営業は業務が売上に直結するため、企業にとって欠かせない仕事です。しかし、営業活動に伴うコストがかさんでしまうと、売上が立っても赤字になってしまいます。営業のコスト削減は利益を増やすために重要な取り組みです。この記事では営業コストを削減するアイデアを紹介します。営業活動ではさまざまなコストがかかりますが、効率的に削減できる項目もあります。できることから順次取り組んで営業コストを減らしていきましょう。

営業における削減すべきコストとは?

営業活動では以下のようにさまざまな種類のコストがかかっていますが、特に削減しやすいのが以下のコストです。

  • 消耗品費
  • 人件費
  • 旅費交通費

ここでは各コストをどのようにして削減できるかを簡単に紹介します。

消耗品費

消耗品費は営業活動の際に日常的に使用している文房具、封筒、切手、コピー用紙、トナー、クリアファイルなどが該当します。営業で使用する消耗品は単価が安いものが多いですが、積み重なると金額が大きくなるので注意が必要です。例えば、資料を郵送すると定形郵便物の100g以内の場合には140円かかります。部署全体で1日10通送っていたとしたら、年間で511,000円です。メールでPDFファイルの資料を送るようにすれば、大きなコスト削減になります。

参照:国内の料金表(手紙・はがき) – 日本郵便
https://www.post.japanpost.jp/send/fee/kokunai/one_two.html

人件費

人件費を無理に削減するのは営業活動を滞らせる原因になります。必要十分な人数を確保し、無理なく働ける環境を整えることが重要です。残業が大量に発生していると、時間外手当で人件費がかさみます。また、残業が続くと疲労でパフォーマンスが低下するため望ましい状況ではありません。集中力が欠けていて仕事が進まず、無駄に働いて残業代が高くなっている可能性もあります。営業担当者がベストパフォーマンスで働ける環境づくりをすることが大切です。

旅費交通費

出張や外出に伴う旅費交通費はコスト削減をしやすい項目です。以前は訪問営業が当然でしたが、近年ではオンライン営業もできるようになっています。遠方への訪問で宿泊を伴う場合にはコストが大きいので、オンラインに切り替えるのが合理的です。出張や外出は移動時間もかかるため、業務時間のロスにつながります。旅費交通費の削減は人件費の削減にもつながる重要な取り組みです。無駄に移動をしないという意識を営業担当者に持たせることが重要です。

営業コスト削減を目指す施策

営業活動のコスト削減には意識改革からツールの導入まで多様なアプローチがあります。コスト削減の効果が出るまでの期間は施策によって違うので組み合わせて進めることが重要です。ここでは施策ごとに基本的な手順と期待される効果を解説します。

営業プロセスの可視化

営業プロセスを可視化すると、業務効率の向上やコスト削減につながります。可視化を通して業務課題を明確にすれば改善方法を具体化できるからです。

まずは一般的な営業プロセスの各ステップで、実際におこなっている業務を洗い出します。無駄なコストや工数が発生している部分に着目して課題を抽出しましょう。そして、全体の課題を見て解決に有効な対策を検討します。

営業活動は他部署との連携によって効率が上がる面もあります。マーケティングや企画などの連携も含めて営業プロセスの見直しをすると全体的に業務効率を向上させることが可能です。

CRM/SFAの活用

CRM/SFAは営業活動を支援できるツールです。顧客情報と営業活動の状況を一元管理できます。CRM/SFAを導入すると他部署との連携も取れるので業務効率を上げられます。顧客フォローの自動化などのツールも付属しているため、ルーティンの作業を自動化してコストを削減することも可能です。

CRM/SFAはクラウド型のサービスなら速やかに導入できます。顧客情報の入力や初期設定をしたうえで、使い方のルールやフローを決めて運用を始めるのが一般的な流れです。SFAには営業管理の機能もあるため、営業部署全体を管理する仕組みも整えるとコスト削減につながります。

オンライン営業の導入

オンライン営業を導入すれば旅費出張費と移動に伴う人件費の無駄の削減ができます。Web会議ツールを導入して、顧客への営業活動をオンラインでおこなう方法です。移動する必要がないので、商談数を増やして営業効率を上げられるメリットもあります。

オンライン営業の導入はツールの選定から始めます。広く用いられているZoomやTeamsなどから必要な機能が備わっているものを選びましょう。顧客に説明をして理解を得たうえでオンライン営業を始めます。対面での営業にこだわる顧客もいるので、オンライン対応可能な顧客にだけ使用するようにしましょう。

リモートワークの導入

営業業務にリモートワークを取り入れるとコスト削減になります。営業は外回りやオンライン営業が多く、オフィスに席を設けていても使っていない時間が多いということもあります。オフィスに固定席を用意せずにフリーアドレス制にして、原則リモートワーク対応にすればオフィスの地代を削減できます。リモートワークの導入は通勤費のコスト削減にもなる効果的な施策です。

リモートワークに対応するにはルールの策定と勤怠管理の方法の検討がまず必要です。業務管理に使えるSFAや勤怠管理システムなどを導入し、リモートワークでしっかりと営業活動をさせられる体制を整えましょう。

出張管理の実施

出張費のコスト削減には管理体制を整えることが重要です。出張申請をして上長の承認を得てから出張するというフローを構築して管理するのが合理的です。出張経費を削減するために格安航空券の利用などを前提として、営業担当者ではなく総務などの担当部署が手配するというルールにする方法もあります。

出張管理にはシステムを導入すると便利です。出張管理システムや稟議システム、経費精算システムなどを使うと管理できます。システムの導入と合わせて運用ルールを定め、周知を徹底することが重要です。

営業担当者の教育研修

営業担当者のスキルアップを図り、効率的に働ける人材に育て上げることで、人件費のコスト削減が可能になります。営業担当者がそれぞれ持っているノウハウやナレッジを共有し、営業チームとして売上を上げる体制を整えることが理想的です。

営業担当者の教育研修では、まず一致団結するマインドの育成が重要です。全員が意識してお互いに高め合う気持ちを持つことで、自然に情報共有が進みます。定例ミーティングを実施して進捗を共有するなどの取り組みを通じて、チーム意識を醸成しましょう。並行して、情報共有のためのCRMやSFAなどを導入し、運用を始めることが効率的です。

営業コストを削減する際の注意点

コスト削減の取り組みは営業活動を促進できる可能性があるので積極的に取り組むことが大切です。その一方で、営業コストの削減はマイナス効果になる場合もあります。ここではコスト削減に取り組むときの注意点を解説します。

営業の質の向上を目指す

営業コストを削減するときには、むやみに経費の節約を促すのではなく、結果として営業力が向上するように推進することが重要です。コスト削減を徹底しすぎると営業の質が低下するリスクがあります。営業ツールの導入はコストがかかりますが、長期的に見れば業務改善によってコストパフォーマンスを上げられます。営業担当者にとっても商談数を増やしたり、商談のスピードを上げたりできるのでモチベーションアップになる方法です。

コア業務のパフォーマンス向上を図る

営業のコスト削減では、営業担当者がコア業務に集中できるようにすることが重要です。コア業務のコスト削減をするとパフォーマンスが低下するリスクがあります。営業のノンコア業務の負担を軽減し、顧客との商談というコア業務に携われる時間を増やすのがコツです。契約書類の作成や稟議書類の用意などの定型的な業務は自動化が可能です。コア業務で活用できる営業ツールも充実させるとパフォーマンスが上がりやすくなります。

チーム意識を持ってコスト削減に取り組む

企業がチームとしての意識を持ち、全体としてコスト削減に取り組む風土を作ることが重要です。コスト削減の意識がない人がいると、積極的に取り組んでいる人のモチベーションが下がる可能性があるからです。営業チームとして全員で協力してコスト削減をする意識を持つことがまず重要です。さらに、他部署も巻き込んで企業全体としてコスト削減に取り組むと不満が生まれにくくなります。営業は他部署との連携が多いので、協力してコスト削減を進められるようにしましょう。

営業コストの削減なら”KDDI Message Cast”

営業コストの削減には、SMS送信サービスのKDDI Message Castが有効です。このシステムはCRMやSFAと連携可能で、SMSの一斉送信や自動送信に対応しています。SMSは到達率・開封率が高く、送信後すぐに顧客の手元に届くため、顧客フォローのツールとして優れています。また、営業担当者間での連絡ツールとしても活用でき、営業チームの連携を促進する方法としてもおすすめです。

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まとめ

営業コストの削減には、業務効率の向上を通じて個人およびチームのパフォーマンスを向上させる施策を考え、進めることが重要です。細々とした消耗品費の削減も大切ですが、全員がコア業務に集中できる体制を整えることで、中長期的に営業のコストパフォーマンスが向上します。営業ツールの導入にはコストがかかりますが、人件費などの削減につながります。初期投資をためらわず、トータルで営業コストの削減を目指しましょう。