謝罪文は、どのように作成すればよいのでしょうか。会社宛、個人宛、さらにメールや手紙で送る際のポイントや例文をご紹介します。きちんと必要な情報を伝え、誠意を持って失礼のない謝罪文を作成しましょう。また、せっかく謝罪文を作成して送っても開封してもらえなければ意味がありません。メールよりも開封率の高いSMSについてもご紹介します。

謝罪文とは?

自分がしてしまったミスや不手際、過ちを犯し、誰かに迷惑をかけた時に相手に謝罪を伝える文書のことを謝罪文と言います。「配送ミスにより商品が不着となった」「事務手続きの遅れにより、あらかじめ案内していた納期に間に合わなかった」など、さまざまな場面で謝罪が必要となることがあるでしょう。

本来であれば直接会って謝罪するべきですが、相手に会うには時間の調整も必要です。会いたくもないと拒絶されてしまうこともあるでしょう。謝罪まで時間が空いてしまうなど、そのままの状態でいると失礼にあたります。さまざまな理由で直接会って謝罪できないのであれば、文書にて謝罪文を送るようにしましょう。なるべく早く誠意を伝え、謝罪することが大切です。

謝罪文を書く際の心がけ

謝罪文では、素早く誠意をもって謝意を伝えるようにしましょう。謝罪文を書く際に知っておきたいポイントをご紹介します。

なるべく早く謝罪の気持ちを伝える

謝罪しなければならない状況となった場合には、なるべく早く謝罪の気持ちを伝えましょう。なにかミスが起こった場合でも、迅速に対応されれば起こってしまった事実は消えないにせよ、後から信頼を取り戻しやすくなります。

謝罪せずに放置した場合、後からいくら丁寧な謝罪があっても、誠意は伝わりにくくなります。謝罪までの間、非がないと考えていたのでは、と感じさせてしまうためです。トラブルが発生した場合にはすぐにお詫びの文書を送り、素直に非を認めていることを相手に伝えましょう。

メールの場合は、件名に謝罪の意思を入れよう

謝罪をメールで送る場合もあるでしょう。その場合には、件名に謝罪の意思が分かる言葉を入れることをおすすめします。メールを開けなくても、問題が発生したことをすぐに知らせる効果もあります。トラブル発生日時や、具体的な内容を含めるのもよいでしょう。

ただ、件名は長くなりすぎると読みにくくなる上、スマホでは一定以降の文字数は表示されないこともあります。件名の文字数は20文字以内におさえるとよいでしょう。また情報が多すぎる場合には、件名の最初に【重要】と書き、緊急性があることを伝え、すぐに読んでもらえるように工夫するのもおすすめです。

問題の原因・経緯を伝える

トラブルが発生した場合には、一体どんな状況で行ったのか把握しづらいものです。問題が発生した経緯を報告することも、お詫び文書の役割のひとつでもあります。どのような原因で起こってしまったのか、そのために何が起こってしまったのか、誠意を持って伝えましょう。

原因の説明が分かりづらく、何か隠していると感じられると、ミスを誤魔化し誠意がないように感じられてしまいます。信頼度も下がり、今後の取引に影響を及ぼす恐れもあります。どのような問題でも正確に誠意を持って伝え、不手際を報告しましょう。

今後の対応策を伝える

謝罪文はお詫びと問題発生の経緯だけではなく、発生した問題の対応策まで伝えることが重要です。今回のトラブルをどのように補填し、同じような状況になった場合も、次回は問題にならないよう、対応策を説明し伝えましょう。トラブルが発生すると信頼度は下がりますが、今後の対応策をきちんと伝えることで信頼を取り戻せる可能性があります。

非を認め、言い訳をしない

トラブルの原因はひとつでない可能性もあります。不運が重なった、ということもあるでしょう。自分だけが悪いのではない、という気持ちを持つこともあるかもしれません。

しかし自分に非がある部分があれば、その部分を素直に認め誠意を持って謝罪しましょう。言い訳をしてしまうと、その後の取引や関係性に問題が発生することもあります。

相手を責めない

自分だけが悪いのではない、先方も確認しなかったと思うこともあるかもしれません。しかし、謝罪文には先方のミスは決して書かないよう注意してください。先方の勘違いがきっかけとなって、今回のトラブルが発生し、結果として先方に迷惑をかけた場合であっても、こちらが謝罪しなければならないケースもあります。

状況に合わせて言葉・表現を選ぶ

謝罪文というと、とにかく謝ることに主眼を置いてしまうこともあります。しかし、状況に合わせて言葉や表現を選ぶことが大切です。起きてしまったことは仕方がない、それよりも今後の対応策を知りたい、という場合もあるでしょう。こういった相手に、ただひたすら謝意を伝えても、気持ちを伝えることはできません。

相手が何を求めているのか考え、状況に合わせた言葉や表現を選んで謝罪文を作成しましょう。

メールやSMSでお詫びをする際によく使われるフレーズ

メールやSMSでお詫びをする際に使われることの多いフレーズをご紹介します。

  • 申し訳ございませんでした
  • ご迷惑をおかけいたしました
  • 大変失礼いたしました
  • お詫びの言葉もございません
  • 再発防止に取り組んで参ります

重大なミスをした場合には以下のようなフレーズもよく使われます。

  • 謹んでお詫び申し上げます
  • 心より謝罪いたします
  • 猛省しております
  • 弁解のしようもございません

またビジネスにおいては、以下のようなフレーズは避けたほうがよいでしょう。

  • すいません
  • ごめんなさい

【例文付き】会社や個人宛に謝罪文をメールで送るポイント

謝罪文をメールで送る際には文章の構成や、謝罪の目的の明確化に注意して作成しましょう。何の件についての謝罪メールなのか分かるような件名にし、まず謝罪をしてから状況を説明、そして反省しているという流れで文章を構成すると伝わりやすくなります。

件名に何の件から分かるように記載した上で、何に対して謝罪しているのか分かるようにすることも大切です。状況に関してもポイントを掴み、だらだらと書くような文章は避けた方がよいでしょう。

メールで謝罪文を作成する際の例文を、会社宛てと個人宛の2種類でご紹介します。

会社宛の場合

会社宛に謝罪文を作成する場合、先方の立場を考え、誠意を持って謝罪をするように心掛けましょう。また今後の取引に支障がないよう、言葉ひとつひとつに細心の注意を払ってください。

件名〇月〇日 〇〇発注についてのお詫び
本文株式会社〇〇
〇〇 様

大変お世話になっております。
株式会社〇〇(自社名) 〇〇(責任者名)です。

〇月〇日にご依頼いただいておりました商品について、発送が遅くなり誠に申し訳ございませんでした。
確認しましたところ、確認ミスで正式な発注手続きができておりませんでした。


つきましては、〇月〇日(改めて発注手続きをする日付)に、正式な発注手続きをさせていただき、〇月〇日までの納品でお願いしたく存じます。

このたびは、こちらの不手際により〇〇様に多大なご迷惑をお掛けし、心よりお詫び申し上げます。
今後このようなことのないよう、再発防止に取り組んで参ります。
何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。

個人宛の場合

個人に送る場合の謝罪文も、会社宛と大きく変わりません。スタッフの対応についてのクレームに対する謝罪文の例文をご紹介します。

件名弊社スタッフの不適切な対応についてのお詫び
本文〇〇様

平素より弊社のサービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。

株式会社〇〇の〇〇と申します。

このたび、〇〇店スタッフの接客態度があまりにも横柄であり、目に余るものであったとのご指摘、誠にありがとうございました。
〇〇様にご来店いただいた〇月〇日につきまして弊社にて事実確認をいたしましたところ、〇〇様ご指摘の通りスタッフとして問題のある対応を確認しました。
当該スタッフは、本部スタッフにより厳重注意を行い、接客の再研修を行うことといたしました。

いただきました〇〇様のご意見を元に、今後このような不快な思いをするお客様がないよう、スタッフ対応や管理について改めて参ります。

この度は、貴重なご意見を頂き、誠にありがとうございました。今後ともお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。

【例文付き】会社や個人宛に謝罪文を手紙で送るポイント

謝罪文を手紙で送る際には、謝罪文の発行日(または差出日)、宛先、差出人名を入れましょう。その上で謝罪、原因、対策、そして今後について触れ、文章を構成します。

差出人の担当者名は個人にするか、責任者との連名や、責任者の名前のみなど場合によって異なります。どの形にするか上司と相談しましょう。また、手紙の場合には誠意を伝えることを最優先に、時候の挨拶を省略します。頭語は「謹啓」「急啓」を使用し、結語もつけ忘れないよう注意しましょう。

会社宛と個人宛の例文をご紹介します。

会社宛の場合

資料の送付が遅れた際の謝罪文の例文をご紹介します。

令和〇年〇月〇日
〇〇株式会社
〇〇 様

株式会社〇〇(差出人側の情報)
(会社住所)
(会社電話番号)
(氏名)

謹啓
このたびは、ご要望頂いておりました資料の発送が遅れたことにより、多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。

原因を調査しましたところ、弊社の事務手続きの不手際によるミスであることが判明いたしました。現在、体制の見直しを行っており、今後の再発防止に取り組む所存です。

この度は、こちらの不手際により〇〇(取引先)様にご迷惑をおかけいたしましたこと、心より深くお詫び申し上げます。
当該品につきましては、本状とは別にお送りしております。お手数をお掛けして申し訳ございませんが、お手元に届きましたらご確認のほどよろしくお願い申し上げます。

多大なるご迷惑をおかけしたこと、重ねてお詫び申し上げます。今後ともご愛顧を賜りますよう、伏してお願い申し上げます。

敬白

個人宛の場合

個人宛に謝罪文を送る場合も日付、差出人情報、そして頭語、結語を忘れずに記載しましょう。

令和〇年〇月〇日
〇〇様

株式会社〇〇(差出人の情報)
(会社住所)
(会社電話番号)
(氏名)

謹啓

〇〇様、平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。

このたびは、お届けした商品に注文品以外のものが混ざっていたとのこと、ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。

当方で原因を調査いたしましたところ、商品出荷時のピッキングミスでございました。今後は二度とこのようなミスの無いよう、出荷前のダブルチェックを徹底していく所存でございます。

早速ではございますが、〇〇様ご注文の商品を送らせていただきます。お手元に届きましたら今一度ご確認のほどお願い申し上げます。

また、カスタマーセンター担当者よりご案内させていただきました通り、誤配達いたしました商品に関しましては、お手数ではございますが、〇〇様で処分していただければと思います。

誠に略儀ながら、書面にてお詫び申し上げます。どうか今後とも変わらぬお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。

敬白

社内の相手に謝罪文を送る場合の注意点

社内であっても、社外向けと同様、迅速かつ正確に状況を伝え、謝罪を行いましょう。また社内の協力、手続きが必要な場合には先延ばしすることなく要請し、解決に努めましょう。

確認もれなどの原因がはっきりしていて改善の余地がある場合には、改善に努めることまで伝えると、好印象を与えることもできるでしょう。

法人向けSMS送信サービスなら「KDDI Message Cast」

メールは迷惑メールが多く、大量のメールが届くことから開封率が低くなっていることが問題になっています。件名に【重要】などと記載しても、開封してもらえなければ伝えることもままなりません。謝罪メールを送っても、開封してもらえずに謝罪していないことになれば大問題です。

そのような状況下で到達率、開封率が高いSMSが注目されています。短文しか送ることができず、ちょっとしたメッセージしか伝えられないと思われるかもしれませんが、「KDDI Message Cast」では660文字までの長文配信も可能です。必ず伝えたいメッセージに適したツールです。

まとめ

謝罪文についてご紹介しました。気をつけていても起こってしまうミスはあります。そうした時には、誠意をもって迅速に謝意を伝えるようにしましょう。会社宛、個人宛など、状況によって謝罪する相手も異なります。

謝罪文を作成する際のポイントをきちんと押さえて、失礼のないよう必要な情報を開示し、謝意を伝えられる文書を作成するようにしましょう。