必要がある
ダイレクトメールを送る場合、送付先となるターゲットの個人情報を事前に収集する必要があります。利用目的を明確に示したうえで、メールを送ることに同意を得る必要があるため企画から送付までに時間や手間がかかります。
また、ダイレクトメールを送ったとしても内容を見てもらえなければその後のリアクションは望めません。ターゲットの関心を引くようなメールに仕上げる必要があるため、必ずしも簡単な手法とは言い難いです。
ダイレクトメール(DM)を送る方法
ダイレクトメールを送る方法としては、以下の2つが挙げられます。
自分で作成する
デザインソフトなどのツールを活用し、テキスト・画像素材・レイアウトを自分で決めて作成する方法です。自分がイメージしたものを忠実に再現できる方法ではありますが、クリエイティブ性やツールを使いこなすスキルが必要となるため注意が必要です。
無料で利用可能なテンプレートも様々なサイトで配布されていますが、すでに決められたフォーマットを埋めていく仕組みとなっているため自由度は下がります。
業者へ依頼する
「自分で作成することはハードルが高いけれど、クオリティにはこだわりたい」という方は専門の業者に作成を依頼することをおすすめします。料金はかかりますが、プロの手で仕上げてもらえるため自分で作成した場合よりもクオリティに期待ができます。
効果的なダイレクトメール(DM)の作り方4STEP
ダイレクトメールを送るにあたって、より高い反応率・購買率を狙えるようなメールを作る必要があります。以下のステップを押さえつつ、効果的なダイレクトメールに仕上げましょう。
ステップごとの具体的な方法について、以下より解説していきます。
STEP1. ターゲットや目的を明確にする
ダイレクトメールを企画するにあたって、「誰に送るのか?(ターゲット)」「なぜ送るのか?(目的)」を明確にする必要があります。
ターゲットの場合、年齢・性別・家族構成・居住地などパーソナルな設定を作ってターゲットのイメージを描けば、おのずと効果的なメールの内容も考えやすくなります。
ダイレクトメールを送る目的も、内容に大きく影響する要素です。「新商品の案内をしたい」「セールの告知をしたい」など様々な目的があると思いますが、できるだけ1つに絞りましょう。多くの情報を詰め込むと、ターゲットは読みにくさを感じて目を通す前に破棄してしまう可能性が高まります。
STEP2. 文章を考える(例文もご紹介)
ターゲットと目的を定めたら、実際に送付するダイレクトメールの文章を考えます。設定したターゲットの目線に立って、購買意欲を刺激する文章に仕上げましょう。
とはいえ、いきなり本文から考え始めるとまとまりがなくなったり、アピールポイントが伝わりにくくなってしまいます。一般的なダイレクトメールの文章は以下の構成で成り立っているため、ひとつずつ押さえていきましょう。
①キャッチコピー
②時候の挨拶
③商品・サービス紹介
①キャッチコピーの書き方
ダイレクトメールを受け取ったターゲットは、一目見て興味を引かれるような内容でなければすべてを読まずにメールを破棄してしまう場合が多いです。そのため、メールの中でもっともアピールしたいことを強調しつつ、ターゲットの興味を刺激する一言を考える必要があります。
アピールポイントによって表現の仕方は異なるため、以下の例文を参考に最適なキャッチコピーを考えましょう。
アピールポイント | 例文 |
安さ・価格 | ・今だけ○%OFF・初期費用無料・業界最安 |
即時性 | ・わずか〇日で××!・あっという間に〇〇できる |
簡易性 | ・〇〇が苦手でも大丈夫!・〇〇するだけで××になる |
新しさ | ・業界初〇〇・新しい〇〇 |
限定性・レア感 | ・限定〇個販売・先着〇名様まで・今なら〇〇 |
話題性 | ・売上(満足度)No.1!・〇〇(芸能人)も愛用・〇〇(テレビ番組)で紹介された×× |
特別感 | ・会員様限定・今ご登録いただいたお客様だけに××・新規入会特典 |
損失の回避 | ・まだ○○に高い費用を支払い続けますか?・効果がなければ即返金 |
意外性 | ・〇〇は××だと思っていませんか?・〇〇なのに××! |
②時候の挨拶の書き方
ターゲットの興味を引くキャッチコピーが完成したら、本文の冒頭となる挨拶文を作ります。挨拶から入ることにより、ターゲットは自分に語りかけられていると実感してよりメールの内容に注目するようになります。
「突然のご連絡失礼いたします」や「〇〇のご案内」などの形式的な言葉遣いよりは、親しみやすさを感じる言葉遣いの挨拶がおすすめです。
なお、挨拶文の書き方においてもダイレクトメールを送る目的や内容などに応じて以下の通り使い分けましょう。
メールの内容 | 例文 |
新規顧客に向けた商品・サービスの購買促進 | ・あなたは今〇〇でお悩みではないですか?・〇〇をしたい方向けの××が誕生しました! |
既存顧客の親密感・特別感を高める | ・〇〇会員である××様限定特価にてご案内!・新春キャンペーンとしてお客様だけの特別なプランをご用意しました。 |
③商品・サービス紹介の書き方
紹介文は、自社の商品・サービスをダイレクトにアピールする部分です。商品・サービスの背景にあるストーリーを加えつつ、独自の魅力を伝えます。
例えば新商品入荷の案内を目的としたダイレクトメールにおける紹介文の場合、以下のような文章にしてみると良いでしょう。
本日は、「手作業」にこだわるブランド〇〇より入荷したガラスボウルのご紹介です。 創業以来××種以上ものガラス製品を手掛けた〇〇独特のフォルム・色味をもつこのボウルは、食卓を涼しげな美しさで彩ってくれます。 ひんやりとした食べ物と一緒に、暑さが増すこれからの季節を楽しんでみてはいかがでしょうか。 |
STEP3. ダイレクトメール(DM)のレイアウト・デザインを決める
ダイレクトメールは、基本的に以下の構成で全体が成り立っています。
①キャッチコピー
②挨拶文
③本文
④商品・サービス紹介
⑤オファー
⑥問い合わせ先
この場合の「オファー」とは、割引券やクーポンなどターゲットが「すぐに行動する理由」となる要素のことです。これを記載することにより、スムーズな購買へと促しやすくなります。
それぞれどのように配置するべきかはアピールポイントによって異なりますが、人の視線における傾向を考慮した配置がおすすめです。
多くの人は縦書きの文章を読む場合、「上から下へ」視線を移動させます。一方で横書きの場合、「左上から右下へ」視線を移動させる人が多いです。そのため、優先的にアピールしたい要素を上部に並べていくと効果が出やすくなります。
また、アピールポイントの優先性に応じて表現の仕方にメリハリをつけることも大切です。キャッチコピーや画像などのアイキャッチ的な要素を大きく配置すると、一目で印象に残るダイレクトメールへと仕上がります。フォントの種類やサイズなどにも気を配り、「何を伝えたいのか分からない」と思わせることがないように注意しましょう。
STEP4. 発送し効果検証を行う
ダイレクトメールの内容が完成したら、いよいよ送付となります。紙媒体での送付方法としては、郵便やFAXが主な手段です。若年層〜中年層をターゲットとする場合は、低コストかつ大量に一斉送信できる電子メールでの送付もおすすめです。
ここで注意するべきは、「送付が完了したらそれですべて終わり」と思わないことです。今回送付したダイレクトメールによって、どれくらいの成果を上げられたのかを検証する必要があります。売上がどのくらい伸びたのか、問い合わせ数は何件増えたのかを確認し、目標の達成度合いを把握しましょう。
目標に届かなかった場合、ダイレクトメールの内容にはまだまだ課題が残っていると判断できます。その課題を洗い出し、改善したダイレクトメールを送付して再び効果の検証を行う。このサイクルを繰り返していけば、よりクオリティが高く効果的なダイレクトメールを作成できるようになります。
ダイレクトメール(DM)の効果を高めるコツとは?
より効果的なダイレクトメールを作成するためには、以下3つのポイントを押さえる必要があります。
コツ①ターゲットの興味を引く文章を考える
その商品やサービスはどのような効果をもたらすのか、分かりやすく説明する文章に仕上げることが大切です。例えば新商品の入荷をお知らせするメールの場合、ただ「入荷した」という事実だけを記載してもターゲットは魅力を感じずアクションを起こしてくれない可能性があります。
その商品やサービスを利用することの具体的なメリットは何か、そのターゲットとメリットの相性は良いのかなど考えて文章を作りましょう。
コツ②「インパクト」と「即時性」を両立させるレイアウト
ダイレクトメールの内容をしっかりと見てもらえるか、そしてスムーズに問い合わせをしてくれるかはレイアウトの良し悪しに大きく影響されます。キャッチコピーや画像の見せ方、フォントの使い方などを工夫してターゲットの印象に残るレイアウトに仕上げましょう。
インパクトだけでなく、その後のアクションへ移りやすくする工夫も大切です。期間限定の割引特典(オファー)を付けて素早いアクションを促しつつ、ターゲットが利用時に迷わないよう問い合わせ先を分かりやすく記載しましょう。
コツ③開封しやすいデザインを考える
せっかくクオリティの高いダイレクトメールを送付しても、開封して見てもらえなければ成果につながりません。使用する封筒やはがきの形状、サイズにも気を配りましょう。
季節や顧客の誕生日などのイベントに合わせて送付するのであればそれにちなんだイラストを添えた封筒を使ったり、ノベルティを封入して立体感を出したりするとターゲットの興味を引きやすいです。同業他社が配信しているダイレクトメールのデザインを参考にしてみても良いでしょう。
コツ④自分宛てであることがわかる演出をする
ダイレクトメールは送付先から自分のために送られてきたものという印象を持ってもらうことで効果が上がります。特別感を演出して自分宛てという認識をしてもらう工夫をすることが重要です。「○○様」とダイレクトメールの内容物に相手の名前を記載したり、「先日はご来店いただきありがとうございました」「ご購入いただいた××のご様子はいかがでしょうか」といった顧客行動への言及をしたりするのは特別感を演出する効果的な方法です。
コツ⑤顧客になってくれそうな人にも送る
ダイレクトメールは商品やサービスを購入した顧客だけでなく、見込み顧客にも視野を広げてアプローチすることが重要です。ダイレクトメールを通して魅力を伝えたり、キャンペーンや体験サービスの情報を提供したりすると、顧客になってくれる可能性を切り開きます。メルマガや広告よりも開封して読んでくれる可能性が高いのはダイレクトメールのメリットなので、少しアプローチすれば顧客になりそうな人にも送って読んでもらいましょう。
コツ⑥費用対効果ばかり気にしない
マーケティングでは費用対効果による評価をするのが一般的です。ただ、ダイレクトメールでは費用対効果を上げることばかりに注力してしまうと失敗するリスクがあります。ダイレクトメールは個別にメッセージを送付するのでコストが高くなりやすい施策です。ただ、費用を抑えようとして写真やテキストの品質を疎かにすると効果が上がりません。費用をかけてでも顧客視点で充実した内容のダイレクトメールを送付することが最終的には成果につながります。
ダイレクトメール(DM)よりもSMSの方が効果的!
ダイレクトメールは様々なメリットがある一方で、満足のいく成果を上げるには企画から作成まで様々な要素を考慮しながら「ターゲットに響く1枚」を生み出す必要があります。すべて自社で行う場合は時間や手間がかかり、業者に依頼する場合はコストがかかるため決して手軽な広告手法とは言えません。
「もっと効率的でコストパフォーマンスの高い広告手法を取り入れたい」と思うのであれば、SMSがおすすめです。携帯電話のユーザーであれば誰にでも送信可能なSMSは、紙媒体やEメールのように他のダイレクトメールに埋もれることがないためよりターゲットの目に留まります。さらにハガキや封筒よりも送付コストが低いため、費用対策という面においても優れています。
法人向けSMS送信サービスなら「KDDI Message Cast」
SMSは個人間でのやり取りを目的としたメッセージサービスなので、通常は複数人へ一斉送信することができません。複数の顧客へ一斉にメッセージを送信する場合は、法人向けSMS一斉送信サービスを利用する必要があります。
一口にSMS一斉送信サービスと言っても様々なものがありますが、中でも「KDDI Message Cast」は一斉送信を含む豊富な機能と低コストな運用が可能なサービスです。SMSによる販促を検討されている方は、ぜひKDDI Message Castをご検討ください。
まとめ
ダイレクトメールは高い到達率を実現できるだけでなく、休眠顧客の呼び戻しがしやすいことが特徴の販促手法です。ただし効果的なダイレクトメールを作成するには手間や時間がかかるだけでなく、クリエイティブ性も問われます。業者に作成を依頼するという手もありますが、それにはコストがかかるため注意が必要です。
今回の記事を読み、「ダイレクトメールはハードルが高い…」と感じた方はSMSを活用した販促を検討してみてはいかがでしょうか。低コストかつ効率的に運用できるだけでなく、ダイレクトメール以上の高い到達率・反応率が期待できます。
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