コールセンターではCRMの活用によって顧客満足度の向上を目指せます。コールセンター向けCRMの導入の際には機能を考慮してメリットを生かせるように選ぶことが重要です。この記事ではコールセンター向けCRMについてわかりやすくご紹介します。

コールセンター向けCRMシステムの使い方は?

コールセンター向けCRMとは、コールセンター業務に特化して顧客関係の履歴を管理するシステムです。コールセンターでは主にインバウンドとアウトバウンドの業務でCRMが活用されています。

関連リンク:CRMとは?導入メリットやCRMツールの選び方などを徹底解説
https://sms.supership.jp/blog/crm-salesforce/what-is-crm/

インバウンド業務における活用

コールセンターのインバウンド業務とは、主に顧客からの問い合わせへの対応です。インバウンド業務ではCRMによって顧客に的確な回答を返しやすくなります。顧客の個人情報や問い合わせ履歴、購入履歴などのデータを速やかに参照できるからです。また、顧客とのコミュニケーションにおけるスクリプトを表示して対応品質を管理することもできます。

アウトバウンド業務における活用

コールセンターのアウトバウンド業務とは、主にアポ獲得を目指すテレアポを指します。アウトバウンド業務ではCRMによって顧客ランクを付けておき、優先順位の高い顧客から連絡する方法がよく用いられています。顧客の購入履歴や過去の問い合わせ内容などを考慮して、的確な情報を伝える戦略を立てることも可能です。

コールセンターにおけるCRMシステムのメリットは?

コールセンター向けのCRMシステムを導入すると業務品質の向上が期待できます。ここではCRMシステムの活用メリットを解説します。

応対品質と顧客満足度が向上する

CRMの導入はコールセンターの応対品質が全体的に向上することがメリットです。CRMによる情報管理をすれば、顧客情報をシステム上で速やかに確認できます。問い合わせに対してスムーズに対応可能です。特に継続的に問い合わせを受けている案件については、過去の問い合わせ履歴が一目でわかるので的確な対応ができます。

顧客に対する応対漏れやたらい回しが防止できる

コールセンターにCRMを導入すると顧客に的確な対応ができる基盤を整えられます。コールセンターへの問い合わせでは応対漏れやたらい回しによる不満が発生する場合があります。CRMによってタスク管理をすれば応対漏れを減らすことが可能です。顧客情報に基づいて適切な担当者につなぐことでたらい回しになるリスクも減らせます。

オペレーターが早期に定着する

CRMの導入はコールセンターのオペレーターの定着率向上につながります。入社したオペレーターにとって、自社のサービスを理解して的確な回答をするためには時間も労力も必要です。顧客との取引履歴を調べて問い合わせに対応することは負担が大きく、オペレーターが離職する原因のひとつになっています。CRMによって情報にアクセスしやすくなるとオペレーターの負担が軽減されて働きやすくなります。

リアルタイムでの情報共有ができる

CRMシステムはリアルタイムで情報がデータベース上に反映されるため、スピーディーな情報共有を実現できます。コールセンターでの情報だけでなく、営業やマーケティングによって得られた顧客情報も統合して一元管理すると、部署を跨いで連携することが可能です。最新のデータに基づく対応ができるので品質向上にもつながります。

業務を改善し、効率化できる

CRMはデータに基づく分析機能が充実しています。コールセンターに集まった顧客の問い合わせの内容をCRMで分析することにより、業務の改善点や効率化が可能な点を見出すことが可能です。コールセンターだけでなく営業活動や商品開発などのさまざまな観点から、有益な情報を導き出せるメリットがあります。

危機管理対応力が付く

CRMによる管理をすると危機管理対応力を高められます。トラブルに対する速やかな対応をして、状況が悪化しないうちに収束させることはBCP対応の観点からも重要です。コールセンターでは特に顧客との関係に関する情報量が多いので、CRMに情報を集めることでトラブル対策を推進する基盤を整えられます。

オペレーターの心理的な負担が減る

コールセンターのオペレーターの心理的な負担を軽減するツールとしてCRMシステムは有効です。問い合わせを受けたときに、企業として正しい情報を的確に伝えられるからです。問い合わせに対する回答の内容に誤りがあったり、説明がうまくできずに誤解が生じたりするリスクを減らせるのがCRMシステムのメリットです。

コールセンター向けCRMが持つ機能

コールセンター向けCRMには顧客からの問い合わせ対応に関する機能が豊富です。ここでは代表的な機能を紹介します。

顧客情報と履歴の管理・検索

顧客情報や顧客対応の履歴の管理はCRMの基本的な機能です。顧客の氏名や連絡先、過去の問い合わせの内容などを一元的に管理できます。データベース化されて検索することも容易なので、コールセンターで問い合わせがあったときにすぐに情報を表示できます。

チャットや掲示板などによる情報共有

コールセンターでは情報共有が重要です。他のオペレーターや管理責任者に対する問い合わせをしたり、トラブルがあったときに注意喚起をしたりするための機能が搭載されています。チャットや掲示板が一般的ですが、緊急の連絡に適しているSMSも利用できるシステムもあります。

ワークフローの整理・他部署との共有

ワークフロー機能は対応漏れをなくすために重要なCRMの機能です。他部署への情報共有や問い合わせをしたときでも、進捗をシステム上で管理できます。オペレーターのワークフローをマニュアル化する際にも役に立つ機能です。

FAQの作成・検索・管理

FAQは顧客の自己解決を促せるだけでなく、コールセンターのオペレーターが問い合わせに回答するときのマニュアルとしても役に立ちます。CRMにはFAQの作成や検索をする機能が搭載されていて、管理しやすい設計になっているのが一般的です。

CTIとの連携

CRMには、CTI(Computer Telephony Integration)技術を用いて電話・FAXと連携できるシステムもあります。着信や発信のデータに基づいて、着信時に顧客情報を表示したり、自動で架電をしたりすることが可能です。

データ分析・集計

CRMシステムにはデータを活用するための機能が搭載されています。データ分析をして可視化したり、集計結果をレポートにしたりすることも可能です。他のシステムに移行しやすいCSVファイルなどにエクスポートすることもできます。

CRMシステムの比較と評価のポイントは?

コールセンター向けのCRMシステムは比較して選ぶことが大切です。ここではCRMシステムの評価ポイントを紹介します。

問い合わせチャネルの多様さ

CRMシステムは問い合わせチャネルの対応状況が重要なポイントです。必要なチャネルに対応しているシステムを選ぶことが前提になります。多様なチャネルに対応しているのが理想的でしょう。電話だけでなく、SMS、メール、ウェブフォーム、チャット、SNSなどに対応しているCRMシステムもあります。

導入のしやすさと拡張性

コールセンターに導入しやすいことは重要です。CRMシステムにはサーバーを立てなければならないオンプレミス型のシステムもありますが、導入時にコストも時間もかかります。クラウド型のシステムやアプリとしてインストールするだけのシステムなら速やかに導入可能です。API連携による拡張性もあると、自社に適したシステムを作り上げやすくなります。

カスタマイズ性

コールセンター向けCRMシステムではカスタマイズ性を考慮しましょう。インターフェースをわかりやすくして、直感的に操作できるようにカスタマイズできるとオペレーターの負担が小さくなります。また、自社の業務システムや顧客データベースとの連携ができると効率的に導入できるので、連携の柔軟性は確認した方が良いでしょう。

セキュリティ機能

セキュリティはCRMシステムで不可欠です。顧客情報の適正管理は企業にとって欠かせません。セキュリティ機能が充実していて、情報漏えいのリスクが低いサービスを利用しましょう。アクセス制限や権限設定などの細かな設定が可能なシステムは管理が大変ですが、セキュリティ対策としては効果があります。

利用機能の幅広さ

利用できる機能は多岐にわたっているに越したことはありません。コールセンターの業務課題を考慮して、必要な機能を揃えられるCRMシステムを選びましょう。ただ、利用機能が多すぎて使いづらいというトラブルが起こることもあります。現場で必要とされている機能をピックアップして、使いやすいシステムを導入することも重要です。

CRMもSMSを使って出来る!

コールセンターのCRMはSMSによって実現する方法があります。SMS単独では顧客情報の管理はできませんが、SMSを活用すればより良い顧客関係を樹立することが可能です。ここではKDDI Message Cast for SalesforceによるCRMを紹介します。

KDDI Message Cast for Salesforceを用いたCRMの流れ

KDDI Message Cast for SalesforceによるCRMではSalesforceとAPI連携をします。Salesforce AppExchangeから「KDDI Message Cast for Salesforce」をインストールすれば利用開始できます。

導入後、Salesforceにデータとして登録されている顧客情報を利用してSMSの送信設定をします。目的に合わせて顧客リストを抽出して配信したり、予約配信をスケジュールしたり、SMS認証の設定をしたりしてCRMをおこないます。

KDDI Message Cast for Salesforceを用いたCRMのメリット

KDDI Message Cast for SalesforceによるCRMはタイムリーに顧客にアプローチできるSMSを活用できることがメリットです。KDDI Message CastのSMS機能をSalesforce内のアプリ機能として使用するため、開発をする必要がありません。必要なタイミングで速やかに導入して運用を始められます。

Salesforceを利用してきた企業では顧客情報をそのまま利用できることもメリットです。SMSの到達結果や顧客からの返信などの情報もSalesforce上で一元管理できます。

KDDI Message Cast for Salesforceと他のサービスの比較

KDDI Message Cast for Salesforceは他のコールセンター向けのCRMシステムと比較すると以下のようになります。

サービス名KDDI Message Cast
for Salesforce
ZendeskFastHelp5楽テル
問い合わせチャネルの多様さSMSなど(Salesforceの機能を活用可能)電話、メール、ウェブフォーム、チャットSNSなど電話、メール、ウェブフォーム、チャットSNS、FAXなど電話、メール、ウェブフォームなど
導入のしやすさ簡単簡単簡単簡単
拡張性ありありありあり
カスタマイズ性高い高い高い高い
セキュリティ機能充実充実充実充実
利用機能の幅広さSMS機能が充実している電話とメールを中心にした管理とAIによる自動化機能があるオムニチャネルで多角的な機能を使える電話とメールの機能が豊富でCTI連携に強い

KDDI Message Cast for SalesforceはKDDI Message CastとSalesforceのメリットを合わせて活用できます。SMSの活用しやすさでは他のサービスに比べて優れているCRMシステムです。

導入事例 – SMS送信サービス「KDDIメッセージキャスト」
https://sms.supership.jp/case/

まとめ

コールセンター向けのCRMは顧客満足度の向上につながる重要なシステムです。オペレーターの業務負担の軽減と品質の向上にもなり、コールセンターを通して手に入る貴重な情報を共有するツールにもなります。SMSによるCRMはタイムリーにアプローチできるため、顧客から喜ばれます。KDDI Message Cast for SalesforceはSalesforceのCRM機能とSMSによる顧客関係の構築を同時に実現できるシステムなのでぜひ導入をご検討ください。