SMSを送信すると受信者に番号表示がおこなわれます。受信者がどのような番号を見ているのかはSMS発信者にとって気になる点です。SMS受信時の番号表示は表記による違いがあります。

この記事ではSMS送信サービスで番号表示がどのようにおこなわれているかをまとめました。「+81」、「0005」の表記やURL利用のようにSMS発信のときに気になりがちなポイントについても併せてわかりやすく紹介いたします。

スマートフォンからSMSを送信した場合の番号

SMSはスマートフォンから送信すると発信者の電話番号が受信者の端末に表示されます。例えば、「09012345678」からSMSを送信した場合、相手には「09012345678」から発信されたものとしてSMSが届きます。あるいは電話帳に登録されていれば発信者の名前が表示されます。誰から送られたSMSかを判断できるように整えられているサービスです。

SMS送信サービスを利用した際の3つの表記

SMS送信サービスからSMSを発信した場合には、番号表示についてサービス提供者による違いがあるので、3つの表記について解説します。

アルファベット表記

アルファベット表記とは、SMS発信者が設定したアルファベットが表示されるものです。送信した人がわかるように表記されるというのが特徴で、企業が送信するときには会社名や店舗名を使用すると受信者に理解してもらいやすくなります。

ただ、アルファベット表記ではSMS発信者が自由にアルファベットの文字列を設定可能で、他社の名前を騙った表記で送信することもできるため、信頼性が低いのが問題です。アルファベット表記をするときには一般的に海外キャリアの通信網を使用します。スマートフォンの設定で海外からのSMSにフィルターをかけられていることも多いため、国内から送られるSMSに比べて到達率が低いのもアルファベット表記のデメリットです。

海外から発信する直収の場合には一般的に国内から発信するものに直収に比べるとSMSの送信費用が安いのはメリットです。しかし、到達率や開封率に問題が生じるリスクが高いため、注意した方が良い表記方法です。

電話番号表記

電話番号表記はSMS送信者が電話番号を設定して送信する仕組みです。SMS送信サービスではSMS発信者が電話番号を決めて送信ができます。希望の電話番号でユーザーに番号表示ができるので、あらかじめ番号を伝えておけば安心して開封してもらえます。

ただし、携帯キャリアごとに異なる電話番号で送る仕様になるため、ユーザーが契約している携帯キャリアに応じた電話番号をあらかじめ伝える必要があり、ユーザーにとっては送信元を判別しにくいケースがあるのがデメリットです。

また、電話番号表記ではSMS送信サービスの費用が高い場合があります。送信料金が従量制でかかるのは他の表記方法の場合と同じです。しかし、電話番号表記の場合には電話番号の発行にあたり、初期費用や月額基本料がかかることがあります。

「0005」から始まる最大10桁の共通番号表記

共通番号とは、「0005」から始まる最大10桁で構成されるSMS専用の送信番号で、携帯4社(NTTドコモ・KDDI・ソフトバンク・楽天モバイル)による審査を通過した信頼性の高い企業のみに発行されます。これを送信番号として表示するのが共通番号表記です。

企業が事前にWebサイトなどで共通番号を公表することで、公表済の番号から携帯キャリア4社すべてのユーザーへ安全にメッセージを届けられるほか、SMS送信元のブランド名や企業名が悪用されるなりすまし被害を抑制できるのが最大のメリットです。また、SMSを受信したユーザーは送信元の番号を容易に識別できるため、フィッシング詐欺の被害を防ぐことが可能です。

ただし、共通番号を利用したSMS送信にはメッセージ送信時に追加の費用負担が必要となるため、注意が必要です。とはいえ、企業からの正規のメッセージとして安心して読んでもらいやすくなるメリットが非常に大きく、特にユーザーからの信頼を重視する金融・保険業界の企業に多く利用される傾向があります。

関連リンク:SMS送受信の共通番号とは?

それぞれの表記方法のメリットとデメリット

アルファベット表記電話番号表記共通番号表記
メリット企業名や店舗名を伝えることが可能で費用も安い希望の電話番号で表示可能キャリア審査済みの正規な企業からのメッセージとして安心して開封してもらえる
デメリット海外キャリアでなりすましリスクが高く、到達率も低い携帯キャリアごとに番号が異なるため、ユーザーへの案内が複雑
電話番号の発行にあたり、初期費用や月額基本料がかかる
共通番号の利用費用がかかる

SMSの3つの番号表示はそれぞれメリットもデメリットもあります。目的に応じた選び方をするのが大切です。

アルファベット表記は海外キャリアで到達率が低く、なりすましやフィッシング詐欺による迷惑SMSと間違えられやすいリスクがありますが、海外キャリアの通信網を使用するので費用が安いです。

電話番号表記は希望の電話番号でユーザーに通知できますが、携帯キャリアそれぞれで異なる番号による通知になるため、ユーザーからは送信元を判別しにくいデメリットがあります。

共通番号は「0005」から始まるキャリアの審査を通過したキャリア公式のSMS専用送信番号を使っているので、ユーザーに安心して読んでもらいやすいのが特長です。

「+81」と表記されるケース

SMSの番号表示が「+81」から始まっていて、内容を確認すべきか迷うときがあります。「+81」と表記されるケースを3つ紹介します。

海外からのSMSの送信

「+81」は国際電話で日本に電話をかけるときに使用します。国際電話の識別番号が「+」、日本の国番号が「81」で、「090-1234-5678」に海外から日本に電話をするときには「+81-90-1234-5678」にかけます。SMSの場合にも同様で、海外から日本にSMSを送りたいときには「+81」を使うことが必要です。海外から日本のキャリアへSMSが送信された場合には、番号表示が「+81」から始まります。

海外サービスによるSMS

「+81」は海外サービスからSMSが発信されたときにも表示されます。日本語で利用できるサービスでも、サービスを提供しているのが海外企業の場合には、SMSは海外から発信されることがあるからです。よく知られているのはTwitterやYouTubeなどのSNSです。他の海外サービスについても国内からSMSを送信していない場合には「+81」から始まる番号表示になります。

国際ダイヤルアシストの利用

国際ダイヤルアシストを使用しているスマホからの発信の場合には「+81」が付く場合があります。国際ダイヤルアシストは、国際電話や国外へのSMS送信の際に自動的に国際電話の識別番号と国番号を付ける機能です。海外からのSMS送信の場合には「+81」の表記になります。ただ、国内からSMSを送信した場合でも国際ダイヤルアシストのシステムの誤作動によって「+81」に書き換えられる場合があります。

SMSメッセージのURLについて

SMSのメッセージにURLを記載したい場合があります。SMSはテキストベースのメッセージサービスなので、画像や動画などを送ることはできません。ウェブサイトのURLをSMSで送ってアクセスしてもらうのが効果的な方法です。ただ、SMSは全角70文字(半角160文字)を上限としていて、長文SMSに対応していても全角670文字までしか送信できません。URLは長くて送れないことも多いので、ウェブサイトに誘導するときには短縮URLがよく用いられています。

短縮URLによって文字数を減らせる

URLをSMSに記載すると1通のメッセージでは伝えきれない情報を受信者に見てもらうことができます。短縮URLを使用すれば20~22文字程度にできるので、長文SMSを受信できないガラケーにもURLを届けられます。短縮URLにすれば文字数制限があっても、50文字程度で相手に要件を伝えることも、URLのリンク先の情報を示すことも可能です。リンク先をチェックしてもらえる可能性を高めることができます。

関連リンク:短縮URLとは?SMSで利用するメリットや注意点について解説!

独自ドメインでユーザーの信頼を得られる

SMSでは短縮URLを使用することにより独自ドメインの設定ができます。受信者にとっては、URLのリンク先にアクセスするのはリスクが高いというイメージがあります。詐欺の被害に遭っている事例もよく知られているからです。しかし、会社名や店舗名を独自ドメインに使用して短縮URLを記述すれば、詐欺のリンクではないと認識してもらえます。SMS送信サービスでは独自ドメインを簡単に設定できる機能を活用できるところもあります。

クリックカウント機能を生かせる

SMSのメッセージにURLを入れるとクリックカウント機能を生かせます。SMS送信サービスでは短縮URLの設定と合わせて、URLをクリックしてリンク先にアクセスしたユーザーの数をカウントする機能が搭載されていることがよくあります。クリックカウント機能を使えば、SMS発信によってどのくらいのサイト集客効果があったかを計測可能です。メッセージごとに集計すると、どのようなSMS送信が効果的なのかがわかります。

法人向けSMS送信サービスなら「KDDI Message Cast」

SMSをビジネス活用する際にはKDDI Message CastのSMS送信サービスを使うと効果的なマーケティングができます。KDDI Message Castは国内から発信するSMS送信サービスで、送信元番号指定にもキャリア共通番号の利用にも対応しています。短縮URLの作成機能や、Salesforceとの連携によるSMS送信結果の分析もできるのが特徴です。SMSマーケティングをするなら効果を上げやすい機能が揃っているKDDI Message Castがおすすめです。

Salesforce連携

まとめ

SMS発信者の番号表示にはアルファベット表記、電話番号表記、共通番号表記の3種類があります。SMSのマーケティング活用にはサイト集客に有用なURLの記載も効果的です。KDDI Message Castはキャリア公式のSMS専用の送信番号である共通番号への対応や、短縮URLについての機能が充実しているので、SMS送信サービスを選ぶときにはぜひご検討ください。

関連リンク:SMS送受信の共通番号とは?