【例文あり】ビジネスメールで使いたい締めの言葉12選

ビジネスメールを送る際、締めの言葉はどのようなものを使っていますか? 同じ定型文を繰り返してはいないでしょうか。実はビジネスメールで締めの言葉を入れるのには、相手への配慮やマナー的な意味合いがあります。本記事では、ビジネスメールの締めの文章が必要な理由や、シチュエーション別に使える例文をご紹介します。締めの言葉を上手に使い分けて、ビジネスをよりスムーズに進めましょう。
目次
ビジネスメールの締めとは?なぜ必要?

ビジネスメールで、締めの文章を入れることはマナーです。締めがないメールは丁寧さに欠け、素っ気ないなどマイナスに感じる人もいます。取引先や上司などへ送る際には、適切な締めの文章を入れるよう心がけましょう。
「敬具」などの挨拶言葉を省略する分、相手に合わせて締めの文章を使い分けることで、良い印象を与え、信頼関係を築くことにもできるでしょう。
ビジネスメールの文の締め方
ビジネスメールでは、どのように締めればよいのでしょうか。ポイントをご紹介します。
相手に合わせて使い分ける
相手に合わせて締めの文章を使い分けましょう。後輩や同僚に送るメールにも関わらず、まるで取引先に送るような丁寧な締めの文章では違和感を覚えるでしょう。「よろしくお願いします」といった挨拶で閉めることは、後輩や同僚へのメールの締めに使いやすいものです。
上司や取引先に送るメールでは、丁寧さが欠けるような表現は避け「どうぞよろしくお願いいたします」「ご検討お願いいたします」などを使うとよいでしょう。
クッション言葉を適切に使う
表情や声のトーンが感じられないメールでは、口頭で話をする以上に、相手がどう感じるかを考えて文章を選ばなければなりません。「お手数をおかけしますが」「大変恐れ入りますが」といったクッション言葉を締めの文章に加えるだけで、温かいイメージや謙虚さを与えることができるでしょう。
文章のバランスを合わせる
全体の文章のバランスを合わせることも重要です。それまでの文章で「です」「します」と使用していたところで、最後の文章だけ「いたします」ではバランスが悪くなってしまいます。
始まりの文章にしても「いつもお世話になっております」と「平素より格別のご愛顧を賜り心より感謝申し上げます」では格が違います。全体の文章から合う文章を選ばなければ、まるで取って付けたような締めの文章、と感じられてしまうでしょう。
季節に関する言葉を添える
年末に差し掛かり、今年最後に送るメールである場合には「今年もお世話になりました」などの言葉を添えることで、定型文ではないメールを送ることもできます。夏の暑い最中であれば「暑い日が続きますが、どうぞご自愛ください」など体調を気遣う文章もよいでしょう。
「追伸」を使う
親しい間柄であったり、社内に対しては追伸を使うこともよいでしょう。内容とはあまり関係ない場合でも、相手に対する気遣いや、健康面での配慮などを表現することもできます。また食事に誘う場合も追伸が使えます。ただし、あくまで追伸ですので長くても2〜3行に留めておくようにしましょう。
「取り急ぎ」は使わない
「取り急ぎ」は、本来であればお礼やご報告を丁寧にするべきところ、「申し訳ありません」という気持ちを込めて使うものです。しかし裏を返せば、「とりあえず急いで書いた」という意味にもなります。「取り急ぎ」と書かれたメールを受け取った場合、あえて多忙だと言ってきていると受け取られる可能性もあります。
そのため「取り急ぎ」という言葉は使わず、「メールにて恐れ入りますが、まずはお礼申し上げます」「略儀ではございますが、まずはメールにてお礼を申し上げます」などに言い換える方がよいでしょう。
ビジネスメールの基本的な締めくくり方
ビジネスメールは、相手への配慮を示すためにも「締めくくり方」がとても大切です。どんなに内容がしっかり書かれていても、最後の締めが素っ気なかったり、失礼な表現だと全体の印象が悪くなることもあります。特に、取引先や上司に送る際は、言葉選びや文調の統一を意識しつつ、要件をわかりやすく伝えたうえで相手がスムーズに返信・対応しやすいような結び方を心がけましょう。また、一度丁寧な言い回しを身につけておくと、いざというときにも役立ちます。
「よろしくお願いいたします」の使い分け
ビジネスメールで頻出する締めの言葉といえば「よろしくお願いいたします」ですが、相手や状況によって適切に使い分ける必要があります。下記のように表にまとめましたので、送付先やシーンによって使い分けてみてください。
フレーズ | 利用シーン例 |
よろしくお願いします | 同僚や部下などへ送るとき(基本となる丁寧な表現) |
よろしくお願いいたします | 上司や取引先などへ送るとき(自分がへりくだる表現) |
よろしくお願い申し上げます | お客様や重要な取引先などへ送るとき(よりかしこまった表現) |
どうぞよろしくお願いいたします | 「よろしくお願いします」をより丁寧にしたいとき |
何卒よろしくお願い申し上げます | 「どうぞ~」よりもさらにかしこまった表現にしたいとき |
引き続きよろしくお願いいたします | 用件がまだ終わっていない場合や継続的な関係で何度もやりとりする相手への締めとして |
「よろしくお願いします」は日常的に使いやすい表現ですが、相手が上司や取引先の場合は「お願いいたします」「お願い申し上げます」など、より丁寧な形に変えましょう。場面によっては「どうぞ」や「何卒」を加えることで、さらに相手への敬意を表すことができます。
よく使う締めのフレーズ一覧
ビジネスメールの締めくくりとしてよく用いられるフレーズを、シーンごとに表形式でまとめました。シチュエーションに合った締めの言葉を使い分けることで、相手に好印象を与えるだけでなく、用件や依頼をスムーズに伝えることができます。以下の表を参考に、日頃のメールに活かしてみてください。
シーン(要点) | 文例例 |
返信を促すとき | – ご連絡(ご返事)をお待ちしております。 – お忙しいところ恐れ入りますが、〇月〇日までにご返信いただければ幸いです。 – 大変お手数ではございますが、至急ご返信をお願いいたします。 |
短い報告や連絡をするとき | – まずは、ご案内(ご連絡)まで。 – まずは、用件のみにて失礼いたします。 – 後ほど改めてご連絡させていただきます。 |
感謝を伝えるとき(※後述の見出し変更あり) | – この度は誠にありがとうございました。 – 〇〇の件では大変ご尽力いただき、心より感謝申し上げます。 – 重ねて御礼申し上げます。 |
お願い・質問をするとき | – お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。 – 何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。 – 大変心苦しいお願いではございますが、何卒ご検討ください。 |
お詑び・謝罪を伝えるとき | – この度はご期待に沿えず、大変申し訳ございません。 – メールで失礼ではございますが、まずはお詫び申し上げます。 – 略儀ながらメールにてお詫び申し上げます。 |
提案をするとき | – ご確認のほど、よろしくお願い申し上げます。 – ご検討くださいますよう、改めてよろしくお願いいたします。 – ご返事をお待ちしております。 |
お断りをするとき | – この度はご期待に沿えず、大変申し訳ございません。 – 今回は見送らせていただきたく存じます。 – またの機会がございましたら、何卒よろしくお願いいたします。 |
催促をするとき | – ご返事をお待ちしております。 – いま一度のご確認をお願いいたします。 – 〇月〇日までにご返信くださいますと大変助かります。 |
メールを円満に切り上げたいとき | – 以上をもちまして、最終的な回答とさせていただきます。 – 今後とも何卒よろしくお願いいたします。 – 今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。 |
初めて連絡する相手への文例 | – 後日、改めてご連絡いたしますので、ご検討のほどよろしくお願いいたします。 – ご多用のところ恐縮ですが、ご返信いただければ幸いです。 |
異動・完了報告など一区切りのシーン | – 〇〇様のますますのご活躍をお祈り申し上げます。 – 今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。 – 貴社の一層のご発展を心よりお祈りいたします。 |
相手の健康を気遣うとき | – くれぐれもご自愛ください。 – お大事になさってください。 – 元気なお姿を拝見できるのを楽しみにしております。 |
上司によくない報告をするとき | – 今回の件は深く反省し、以後このようなことがないように努めます。 – ご期待に沿えず、大変申し訳ございませんでした。 – 次回に向けて、引き続きご指導のほどよろしくお願いいたします。 |
シチュエーションに合わせて締めの言葉を変えることで、相手への敬意や気遣いを適切に伝えられます。一方的に指示や要求をするのではなく、あくまで相手の立場を尊重した表現を心がけましょう。
ビジネスメールで使う締めの例文を場合別に解説


ビジネスメールで使用できる締めの文章を、シチュエーション別にご紹介します。
基本的な締めの言葉
基本的な締めの言葉としては、以下のようなものが挙げられるでしょう。
- よろしくお願いします。
- よろしくお願いいたします。
- 以上、よろしくお願いいたします。
- 今後ともよろしくお願いいたします。
- どうぞよろしくお願いいたします。
- 引き続きよろしくお願いいたします。
- 以上、ご連絡いたします。
「よろしくお願いします」は同僚や後輩などに使い、「いたします」という言葉は上司にも使えます。
基本的な締めの言葉【より丁寧な表現】
取引先やかしこまった相手であれば、より丁寧な以下のような表現を使うとよいでしょう。
- 何卒よろしくお願いいたします。
- 今後とも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
- 今後ともよろしくお願い申し上げます。
- 今後ともご指導を賜りますようお願い申し上げます。
- 引き続きよろしくご協力を賜りたくお願いいたします。
- 今後も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
「ご厚誼」は使い慣れていない人もいるかもしれませんが、「親しくお付き合いをしてもらう」という意味を持ちます。堅い表現ではありますが、お客様や大切な取引先に使用できます。
お願いをする際の締めの言葉
お願いをする際に使える締めの言葉をご紹介します。
なるべく柔らかい表現で丁寧に記すことで謙虚な印象を与えられます。
- ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
- お力添えのほど、よろしくお願いいたします。
- ご多忙中お手数をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。
- 誠に勝手なお願いで恐縮ではございますが、よろしくお願い申し上げます。
- ご一考いただけますと幸いです。
- ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。
- ご検討のほどどうぞよろしくお願いいたします。
- 大変ご無理を申し上げて恐れ入りますが、ご対応のほど何卒よろしくお願いいたします。
感謝を伝える締めの言葉
締めの言葉にも、感謝の気持ちを含めましょう。
- 本当にありがとうございます。
- 誠にありがとうございました。
- 心より感謝申し上げます。
- 厚く御礼申し上げます。
- ご厚情を賜り、誠にありがとうございます。
- 日頃は何かとお心遣いをいただき、深く感謝いたしております。
相手がいてこそのビジネスですから、丁寧に感謝の意を示すことで、よりよい関係を築くきっかけにもなります。
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謝罪・お詫びをする際の締めの言葉
謝罪やお詫びをする際には、通常よりもより慎重な言葉選びが必要です。問題が発生しても、その後の処理の仕方によって印象を大きく変えることもできます。謝罪の際には、直接出向くか、電話で謝罪するのがマナーですが、それらがすぐにできない場合にメールは有効です。素早い謝罪メールによって、事態を大きくさせないようにしましょう。
- この度の件につきまして、謹んでお詫び申し上げます。
- ご迷惑をおかけしましたことを深く反省しております。
- 本来なら直接伺いお詫びすべきところ大変恐れ入りますが、まずはメールにてお詫び申し上げます。
- 多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
- 幾重にもお詫び申し上げます。
- この度は何とぞご容赦くださいますよう、お願い申し上げます。
- ご理解の上、ご容赦くださいますよう平にお願い申し上げます。
対面や電話で直接お詫びができた場合も、改めてメールで謝罪文を送るのもマナーです。
関連リンク:心のこもった謝罪文のテンプレート・例文をご紹介!【ビジネス・個人向け】メール・手紙で送るポイントも解説
お断りをする際の締めの言葉
せっかくの依頼であっても、状況によっては断らなければならないこともあります。そのような際も丁寧な締めの文章を加えることで、悪い印象を与えることなく、次へ繋げることもできるでしょう。
- またの機会がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
- ご寛容くださいますようお願いいたします。
- ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
- ご期待に沿えず恐れ入りますが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
- 今回は承ることができず申し訳ございません。ご了承くださいますようお願い申し上げます。
返事をする際の締めの言葉
相手から求められた質問などに回答する場合には、以下のような締めの言葉を用いるとよいでしょう。
- ご返事申し上げます。
- 以上、ご回答申し上げます。
- 以上、ご説明申し上げます。
返事が欲しい際の締めの言葉
相手に返事をしてもらいたい場合には、以下のような締めの言葉を用いましょう。期日がある場合にはクッション言葉を使い、柔らかい表現にするとよいでしょう。
- ご連絡をお待ちしております。
- ご連絡いただきますようお願い申し上げます。
- お手数をおかけしますが、ご返信いただけますと幸いです。
- お手数ですが、ご一報いただければ幸いです。
- お忙しい中恐れ入りますが、取り急ぎのご返事をお待ちしております。
- この件につきまして、折り返しご返事をお願いいたします。
- ご多忙の折、大変恐縮ですがご回答いただければ大変助かります。
- ぜひご返信賜りますようお願い申し上げます。
- ご教示いただきますよう、お願い申し上げます。
- ご教授いただけますと幸いです。
- ご教授いただけますと幸甚に存じます
- ご多忙中恐れ入りますが、至急ご連絡いただきますようお願い申し上げます。
- 恐れ入りますが、本件について〇月〇日(〇)までにご回答いただきますようお願いいたします。
- ご確認のうえ、〇月〇日(〇)までにご返信いただけますと幸いです。
- お手数ですが、〇月〇日までにご返事を頂戴できれば幸いです。
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繁栄を祈る締めの言葉
個人や取引先の繁栄を祈る場合には、以下のような文章がよいでしょう。
- 〇〇様のますますのご活躍を心よりお祈りいたします。
- 末筆ながら、貴社のより一層のご隆盛を祈念いたします。
- 末筆ながら、貴社の一層のご発展を心よりお祈りいたします。
- 末筆ながら、御社の一層のご繁栄をお祈りいたします。
相手を気遣う締めの言葉
堅い内容の本文であっても、相手を気遣う締めの言葉があれば、メールの印象は大きく変わります。以下のような文章で、相手を気遣いましょう。
- 時節柄、より一層のご自愛のほどお祈りいたします。
- お体にお気をつけてお過ごしください。
- お体をお大事にしてください。
- 末筆ながら、皆様のますますのご健康をお祈りいたしております。
- ご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
季節に合わせた締めの言葉
日本では季節の移ろいを大切にする文化があり、手紙に限らずビジネスメールにも季節の挨拶をさりげなく取り入れることで、一層丁寧な印象を与えることができます。
春の挨拶
- 暦の上は春でも、まだまだ厳寒の折、どうぞご自愛ください。
- 麗らかな春の季節、心穏やかにお過ごしください。
- 朝夕の寒暖差が激しい時節柄、ご自愛くださいませ。
夏の挨拶
- 厳しい暑さが続きますが、どうぞご自愛ください。
- 猛暑が続く日々ですが、くれぐれも体調を崩されませんように。
- いよいよ本格的な暑さになってまいりますが、一層のご健勝をお祈りいたします。
秋の挨拶
- 秋冷の折、くれぐれもご自愛ください。
- 紅葉の美しい季節ですが、体調管理には十分お気をつけくださいませ。
- 夏の疲れが出やすい時節ですので、風邪など召されませんようお気をつけください。
冬の挨拶
- 寒さ厳しき折、くれぐれも風邪にはご用心ください。
- 日毎に寒くなりますが、お風邪など召しませんようご自愛のほどお願いいたします。
- 余寒厳しき折、どうぞお身体を大切になさってください。
年末年始の挨拶
- 本年も大変お世話になりました。どうぞ良いお年をお迎えください。
- 来年も変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
- 年末でご多用かと存じますが、お身体に気をつけてお過ごしください。
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長文になってしまった際の締めの言葉
前述の表でも触れましたが、以下ではシチュエーション別の締めの例文をもう少し具体的に解説しています。お願いやお礼、謝罪など、場面に合ったフレーズを用いることで、相手がメールをスムーズに読めるよう配慮しましょう。
- 長文失礼いたしました。
- 長文となってしまい申し訳ございませんが、ご検討のほどお願いいたします。
SMSはビジネスシーンでも活躍


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まとめ
ビジネスメールの締めの言葉は、マナーだけでなく相手への気遣いを示す大切な要素です。締めの文がないと「冷たい」「忙しさを理由に省略しているのではないか」など、マイナスイメージを持たれることがあります。ほんのひと言であっても、相手に合った適切な表現を使うことで、あなたの印象を大きく左右することになるでしょう。
加えて、いつも同じフレーズばかりではワンパターンな印象を与えかねません。今回ご紹介したシチュエーション別の締め文例を参考に、「より丁寧な言い回し」「お願いのときのクッション言葉」「感謝を伝える特別なフレーズ」などを使い分けると、やり取りがスムーズになるだけでなく、相手との関係構築にも役立ちます。
さらに、ビジネスメールが多すぎて見落とされるリスクがある昨今、SMSを利用するという選択肢も注目されています。「KDDI Message Cast」なら長文にも対応しており、多彩な情報を確実に届けられます。メールと併用することで「重要な連絡を見落とされない」環境を作るのも効果的です。
ぜひ、締めの文章と送付手段を適切に使い分け、ビジネスを円滑に進めてみてください。
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