支払いを滞納した際、自宅に督促状や催告書が届いたことはないでしょうか。これらの通知が届いたときは適切に対応しないとあとで大きな問題になります。そこで、本記事では督促状・催告書のそれぞれの意味、放置してしまうとどういう事態になるのかを解説していきます。支払いができない場合の対処法も説明します。

督促とは?督促状と催告書の違いは?

どちらも支払いを要求する文書であることは何となくわかりますが、それぞれの文書の意味、違いについて確認していきましょう。

督促状

督促状とは、借りていたお金の返済や税金などの支払いが期日までに行われなかった場合に、債務者に送られてくる返済を要求する書面です。

記載されている内容は、貸金業者によって異なりますが、支払の詳細(金額、返済日、利息、遅延損害金など)、入金期限、振込先、債権者の連絡先などです。

督促状が届いても、書面に記載された期限までにきちんと支払いを済ませれば責められるようなことはありません。ただし、無視して放置していると、法的措置が取られます。

▼督促状の書き方についてはこちら
https://sms.supership.jp/blog/kakikata-template/tokusoku_kakikata-2/

催告書

催告書は、督促状と同じく支払いを求める書面ですが、通常は督促状よりも後になって送られてきます。すなわち、すでに送ってある督促状に対して債務者が請求金額を払わない場合や連絡をとらない場合に、債務者に送る文書です。

書面には、支払い金額、支払先、支払いが確認できていない旨、法的措置などについて記載されています。返済を迫る通知として、督促状よりも強い表現で書かれています。

※支払催促とは

また、ローンなどの支払い期限が過ぎていると、未納代金を知らせるための催促状と呼ばれる書類が届きます。支払いを促す第一報として債権者自身が作成して送付する書類です。すぐに法的措置が講じられるものではありませんが、最初の勧告だから無視して良いものではありません。速やかに支払いをしましょう。

督促状と催告書の違いとは

どちらも滞納しているお金の支払いを要求する文書に変わりありませんが、催告書には返済がない場合に法的措置に訴えるという内容も含まれている点が違います。

さらに、送付する際に利用する郵便の種類にも違いがあります。督促状は一般的に普通郵便で送られてきますが、催告書は内容証明郵便が使われる場合が多いことも特徴です。内容証明郵便は郵便局と差出人に控えが残る特殊な郵便で、差出人と受取人の名前、文書の内容が記録に残ります。すなわち、催告書には内容証明があるため、無視しようと思って「そのような通知は受け取っていない」と主張することができません。

また、督促状は支払いを滞納すると比較的早く届きます。貸金業者や公的機関にもよりますが、郵便だけでなく電話などで督促してくることもあります。一方、催告書は最終通告として送られてくる文書ですので、督促状よりも前に届くことはありません。

どちらも早く対処することが必要ですが、催告書が届いたら危機感をもって早急に対処しないと問題が大きくなります。

期限内に支払いされない場合の督促の仕方

期限までに支払えなかったときには基本的な手順を踏んで支払ってもらいましょう。ここでは督促に至るまでの流れを解説します。

催促をする

督促よりも前にまずは支払いの催促をします。メールや電話、SMSなどを利用して支払われていない事実を端的に伝えます。相手がただ忘れているだけのこともあるので、最初の催促のときには気遣いの気持ちを持って連絡するのが適切です。病気や怪我などのやむを得ない事情があって連絡すらできなかった可能性も考慮して、真摯な態度で催促をしましょう。

また、自社が請求書の送付を忘れていた、支払期日の記述を誤っていたというケースもあります。自社に非があるのに催促されたら、相手は不快に思うでしょう。事前に送付した請求書の内容に誤りがないかを確認したうえで催促するのが大切です。もし請求書に誤りがあったなら、詫び状を同封して請求書を再送するのが適切な対応です。

<h4>催促メールの文章例

メールで催促するのはすぐに相手に届くのでビジネスでは有効な方法です。ここでは催促メールの書き方の例を紹介します。

件名○月分お支払いのご確認
本文○○株式会社 ○○課 ○○様
日頃より大変お世話になっております。株式会社×× ××部の××です。
表記の件につきまして弊社にてご入金の確認ができておりません。大変お手数ではございますが、お支払いの状況についてご確認をいただけますか。ご請求内容につきまして、あらためて添付いたしましたので併せてご確認をお願い申し上げます。
行き違いのご連絡でしたら申し訳ございません。本件につきまして、○月○日までにご回答をいただけますと幸いです。ご不明な点がございましたらご連絡ください。どうぞよろしくお願い申し上げます。
株式会社×× ××部 ××

メールでの催促では請求についての証拠書類を添付するか、請求書番号をメール内に記載して、何の請求なのかを明確にします。行き違いの可能性があることを考えて文面に記載するのは重要なポイントです。また、期日を設けて速やかな回答をもらえるようにして、返事がないときには次のステップに進めるようにしましょう。

関連リンク:督促・催促メールの書き方は?テンプレートや例文もご紹介!

督促状を送る

メールで催促しても返事がない、電話をしても出ないというときには督促状を送付します。督促状は裁判所を通して支払督促を進める意思決定をしたことを相手に伝えるためのフォーマルな連絡です。メールでも送ることは可能ですが、一般的には郵送で内容証明郵便などを使って確実に相手に届けた証拠を確保します。

督促状は催促しても応答がないときだけでなく、相手が負債を抱えていて支払えないとわかったときや、滞納が続いているときなどにも送付する場合があります。企業が直接送る督促状には法的効力はありませんが、今後法的手段を取ることを明確にして支払を積極的に促す効果があるのが特徴です。督促状には以下の内容を記載するのが基本です。

・宛先

・差出人

・送付日

・「督促状」の表題

・支払われていない請求の概要

・支払いの要求および請求事項

・法的措置を取る可能性がある旨

督促状は「拝啓」から始まり「敬具」で締めるフォーマルな手紙と同じ形式で書面を作成します。相手もメールより重みがあることが一目でわかるので、以下のような督促状を送付された時点で慌てて支払いをしてくれる場合もあります。

○○株式会社 ○○部○○様株式会社○○〒xxx-xxxx ○○県○○市x-x-xTEL:xxx-xxx-xxxxEmail:xxx@xxx.co.jp
拝啓貴社におかれましてはますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。平素よりご愛顧をいただき誠にありがとうございます。
さて、20xx年○月×日にご請求いたしました○○(請求書番号:xxxxx)の代金につきまして、お支払い期日が過ぎております。弊社にて確認をいたしましたが、入金をいただけていないようでした。
お忙しいところ恐縮ですが、至急ご確認の上、お支払いのご予定について○月△日までにご連絡をお願いいたします。お支払いをいただけない場合には法的措置を取らざるを得ないことをご了承ください。
本状と行き違いにご入金をいただいていましたら大変申し訳ございません。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
敬具

裁判所より支払督促の送達をする

督促状を自社で作成して送付しても支払が確認できない場合には裁判所で手続きをして支払督促の送達をおこないます。裁判所から支払催促を送達すると法的効力があります。支払わない相手に対して、強制執行による債権回収をするために必要な手続きが支払催促です。裁判所に申し立てることで、裁判所が相手に法的効力がある支払催促を送達してくれます。

支払催促は裁判所に直接、申し立ての手続きをするだけで良いのが特徴です。弁護士に依頼して債権回収を図ることも可能ですが、弁護士費用の負担が発生してしまうデメリットがあります。支払催促は基本的な手続きが決まっていて比較的わかりやすく、弁護士に代行してもらわなくても個々に申し立てが可能です。自社で督促状をいくら送っても対応してもらえないときに、強制執行をするには支払催促をしましょう。

<h2>支払督促の手続きの流れ

支払督促の手続きは簡易裁判所でおこなえます。事前に内容証明郵便で督促状を送付して、確実に督促をして相手が支払いに応じなかった証拠を用意しておきましょう。そして、支払督促申立書、請求の内容及び発生原因に関する証拠書類、当事者目録を用意して裁判所に提出します。簡易裁判所で書類を受理したら審査がおこなわれ、正当な内容だったときには支払督促が債務者に送達されます。

支払催促は裁判とは違って、債務者を呼び出してヒアリングすることはありません。書面的に支払われていないという事実が認められれば支払督促が通達される仕組みになっています。事前に内容証明郵便を出しておくことで、やむを得ない措置として使ったと相手に理解してもらえるでしょう。

関連リンク:督促・催促メールの書き方は?テンプレートや例文もご紹介!

異議申し立てとは?

支払督促を受けた相手は異議申し立てができます。異議申し立てとは債権者の請求している内容に異議があるときに申し立てることができる制度です。請求金額がおかしい、支払期日が契約書と異なるといった場合に、債務者が不当な請求を受けずに済むようにするための対応策になっています。

異議申し立てが可能なタイミングは債務者に2回与えられます。支払督促は2回に分けて送達されるからです。初回の支払督促の通達を受けて異議申し立てがなく、支払いもない場合には仮執行宣言付支払督促が送達されます。このときにも受領から2週間以内であれば異議申し立てが可能です。

異議申し立てをされると?

支払督促をして異議申し立てをされたときには通常訴訟になります。債権の内容と存在について異議があるときにできるのが異議申し立てで、その根拠を明確にして証拠を示す法廷での争いに移行します。最初の支払督促で異議申し立てをされた場合には支払督促そのものが失効するので、裁判で勝たなければ強制執行はできません。仮執行宣言付支払督促で異議申し立てを受けた場合には、支払督促自体は維持されます。

しかし、相手に支払わせるためには通常裁判で争わなければならないことに変わりはありません。裁判費用がかかることも考えてどのような対処をすべきかを考えなければならない状況になります。

督促状が届いたときにすべきこととは

実際に督促状を受け取った場合、対処に戸惑うのではないでしょうか。ここでは、4つの適切な対処法について順に解説します。慌てずに対処していきましょう。

消滅時効の確認

返済が5年以上滞っている場合は、借金の時効が消滅している可能性もあります。「消滅時効」という、一定期間権利が行使されない場合、その権利を消滅させる制度があるからです。消滅時効をすでに迎えている場合は、借金の返済が不要になりますので、まずは時効を確認してみましょう。

なお、借金の一部を入金したり、電話で借金を返す約束をしたり、借金があることを認めて話を進めると、時効がリセットされ、消滅時効の起算が中断してしまいますので注意が必要です。消滅時効を迎えていることを確認できたら自分から債権者に電話せずに、まずは弁護士に相談しましょう。時効援用の手続きが必要だからです。正式に時効が成立すれば、支払いは不要です。

期限内の支払い

未払い料金や返済に関する督促状が届いたら、すぐに入金するようにしましょう。書面に記載されている期限内にきちんと支払えば問題ありません。とくに貸金業者からの借金の場合は、延滞期間中に利息や遅延損害金がどんどん膨らんできます。延滞すればするほど返済が難しくなってきますので、早めに対処することが必要です。

なお、督促状が届く段階では、まだ法的な拘束力はありませんが、長期延滞になると信用情報に悪影響が及ぶリスクがあります。できるかぎり早めに支払い、延滞を解消しましょう。

期限内に支払できない場合

書面で請求をされても、資金がなければ現実的に支払いするのは困難です。その場合は、書類を無視せずに、まずは書面に記載されている貸金業者へ連絡してください。放置するのは絶対に避けましょう。電話をかけて、「支払いを〇日まで待って欲しい」などと、相談してみてください。交渉次第ですが、利息だけであとの支払いは少し待ってもらえる場合や、分割払いが可能になる場合もあります。

年金が支払えない場合

国民年金の被保険者は、月分の国民年金保険料の納付が必要です。保険料が納期限までに保納付されない場合、納付勧奨が実施されます。納付勧奨を何度実施しても納付する意思がない人には、最終催告状が送付されます。それでも指定期限に納付されないと、督促状が送られてきます。

国民年金保険料がどうしても支払えない場合は、早い段階で年金事務所に相談してみましょう。国民年金保険料の支払いには免除・納付猶予の制度がありますので、利用することで未納を防ぐことができます。将来年金がもらえるように制度を利用することをおすすめします。

税金が支払えない場合

市民税や区民税などが支払えない場合は、市町村の役所にまず相談してみましょう。税金を滞納すると、裁判なしに強制執行ができるため、突然銀行の口座が凍結されることもあります。国や行政の場合は、督促状、催告書、差し押さえという順で手続きが進むとは限らないため、油断は禁物です。

役所の担当窓口できちんと相談すれば、延滞税はかからないようにするなど、配慮してもらえることもあります。市区町村で相談する際には、現在の生活状況と、今後どのように納税していくかを担当者ときちんと話し合いましょう。定期的に連絡することが大切です。

弁護士に相談

返済が難しい場合、債権者側の対応によっては、債務者は窮地に陥るかもしれません。相談しても支払期限の延長や分割払いなどに応じてくれないと、債務者は打つ手がなくなってしまうでしょう。また、交渉することに不安感があり、相談ができないという人もいると思います。自分ひとりの力ではどうすることもできない場合は、弁護士に相談してみることも検討してみましょう。借金の督促状や催告書の場合であれば、弁護士が債務整理など、相談者に合った手続きを提案してくれます。債務整理を利用すると、利息のカットや原本の減額などが行えます。

督促状・催告書が届いた際の注意点とは?

督促状や催告書を受け取ったときは、どのような点に注意すべきでしょうか。ここでは、とくに大事なポイントを3つ説明します。

注意点①架空請求

まず、身に覚えがある督促状・催告書であるかを確認することです。なかには、債権回収業者を装った悪徳業者が架空請求するケースもあります。そのため送り主が、実際に自分が借金をした業者であるかを確認しましょう。全く心当たりのない督促状であれば、弁護士や消費者センターにすぐに相談することをおすすめします。

注意点②消滅時効

先述しましたが、借金を一定期間支払っていなかった場合、時効を迎えているかもしれません。そのため、督促状が届いても時効が消滅しているのであれば借金を返済する必要はありません。時効を迎えているにもかかわらず借金を一部でも払うと、時効がリセットされますので注意してください。

注意点③内容証明郵便

返済を滞納し続けると、数か月後に債権者から「内容証明郵便」で督促状が届くことがあります。書面には一括返済を請求する旨が記載されているのが一般的です。裁判になる一歩手前の状況ですので、すぐに対処しなければなりません。

督促状・催告書を放置した場合はどうなる?

それでは、督促状・催告書を放置した場合、どうなるのでしょうか。督促状が届いてから差し押さえまでの流れに沿って説明します。

支払いの一括請求

督促状や催告書の内容を確認せずに放置しておくと、滞納分の他にも未払いの利息・遅延損害金も含め、一括請求されます。一括請求とは、最後通告に近い請求です。

訴訟が始まる可能性

それでも無視して滞納している場合、裁判所から「支払督促申立書」という文書が特別送達で送られてきます。この書類は、債権者が支払督促を申し立てると債務者に送付される書類です。債務者が異議を出さなければ、債権者は強制執行の権利が認められるため、差し押さえなどの法的措置をとることができます。そうなると債務者の給料や預貯金などが差し押さえられる可能性がありますが、異議申立書を2週間以内に提出すれば、差し押さえを回避できます。

差し押さえを受ける可能性

裁判所から届いた「支払督促申立書」を無視した場合は、法的措置の手続きが進められ、仮執行宣言が出され、宣言後に差し押さえられてしまいます。勤務先を債権者に知られている場合、給与が差し押さえられる可能性があります。また、家や車などを差押えられ強制的に売却される可能性もあるでしょう。このように督促状・催告書を放置するのは非常に危険です。差し押さえが実行される前に対処しましょう。

未回収を防ぐ督促状を送るならSMSがおすすめ

リマインドメールは、予約者への事前連絡などを伝えて思い出してもらうことを目的に送られています。リマインドメールはEメールが利用されてきましたが、近年ではSMSが着目されています。SMSは携帯電話番号を宛先にして送るショートメッセージです。開封率、到達率、レスポンス率が高く、電話やメールよりも有効性があることで注目され、企業の活用事例が増えてきました。延滞の催促もSMSを使ってリマインドできるため、未回収を防ぐのに役立ちます。クレジットカードの支払いなどの催促手段としてSMS配信を導入して成功した事例もあります。

関連リンク:https://sms.supership.jp/blog/sms_case_study/remindmail_sms_katsuyoujirei/

法人向けSMS送信サービスなら「KDDI Message Cast」

SMSでリマインドメールを送りたいとお考えなら、「KDDI Message Cast」がおすすめです。初期費用も月額費用も0円と、導入時の負担がありません。メッセージは最大660文字まで配信でき、たくさんの顧客に一斉送信できる便利なサービスです。安心できるサービスと通信事業者としてのノウハウをいかした運用体制の「KDDI Message Cast」のSMS送信サービスの導入をぜひご検討ください。

まとめ

督促状は借金などを滞納するとすぐに送られてきます。督促状を受け取ったら、まず心当たりのある借金かを確認することが大切です。正当な督促状であれば、期限内に支払いを行いましょう。資金がないからと無視し続けると、最悪の場合、給料や財産が差し押さえられます。すぐに返済することが難しくても、無視せずに、まず債権者に相談してみましょう。それでも解決できない場合は弁護士に相談することも選択肢の一つです。