業種:人材業界

人材業界では課題解決をして成長できる企業になるためにDX化が必要とされています。人材業界にはDXを積極的に推進して成功してきた事例もたくさんあります。この記事ではDXを人材に関連するサービスを提供している企業で、どのようにして活用する方法があるのかをまとめました。人材業界でDX化をした成功事例も具体的に紹介します。DX化を始める上で役に立つSMSについても解説するので、DXを積極的に推進していきましょう。

そもそもDX化とは?

DX化とはデジタル技術を利用することで変革を起こすことを指します。Digital Transformationの頭文字を取った略称で、概念自体は2004年にエリック・ストルターマン教授によって提唱されました。日本では経済産業省によってDX推進ガイドラインが打ち出されてから注目を浴びるようになり、人材業界に限らず、どの業界でも積極的に推進されています。

経済産業省では、ビジネスにおけるDX化が「競争上の優位性の確立」をすることを目指す変革と提示しています。データやデジタル技術は今までにも業務効率化の目的でよく用いられてきました。しかし、DX化は業務効率化の枠組みに留まらず、製品やサービス、ビジネスモデルなどの抜本的な変革をすることを意味しています。大きく変化する社会やユーザーの動向やニーズを加味し、他の企業に対する競争力を獲得する手段としてデータやデジタル技術を生かすのがDX化です。

DX化に活用できるITは次々に生み出されています。機械学習やディープラーニングによるAIの活用や、VRやARなどを含むIoTの利用などのさまざまなアプローチで独自のDX化を進められる環境ができているのが現状です。

関連リンク:DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?DX推進のメリットと課題も解説

人材業界の現状は

人材業界では新型コロナウイルスの影響を受けて激動期を迎えました。コロナ禍以前は人材の流動性が高まり、人材業界のニーズは高まる一方でした。日本の風習として就職したら終身雇用で定年まで同じ企業に勤めるという考え方がだんだんと失われ、欧米と同様に転職をして自分に合う働き方を求める文化が生まれてきたからです。人材紹介サービス、求人サイト、派遣サービス、人材コンサルティングに加え、海外の人材を生かすための斡旋サービスも台頭しました。

しかし、新型コロナウイルスの影響で働き方についての認識に大きな変化が生まれました。国の推進してきた働き方改革の影響も受けて、人材業界のサービスに対するニーズが変化しています。WantedlyなどのSaaSやLinkedInなどのSNSを利用して求職活動をする人も多くなっています。

企業としても単純に人材紹介や人材派遣を依頼するのではなく、自社でリファラル採用を実施するケースも増えました。人材雇用のあり方が激動する時代になり、人材業界ではニーズを捉えて適切なサービスを生み出すことが必要になっています。DXによって競争力のあるサービスを創出することが人材業界の課題となっているのが現状です。

人材業界に対する具体的なDXの活用方法

人材業界に対する具体的なDXの活用方法

人材業界でのDXの活用方法は主に4つに分類できます。それぞれについてここでは具体的に解説します。

顧客管理の効率化

人材業界では、企業と個人という顧客が共に満足するサービスを提供することが欠かせません。顧客管理をして適切な営業対応をすることが売上に直結します。企業には定期訪問をして人材の必要状況を確認したり、新しいサービスの紹介をしたりすることが一般的です。人材紹介や人材派遣では登録者に求人を紹介して積極的に応募して採用してもらえるようにする働きかけをするのが基本です。顧客管理には莫大な人件費がかかっていることは否めません。

DXによって営業をオンライン化したり、求職者のフォローを自動化したりすると業務効率が上がります。タイムリーな対応もしやすくなるため、顧客満足度も向上させられる可能性があります。

人材データの一元管理と活用

人材業界では派遣サービスや人材紹介サービスの登録者の情報を一元管理するDXが有効です。登録者の住所やスキルなどの基本情報をデータベース化して一元管理すると、企業から人材の依頼を受けたときに適材をスムーズに選抜できます。登録者の就業状況や派遣先・紹介先からの評価などのデータも紐づけて管理すると、クライアント企業のニーズに応えられる人材を紹介しやすくなります。

人材データを一元管理して分析すると、どのような人材が高い評価を得て活躍しているか、どんなキャリアの人材が不満を抱えているかもわかります。動向に応じて営業活動を進めるべき企業や出展すべき採用イベントなども選定しやすくすることが可能です。

オンラインサービスの実施

人材業界ではオンラインサービスによるメリットが大きくなっています。新型コロナウイルスの影響を受けて、ビデオ会議のソフトウェアやアプリが普及しました。個人でも法人でもオンライン通話によるコミュニケーションに慣れてきています。人材業界では求職者や企業の採用担当者と面談をしてニーズのヒアリングをすることが欠かせません。対面よりもオンラインの方がお互いに手間がかからず、業務効率と顧客満足度を同時に向上させられます。

また、採用面接の際にオンライン面接のサービスを提供するアプローチも可能です。DX化にまだ取り組んでいない企業でもオンライン面接ができるため、企業と人材のマッチングを効率よく進められます。

電子契約とペーパーレス化の導入

書類の取り扱いが多いのは人材業界の特徴です。契約書の締結や履歴書・職務経歴書のように個人情報を含む書類を印刷物として取り扱うことがよくあります。しかし、紙媒体をやめてペーパーレス化によるDXをすればコスト削減と業務効率化を同時に実現可能です。

クラウドサービスを利用する電子署名での契約も可能になっています。オンラインでスピーディーな契約締結が可能で、郵送などの手間も費用もかかりません。書類の保管コストも抑えられるので長期的に見て経費削減につながるDXになります。履歴書などの管理もセキュリティを充実させたサーバー上で管理すれば漏えいリスクが低くなります。オンラインでの履歴書の提出や、応募先への送付もできるようになるので効率が上がるDXです。

人材業界に対してDX化の成功事例3選

DX化には成功事例が多数あります。ここでは人材業界におけるDX化のうちで代表的な成功事例を紹介します。

株式会社パソナグループ

人材業界の大手、株式会社パソナグループでは自社での採用活動について「DX Suite」を導入して業務効率化を推進しています。「DX Suite」はAIによる自然言語処理を取り入れたOCRシステムです。パソナグループでは新卒採用選考会で筆記試験を実施していて、採点に莫大な人件費がかかっていました。

パソナグループではDX Suiteの導入によって筆記試験の結果をデータとして読み込むことで採点業務を効率化しました。従来は1回の選考の採点に3~4時間かかっていましたが、DX Suiteの活用により15~30分に短縮するのに成功しています。人材業界の繁忙期に社員の負担を軽減できるようになったため、働きやすい環境の整備にも成功した事例です。

参照:株式会社パソナグループ|AI-OCR市場シェアNO.1のDX Suite

株式会社RDサポート

研究開発職の人材を支援している株式会社RDサポートでは、ポーターズ株式会社のサービス「Porters Agent」を導入しています。10年以上にわたって運用してきたRDサポートでは「通勤時間マッチング」の活用によって派遣スタッフの選定を効率化するのに成功しました。

通勤時間マッチングは、勤務時間と通勤時間を入力すると、派遣先企業と派遣社員の通勤時間を自動計算して抽出するシステムです。導入以前は手作業で通勤時間を計算していましたが、システム導入後はわずか数分でマッチングできるようになりました。通勤可能なスタッフの抽出漏れをなくすことによって、派遣先企業に紹介できるスタッフ数を増やすのにも成功したDX事例です。

参照:株式会社RDサポート | お客様事例 | 人材紹介・人材派遣向け管理システム | PORTERS(旧HRBC、HRビジネスクラウド)

株式会社沖ワークウェル

株式会社沖ワークウェルでは通勤困難な重度障がい者に就業機会を提供するために自社開発した「ワークウェルコミュニケータ」を活用しています。沖ワークウェルは障がい者雇用の促進をしている企業です。リモートワーク環境を構築することにより、通勤困難な社員とも円滑にコミュニケーションを取りながら進捗管理もできる環境を整えました。

沖ワークウェルの導入したワークウェルコミュニケータとはバーチャルオフィスシステムです。音声通話を最大限に生かして、リモートワーク下でも他の人が働いている様子を耳で感じ取れるのが特徴です。リアリティのあるオフィス空間を生み出すことで疎外感をなくし、社員が意欲的に働ける環境を構築することに成功しています。

参照:Yumeトーク第64回 重度障がい者の在宅勤務を実現し、誰もが働きやすい環境を創る―OKIワークウェルのイノベーションとは?(前編)

企業のDX推進をするならSMSの活用がおすすめ

人材業界でDX化を推進するならSMSの活用がおすすめです。SMSは顧客に高い確率でリーチできるのが特徴で、送信するとすぐに開封して確認してもらえます。新しい求人が出たときに登録者にすぐに情報を伝えることも、採用企業に内定オファーを出した候補者からの回答を迅速に届けることも可能です。SMS送信サービスなら一斉送信や既読チェックもできるため、求人対象者に同時に求人情報を送ることも、情報が伝わった確証を取ることもできて便利です。

関連リンク:DX推進が業務効率化に繋がるのはなぜ?重要性や成功事例をご紹介
業界別のDX事例15選 DXが各業界にもたらす影響や変化とは

法人向けSMS送信サービスなら「KDDI Message Cast」

SMS送信サービスによるDX化を進めるならKDDI Message Castの導入を検討しましょう。KDDI Message CastのSMS送信サービスは国内キャリアからの発信で到達率も開封率も高く、既読確認もできるので顧客への情報送信に適しています。短縮URLによって求人情報や人材情報へのリンクを送ることも可能です。一斉送信にも対応していて業務効率を上げやすいサービスなので、SMSをDXに活用する際にはぜひご検討ください。

まとめ

人材業界は働き方の変革が起こる時代になり、ニーズの変化に対応する必要性が高まっています。DX化は人材業界のさまざまな課題の解決につながると同時に、競合他社と差をつける取り組みになります。DXの活用方法は多岐にわたっていますが、SMSは導入が容易で企業・人材の両方の顧客に対して満足度を上げられるツールとして有用です。SMS送信サービスは一斉送信や既読確認もできるのでDX化の一環として導入を推進しましょう。