現在、DXへの対応は加速し続けています。企業では、顧客と従業員両方の期待に応えなければ、世界の潮流に乗れず、競合他社に大きく遅れをとることになります。この記事では、DX導入が課題となっている自治体、製造業、建設業の現状を把握しながら、DXツール導入によるメリットを考えていきます。また、DXツール導入にあたり、導入前に取り組むべき準備や推進方法、そしてDXツール選定ポイントについてもご紹介します。 

目次

DXツールとは

DXツールは、企業のデジタルトランスフォーメーションを促進するテクノロジーです。これにはクラウド、AI、ビッグデータなどが含まれ、ビジネスプロセスの効率化、自動化、イノベーションを支援します。これにより、企業は競争力を向上させ、市場で成功することができます。

DXの進め方とは?

早期のDXが求められる中、なぜ日本の従来の業務方法では、世界の潮流に乗れないのでしょうか。

まず投資面において、ICT投資の8割が現在のビジネスの運営・維持(ランザビジネス)に当てられ、従来型のレガシーシステムが残っています。当時の古い考え方が根強く残り、システム開発においても、要件定義・開発・テスト・運用の一連の工程を順序よく行うウォーターフォール型を踏襲しています。

実は、世界的に変化・進歩が激しいシステム開発において、刻一刻と変わる要件に即対応ができるアジャイル開発が適すると考えられます。つまりこれは、システム開発の導入や業務のプロセスだけの問題ではなく、企業全体の方針や文化における課題を露呈しています。

DX戦略とは?立て方や推進プロセス、成功のポイントもご紹介

DXソリューションとは 成功事例や導入方法、選定のポイントなどを徹底解説

そもそもDXとは何なのか?

DXとはDigital Transformationの略称で、デジタル技術の活用を通して新しいビジネスモデルを生み出したり、業務に変革を起こしたりする取り組みです。経済産業省の定義では企業が競争力を付けるイノベーションを重視しています。アナログで実施されてきたことをただデジタル技術に置き換えるのではなく、新しい価値を創造する手段としてデジタル技術の活用を推進することがDXの基本です。

DXにはさまざまなアプローチがありますが、その一つとしてDXツールの導入がよく検討されています。DXによる企業の課題解決と業務推進を支援するツール開発を進める企業も多くなり、成功事例も増えてきているのが現状です。

関連リンク:DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?DX推進のメリットと課題も解説

DXとIT化の違い

IT化はDXと同時に話題に上がることが多く混同されがちですが、IT化はDXの手段の一つでしかありません。IT化とはInformation Technologyの導入を進めていくことを指しています。IT化によってウェブサービスによる画期的なビジネスを生み出したり、ツールの導入によってデータ管理をして業務効率や業務品質を向上させたりすることが可能です。

デジタル技術を取り入れてDXを実現するプロセスとしてIT化が必要になります。ただ、IT化をしても企業が競争力を付けられるようなイノベーションが起きなければDXではありません。DXではITツールを必要としますが、活用方法を検討して他社と差別化できる革新を起こすことが特徴です。

関連リンク:DX化とIT化やIoT・ICTの違いとは?DX化のメリットや課題について解説

DXツールの考え方とは?

これまで、企業の多くが、DXよりも本業を重視すべきと考えて、情報システム開発は主業務ではありませんでした。新しい情報システムの構築や運用を後回しにし、外部企業に委託するケースが多く見受けられます。なお、外部企業に委託する場合、DXに関する依存性が高いために、企業本体にノウハウやスキルが蓄積されないという課題が残ります。

ICT投資が功を奏するためには、長期的な視点で企業の経営戦略の策定が重要です。つまり、優先されるべきは、戦略に沿った内部の業務改革、組織の改編なのです。この準備なしに、安易に外部に技術委託してしまうと、単なるICT技術としてのDXツールの導入となり、内部で部門間の連携、システムの互換性の検証や統合が進まない可能性もあります。

そうなると、DXツール導入がいっこうに進まないケースや、投資そのものが無駄になる事態を招きかねません。つまり、DXツールの導入のためには、企業のそれぞれの特性を活かした経営戦略を練り、最優先課題として不要なシステムの廃棄を段階的におこない、企業内で共有プラットフォームの活用に向けた整備が必要です。

DXツールによって効率化できること

効率化1. 自動化PRAはロボット代行で効率化アップ

ここからは、経営戦略に沿ったDXツールを導入するメリットについて説明していきましょう。今後ますます少子高齢化が進み、労働人口の不足が深刻化します。この解決手段として実用的なのは「自動化」DXツールです。一番初めに思いつくのは、RPA(Robotic Process Automationの略称)ではないでしょうか。これは、ルーティンワークをロボットが代行して作業を自動化し、マンパワーを大きく削減できるシステムです。無料で使えるフリーソフトもあり、RPAを初めて試すなら、フリーソフトでもよいかもしれません。

効率化2. システム運用のDXツールは監視・分析・管理のダッシュボード

次に「システム運用」のDXツールです。DXを推進するためには、ビジネスを止めない「監視・分析・管理」の機能を備えたダッシュボードとしての「全体を可視化できるシステム」があると便利です。DX推進の全体像を把握・管理・運営などプロジェクト管理のためにDXツールがサポート効果を発揮します。これにより、タスク経過や終了を知らせ、遅れをリマインドする機能によって、進捗の可視化、個々のプロジェクトを総括して把握、作業の効率化、ミスやダブり削減が期待できます。

効率化3. マーケティングDXツールは顧客データを一元化

「マーケティング」の自動化ツールを見てみましょう。MA(Marketing Automation)は、SNS・アプリ・LINEやメールなどさまざまなコミュニケーション・チャネルから得られる顧客データを一元化してフル活用し最適化します。お客様のそれぞれの好みに合った理想的なコンテンツを、絶妙なタイミングで届けます。また、SFA(Salesforce Automation)は、顧客情報を一 元化し、営業担当者の商談履歴を保存・管理してデータを整理・可視化が図れます。ビジネスタイプが、B to BかB to Cかによってツールを選ぶとよいでしょう。

効率化4. コミュニケーションDXツールとお客様の満足度向上

自動化が進むと気になるのは、対人が好まれる傾向にある「顧客対応」や「コミュニケーション」です。CRM(Customer Relationship Management)は、すでに自社にある顧客情報をお客様ごとに管理でき、顧客を深く理解し、新しい体験を提供する使い方があります。

チャットボットは、顧客からの過去の質問を収集してパターン化し、回答を自動効率化します。さらに詳しいフォローが必要な場合は、担当部署へ自動的に接続されます。これにより、業務の時間短縮と作業効率の向上、お客様に対しては、適切なタイミングでのコミュニケーションやフォローを実現できます。

DXに役立つおすすめのツール11選

DX推進に役立つツールは多岐にわたっています。以下のような代表的なDXツールから目的に応じて選ぶことが大切です。

①時間管理ツール
②タスク管理ツール
③ビジネスチャット
④Web会議
⑤ファイル共有ツール(オンラインストレージ)
⑥RPA
⑦EPR
⑧名刺管理ツール
⑨MA
⑩CRM・SFA
⑪BI

ここでは上記のおすすめツールの概要と導入するメリットを解説します。自社の状況に合わせてDXになるツールを選定しましょう。

1. 時間管理ツール

時間管理ツールは従業員の業務状況を時間単位で計測して管理できるツールです。時間管理ツールを使うと、誰がいつどの程度の長さの時間をかけて業務に従事したのかをデータとしてまとめて分析できます。業務負荷が大きい業務を洗い出して、人材配置の変更や新規人材の採用、逆に不要な人材の異動を検討するといった、基盤になるデータを集められるDXツールです。残業を減らして業務環境を改善するための業務時間管理の目的でも活用できます。

2. タスク管理ツール

タスク管理ツールは誰がいつまでに何をする必要があるのかを一元管理する目的で活用されています。プロジェクトで処理しなければならないタスクがあるときに、プロジェクトメンバーを登録してそれぞれのタスクや期日を入力して利用します。メンバーがどのタスクの処理を進めていて、進捗状況がどの程度なのかをチーム内で共有できるのが特徴です。タスク管理ツールを通してメンバーでの共同作業を進められる機能があるツールもあります。

3. ビジネスチャット

ビジネスチャットはスタッフ間のコミュニケーションを促進するDXツールです。メールではすぐに気づいてもらえなくても、ビジネスチャットを使うとSlackやMicrosoft Teamsでのメッセージのやり取りとりが出来ます。メッセージや通話での連絡もできますが、ファイルをビジネスチャットツール上で共有することも可能です。タスク管理機能が搭載されていて、汎用性のあるビジネスチャットツールも増えてきています。

4. Web会議

Web会議ツールは音声通話、映像、資料共有といったさまざまな機能によってインターネット経由で会議をすることができるツールです。自社の会議をするときだけでなく、他社との商談でも活発に利用されています。Web会議はマイクとカメラがあれば参加が可能で、パソコンだけでなくスマートフォンでも利用できます。一つの会議室に集まらなくても会議を実施できるため、リモートワークへの対応や多拠点の会社での移動コストの削減にも用いられているツールです。

5. ファイル共有ツール(オンラインストレージ)

ファイル共有ツールは情報をオンラインにアップロードして共有できるのが特徴です。オンラインストレージの一種で、ファイルをアップロードするとアカウントや権限を持っている人だけがファイルにアクセスできます。ペーパーレス化の目的でもよく導入されているDXツールです。メールを使用して送付する手間を減らせるだけでなく、セキュリティ管理をしたり、データの更新状況やファイルのアクセス履歴なども管理したりできることが魅力です。

6. RPA

RPAはルーチン作業をプログラム化することによって自動処理できるようにするツールです。書類の内容を転記したり、入力されたデータに一定の加工を施して保存したりするなど、さまざまな作業を自動化できます。従業員のルーチンワークを減らすだけでなく、ヒューマンエラーを減らして正確な作業を速やかにできる環境を構築できるのがRPAのメリットです。業務効率化によるDXを実現するツールとしてRPAは活発に利用されています。

関連リンク:RPAとは?DXとの違いや導入メリットなどを事例を用いて徹底解説

7. ERP

ERPは経営資源を一元管理するためのツールです。人、物、金、情報を一元管理できるのが特徴で、経営目標としてよく用いられるKPIの算出も簡単にできます。ERPではデータを可視化するツールも搭載されているのが一般的です。経理や財務などのデータを入力していくことで自社の経営状況を簡単に把握できるようになります。ERPは業務アプリと連携できるシステムが多いので、既存システムに追加導入して一元管理体制を整えることができます。

8. 名刺管理ツール

名刺管理ツールは日本のビジネスマナーとして交換する名刺をデジタルデータとして管理できるツールです。紙のまま名刺を持っていても検索性が悪く、社内で共有することも容易ではありません。しかし、名刺管理ツールを使えば名詞をデータとして読み込み、氏名や企業名、連絡先などに分類してデータベースにできます。必要な情報を手入力せずとも、名刺をスキャンするだけで文字認識をしてデジタル化できるシステムが標準的になってきています。

9. MA

MAはデータドリブンでマーケティングの自動化をするためのツールです。マーケティングオートメーションの略称で、顧客の獲得や育成を自動的におこなう仕組みをプログラムして進められるのが特徴です。分析をして可視化するためのツールも搭載されていることが多くなっています。MAを使用すると顧客の基礎情報や行動データに基づいてステップメールを自動で送信したり、メルマガの配信内容を最適化したりすることが可能です。

10. CRM・SFA

CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)、SFA(セールスフォースオートメーション)は顧客情報の管理と営業やマーケティングを支援するツールです。顧客の行動や顧客との接点などを詳細にデータ化して蓄積できます。検索性が高いので個別の営業戦略を検討する目的でも有用ですが、統計分析によって全体方針を立てるのに役立てることも可能です。CRM・SFAを利用すると自社の人材の行動記録や業績評価もできます。

11. BI

BI(ビジネスインテリジェンス)はビジネスに活用できるデータを統合的に取り扱うためのツールです。既存のエクセルのデータやクラウドデータベースなどの情報に接続して、包括的な分析をおこなえます。直感的に操作が可能でエクセルのようにマクロを組む必要がなく、導入によってDXを速やかに推進できます。特にBIはデータの可視化ツールとして汎用性が高く、グラフにして一目瞭然な形でデータを共有する目的に合います。

業界別のDX推進とツール活用状況について

ここでは、自治体や各業界におけるDX推進の状況や現状とその課題について説明します。

業界① 自治体DX

まず、自治体で進められているDXの状況から見てみましょう。自治体DXとは、自治体がデジタル技術やデータ活用によって行政サービスを改善し、住民の生活の利便性を向上させ、その効果により国を発展させ、国際競争力を強めることを目標としています。具体的には、住所変更・結婚や出産・マイナンバーカード作成などの各行政手続きを簡略化し、スピードアップをはかります。

総務省「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」は、自治体が重点的に取り組むべき事項を以下のように示しています。また、ステップごとに説明した手順書も用意しています。

  1. 自治体の情報システムの標準化・共通化
  2. マイナンバーの普及推進
  3. 自治体の行政手続オンライン化
  4. セキュリティ対策の徹底
  5. 自治体のAI・RPAの利用推進
  6. テレワークの推進
  7. 地域社会のデジタル化

参照: 総務省 自治体DX推進手順書概要(P.4)

これらについて、実例を踏まえて詳細を少し見ていきましょう。

「1. 自治体の情報システムの標準化・共通化」については、兵庫県伊丹市の事例を参照しましょう。これまで紙で行っていた庁内申請・承認手続きを「ワークフロー」のDXツールに置き換えました。予算・決算・行政計画のための冊子配布用のコンテンツを「ファイル管理」で共有し、合計430,000枚の紙の資料を削減し、印刷コストでは、年間約100万円減らすことに成功しています。

次に「2. マイナンバーの普及推進」についてです。交付申請や用途拡大中のマイナンバーカードですが、大きなメリットは、本人確認がオンラインで確実にできることです。本人認証によって、行政手続きのワンストップ化が一気に進むため、総務省は、ポイント付与や、自治体にカード発行経費を補助することで普及を促進し、デジタル社会の基盤づくりに取り組んでいます。しかし、現状は、年間1万件を超える手続きのうち、オンラインで行ったのは全2,400種類の「種類ベース」で、わずか3.7%しかありませんでした。

「5. 自治体のAI・RPAの利用推進」については、2040年頃の大幅な人口減少を見据えて、AI・RPAを業務に取り入れることで、業務を代行できるよう方針と実行計画が打ち出されています。

参照:自治体DX推進手順書参考事例集 2022年7月7日

業界② 製造業DX

2021年版 ものづくり白書(P.21)によれば、製造業ではDXに未着手、または一部部門での実施にとどまっています。

製造業においてまず「よいものづくり」の面で問題なのは、「現場にしかないデータの収集とそれぞれ固有の特性を持った工程をどう標準化しDXするか」についてがクリアすべき問題です。

そして、製造業における「よいものづくり」のほかに、もう1つ課題として挙げられるのは、ビジネス拡大のために、効率的に営業戦略を立て営業活動を円滑にすることです。これまで、メーカーとして製品販売のための集客機会を増やす工夫として、展示会開催や、口コミ、紹介によって販売網を拡大するなどの策が講じられてきました。現在は、コロナ禍により、対面販売の可能性が低くなっているため、急務となるのがデジタル化やテレビ会議システムを活用したリモート販売に取り組むことです。非対面のリモート会議システムを利用した場合は、次の問題があります。

  • 相手の表情が読み取りにくい
  • 距離感があり親密度が低い
  • 会食できないため関係性が築きにくい
  • 現場でものを直接触ったり見たりできないため即受注しにくい

製造業、特に中小企業の営業活動において、顧客との信頼関係が営業職員に「属人化」する傾向がみられます。 このため、DX推進のためには、営業担当者が個々に所有している顧客データの収集や共有化、DXに取り組む人材の確保、デジタルマーケティングに関する知見をどう補うかも早急な対応が必要となります。

製造業におけるDXとは?課題や進め方は?DX化を成功させるためのポイントも解説

業界③ 建設業DX

さて、 建設業においてのDXはどのように進められているのでしょうか。建設業におけるDXは、業務プロセスを見直し、生産性向上と新たな事業展開へと誘う役目を担っています。ここで利用されるのは、AIやPRA・ドローンなどのDXツール技術です。

まず、1955ー1972年の高度経済成長期に設置されたインフラ設備や仕組みの老朽化に対処すべきですが、コロナ禍、財政状況が悪化している上、十分な人員を確保できない現状があります。この課題解決のために、国としても建設業DXの取り組みを下支えしており、国土交通省は「i-Construction(アイ・コンストラクション)」(2022年よりインフラDX大賞に改名)や「インフラ分野の DX 推進本部」の設置により、ICT活用の施策を導入することで建設システムの生産性を向上させようとしています。

目指すのは、遠隔・非接触で稼働可能な建設現場へ変革することで、そのための自動・自律化DXツールの導入促進です。これにより、労働力不足を補い、5Gを活用して無人で事故リスクを避け、生産性・安全性の向上を可能にします。

ここでの課題は、DX推進プロセスで、企業内部にDXツールの専門知識について教育を進めることや、社内の経営層と現場との共通の認識をつくるスキームが必要となります。

参照:インフラ分野のデジタル・トランスフォーメーション(DX)施策(令和3年2月9日公表)

建設DXとは?導入メリットや課題は?取り組み事例も紹介

DXツールの選び方と注意するべきポイント

ポイント① 自社への適正・使いやすさ

まず、大切なのは、全社的な経営方針の確立です。必要なのは、DXツール導入によって、どのような目標を達成するのか、課題を解決するのか、また新しい価値を創造するのかを明確にすることです。ここで、KPI指標の設定をしておくと、DXツール導入による目標をどれだけ達成できたか進捗をはかることができます。

そして、DXツール導入前の準備として、業務フローの洗い出しを行います。このとき、現在使っているシステム・ツール・ソフトをすべて把握し一覧にするのが便利です。そして、導入予定のDXツールが対応できることを確認しましょう。また、導入後は、操作する現場のスタッフが使いやすいユーザーフレンドリーかどうかは重要な選択ポイントです。

ポイント② データ連携のしやすさと拡張性

ツール導入の実用性を考えると、使用しているシステムやソフトなどをそのまま使い続けながら、業務改善と自動化を同時に行えることが理想です。そうすれば、ビジネスを止めずに新システムへスムーズな移行が行えます。また、将来的には、他部門との連携が取りやすいように複数のソフトやシステムに対応できるDXツールを選びましょう。部門間で連携が可能になれば、将来のシステムの拡張性が高まります。

ポイント③ サポート体制

サポート体制が充実しているかどうかは、DXツール選択の重要なポイントです。DXツールを導入して運用が始まるとすぐに、操作方法など不明点をサポートにアクセスする機会が増えます。このとき、サポートの手厚い体制が整っているかどうかは重要です。また、対応できるチャネルが多いこと(電話・メール・SMS・チャットなど)、返信の迅速性、専門性の高い返信内容であること、連絡対応時間帯が長いこと、休日や祝日の対応もできるかなども確認しておくとよいでしょう。 

ポイント④ 無料トライアル期間があるか

一度に全てのツールを導入してしまうと、自社の業務には合わなかったということもあります。そんな時には、トライアル期間を設けてあり、段階的に導入できるツールが便利です。使い始めてみると、逆に、業務フローにかえって手間がかかる、無駄がでてしまう、生産性の向上につながらないなどの問題が発覚することもあります。それを避けるために、段階的に導入可能なツールを選ぶことも選択肢の1つです。このようにして、それぞれの確認項目をクリアしながら、自社の業務フローに最適なツールを検討していきましょう。

DXツール導入の成功事例

ここで、DXツールを導入して成功している事例をいくつかご紹介します。

【DX導入事例14選】DX成功事例に見るDX推進のポイントは?

事例1. 高度技術をDXにより標準化

株式会社ブリヂストンは、「2050年にサステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンを実現目標に掲げています。リアルな「断トツ商品とサービス」の強みに加えて、「デジタルを組み合わせたソリューションビジネス」の基盤を創造して進めているところが特徴です。

モーションカメラなどのDX技術を用いて「技能伝承システム」を開発しました。匠の技を受け継ぐ仕組みを構築することで、高度な熟練スキルをDX利用で標準化に成功。生産性向上と高品質な商品の安定供給を可能にした点に注目が集まります。

参照: https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2022060801.html

事例2. DXが「金融・サービス・事業」を融合した東京センチュリー株式会社

DXの浸透により、社内システムを抜本的に変革し、その一例としてRPAを用いて一元管理可能な「ロボットポータル」サーバを構築しました。これにより、「年間8,000時間/9万件」の業務を自動化し、テレワーク下でも自宅からロボット操作が可能に。

関係会社ビープラッツ株式会社と連携したことにより事業基盤をSaaSモデルとして提供し、共創活動に活かしています。このようにDXを推進することで、金融をダイレクトに組み入れ、既存ビジネス(リース・ファイナンス事業)をさらに深化させることにも成功しています。

参照:https://www.tokyocentury.co.jp/jp/challenge/dx/

事例3. 安全で生産性の高いスマートDX現場を目指す株式会社小松製作所

小松製作所は、DXにより「ダントツ商品」の高度化をはかるために、自動化・自律化・電動化・遠隔操作化を進めました。「ダントツサービス」としてIoT/AI(人工知能)予測技術による予知保全や次世代KOMTRAXを基盤として「稼働の見える化」を推進しています。

さらに、建設現場における人・もの(機械・土など)の多様な情報をICTでつなぎ、安全性・生産性・環境性を革新的に向上させることを目標に掲げました。ビジネスパートナー4社と共同で発足した新会社で、レベルアップ・スピードアップをはかっています。成功の鍵は、ESG(環境・社会・ガバナンス)課題の解決と収益向上を、顧客の価値創造を通じて達成しようと努力していることです。

参照:https://www.komatsu.jp/ja/-/media/home/ir/library/results/2019/ja/03_komatsudx.pdf

DXツールならSMSがおすすめ

近年、DXツールとしてSMS(ショートメッセージサービス)の普及が急速に進んでいます。これには以下の特長とメリットがあります。

  • 電話の対応時間と人手削減
  • 文字による連絡で内容を確実に伝える
  • 高いメッセージの到達率と開封率で重要・緊急な連絡に適切
  • 各種サービス用途に合わせた通知を送信可
  • 本人認証
  • メールアドレス不要で電話番号で送信可

コロナ禍、非対面でのコミュニケーションが求められていますが、SMSは顧客本人に直接、また確実に連絡できるツールとして、幅広い業界・業種で、電話、メールやDMの代替手段として利用され好評を博しています。

法人向けSMS送信サービスなら「KDDI Message Cast」

さて、ここで法人向けSMS送信サービス「KDDI Message Cast」についてご紹介します。SMS市場は過去3年間で130%の成長率の伸びをみせています。これまでは2段階認証のための本人認証が主な利用法でしたが、その特性を活かし業務の効率化に効果を発揮しています。

  • アプリインストール不要
  • DMや電話より低コスト
  • メッセージの一斉送信可能
  • 顧客管理システムから自動でSMS送信し顧客リピート率向上
  • 通常のSMS70文字制限から長文660文字送信可能
  • URLを送信できウェブサイトへの誘導、割引クーポンの利用もスムーズ

KDDI Message Castは、申込提出~利用開始まで6~10営業日というサービスの早さ、初期費用・月額費用ゼロ、そして料金はSMS通信数に応じた従量課金制の分かりやすさで、安心して導入をご検討いただけます。

まとめ

DX推進について、自治体、製造業、建設業の課題と有効なツールをご紹介しました。

新型コロナウィルス感染症の影響による大きな社会変化があり、これからの景気回復に向けて、企業は、全体の組織変革、内部構造のイノベーション、そしてお客様にとっての新しい価値提供を、DXによっていかに進めていくことができるかが鍵になるでしょう。

KDDI Message Cast(KDDIメッセージキャスト)詳しくはこちら